17歳の肖像 An Education

●「17歳の肖像 An Education」
2009 イギリス BBC Films,Finola Dwyer Productions,Wildgaze Films,.100min.
監督:ロネ・シェルフィグ
出演:キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、ドミニク・クーパー、ロザムンド・パイク他。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白かった。キャリー・マリガンの作品をちゃんと見たのは初めてだったが、キュートだ。
今年27歳になるんだね。「プライドと偏見」とか見ているんだけど、気がつかなかった。
全編これ彼女の魅力。もちろん、両親、先生たち、など脇もしっかりしているが。
彼女は本作で2009年度のアカデミー主演女優賞にノミネートされている。

利発はオックスフォードを目指す利発で美人な高校3年生ジェニー。ラテン語がちょっと
苦手だったりする。学校ではオーケストラでチェロを弾く。笑顔がキュートな少女と
大人の女の間の存在。時代は1961年である。
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そんな彼女が雨の中大きなチェロを抱えての帰宅の途中、クルマで彼女に近づいてきたのが
ディヴィっド(サースガード)だ。紳士で知的レベルも高く、自らをオックスフォード出身だという。
しかし、どこか謎めいている。不動産や美術品のブローカーのような仕事を仲間とやっている
らしい。
これまで平凡な高校生活を送ってきたジェニーにとって、自由で思いのままを生きている
ディヴィッドは眩しく、憧れの的となった。まず食事に連れ出し、絵画のオークションを体験させ
友人たちとオックスフォードに泊まりがけでくりだし、(彼女の両親に大学の恩師に会いにいくと
嘘をついていたのだが)、そして遂に彼女が憧れるパリにまで連れ出すことに成功するのだ。
彼との暮らしは楽しく刺激に満ちて、学生時代とは雲泥の差であった。次第にデイヴィッドの
世界に溺れていくジェニー。
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そんな暮らしの中で、勉強することの意味を見いだせなくなったジェニーは、学校を辞めて、
プロポーズしてくれたデイヴィッドと婚約してしまう。
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割と物分かりがよくて、まんまとデイヴィッドのポーズに騙された両親も、彼女の結婚を
許してしまう。しかし、結婚祝いの食事に向かう車のグローブボックスに、デイヴィッドが
結婚していたことを示す手紙を見つけてしまう。
彼に対し、両親に説明するよう言うジェニーだったが、デイヴィッドは、帰ってしまう。
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ジェニーは彼の家に行ってみる。出てきた夫人に、すぐに見破られ「妊娠しているの?前に
そういうことがあったから」とまで冷静に言われてしまう。

彼の彼女を想う気持ちに嘘はなさそうだったが、気に入った女性にすぐに入れ込んで求婚する
という悪い性癖の持ち主であったのだ。
デイヴィッドとの結婚を安安と許した父親も、ジェニーに対し詫びるのであった。

ジェニーは、復学を要請、かつて退学の時に教育の無意味さを主張していた先生方に
「愚かでした」と謝り・・・。そしてそれから猛勉強。ジェニーは無事にオックスフォードの英文科に
合格するのであった。

というのが大意であるが、始め、ジェニーがデイヴィッドと会って次第に虜になっていく時には
彼が悪い男でありませんように、オックスフォードにちゃんと行けますように、と祈ってしまった。
デイヴィッドは最初から彼女を遊びの相手とは思っていなかったようで、心底彼女が好きに
なっていたことは確かだろう。
だが、相手が高校生であることを無視した連れ回し方は、大人の振る舞いではない。
元々が真面目な(タバコはスパスパすうけど大丈夫なのかな、と心配した)美人高校生が
道を過たないように、と願っていたが、それは一旦裏切られ、しかし、自らの過ちに気づき
自分で軌道を修正していき、それを成功させる姿は、見終わったあとが清々しかった。

100分の掌編であるが、中身の濃い面白い映画であった。
冒頭普通の高校生だったジェニーが、デイヴィッドと知り合い付き合ううちに不似合いな
大人びた顔つきになり、やがて疲れた顔になり、また元気な17歳に戻っていく進行は
見ていても納得の演出であった。

<プロダクションノート&ストーリー>
「大きな時代の転換期を目前にした60年代初頭のロンドンを舞台に、多感で好奇心旺盛な
16歳の少女が、はるかに年の離れた30代のプレイボーイと恋に落ちたことで体験する
危うくも刺激的な日々と、揺れる心の軌跡を瑞々しいタッチで綴る思春期ドラマ。

英国の女性ジャーナリスト、リン・バーバーの回顧録を基に、「幸せになるためのイタリア語
講座」のロネ・シェルフィグ監督が映画化。
ヒロインを演じたキャリー・マリガンは各方面から絶賛され、一躍ハリウッド期待の新星として
大いに注目を集める存在に。
共演は「ニュースの天才」「エスター」のピーター・サースガード。
 
 1961年、ロンドン郊外。16歳の少女ジェニーは、両親が期待するオックスフォード大を
目指して勉強に励む優等生。しかし、本心ではパリに憧れ、退屈な毎日にうんざりしていた。
そんなある日、彼女は倍以上も年の離れた男性デイヴィッドから突然声をかけられる。
最初は身構えたジェニーだったが、デイヴィッドの紳士的で知的な言動に心を許し、
あっという間に恋に落ちてしまう。

ほどなく両親の信頼も獲得したデイヴィッドは、彼女をナイトクラブや音楽会といった
魅惑的な大人の世界へと導いていく。そんなデイヴィッドにすっかり夢中になるあまり、大事な
勉強にまるで身が入らなくなってしまうジェニーだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-08-14 22:50 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)