2012年 08月 25日
紅の翼
1958 日本 日活 93分
監督:中平康 企画:水の江滝子
出演:石原裕次郎、芦川いづみ、中原早苗、滝沢修、西村晃、阿部徹、芦田伸介、小沢昭一、大坂志郎他
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
WOWOWでやっていた石原裕次郎特集。興味があったわけではないのだけど、この作品は
小学校の時に見ていたのではないかな、とおぼろげの記憶があり、観てみた。
結果、自分が幼い頃見たものかどうかは分からなかったが、なかなか、これはこれで面白く
見てしまった。もちろん、突っ込みながら見るのですけと・・・(^O^)
昭和33年の東京が登場する。何もない昭和の中頃の東京の風俗を楽しむのもいい。
当時、まだ空撮など珍し時代に、そらからの光景というのも観客を惹きつけるのに十分だったと
感じた。
羽田をベースにして近距離を飛ぶ航空会社のパイロット石田(石原裕次郎)、彼が逃亡する
殺し屋と八丈島で緊急に必要になった破傷風の血清を乗せて、飛び立つが、途中でトラブルに
見舞われ、苦心惨憺の末、無事に八丈に結成を届ける様子を活劇で描くもの。
クリスマスシーズンが背景になっていて、当時の銀座の風景や、周りに何もない羽田空港の
様子が見られる。裕次郎だけではなく、このあたりの邦画の特徴である、わざとらしい演技も
今となっては楽しく見られる。
裕ちゃんはそれなりに、二谷英明はカッコ良いし、芦川いづみは凛として可愛い!
<ストーリー>
「石田康二(裕次郎)は遊覧飛行機ダブの副操縦士なのだ。スチュワデスの敬子が恋人だ。
--岩見産業の岩見社長が射殺され、犯人は逃走したというニュースを、康二は飛行場の
事務所で聞いた。敬子(峯品子)は日東タイムスの記者、長沼弓江に(中原早苗位)
インタービューされていた。
そのとき、八丈島の飛行場事務所から島の子供が破傷風にかかり至急血清を送れという
報せが来た。弓江は血清の手配を手廻しよくすませた。
ダブ機の故障で、島まで三百キロの海上飛行はセスナ機によるほかない。
誰も尻ごみするのを、康二が買って出た。乗客はダブをチャーターした大橋(二谷英明)
というもの柔らかな若紳士と、特ダネだからと社に頼みこみ特派された弓江の二人だけである。
初めて飛行機に乗った弓江ははしゃいでいた。大橋は八丈島生れで、母の墓参に帰るのだ
という。彼は左手の小指がなく、また胸ポケットからピストルがのぞけたのを弓江は見た。
大島上空で、ラジオのニュースを聞いた弓江の頬がこわばった。「岩見殺しの犯人は左手の
小指のない板垣一郎という殺し屋だ」と放送されたのだ。
見破られたと知った紳士大橋は一ぺんにべらんめえ口調の殺し屋に変った。
「八丈へは降りさせねえぜ」コルトを康二の脇腹にあてた。八丈の西の小島に着陸させ、
待っている仲間の船で香港へ脱出しようというわけだ。康二は機を急上昇右旋回させ、
板垣の腕をかかえこみ、遭難信号を発しようとした。
そのとき、板垣の手がマイクコードをひき抜き機外へ放った。
--セスナの機体震動が急にひどくなり、新島へ危険な不時着をした。機体点検のスキに
康二は板垣に躍りかかり、ピストルを奪うが、敵はもう一つ持っていた。
康二は無理をしなかった。夜が来た。板垣も離陸を夜明けまであきらめたようすだ。
とんだクリスマス・イヴだ。このままでいけば、板垣のピストルのエサになるだけだ。
それに子供の命は?康二は離陸の直前、プロペラの前に板垣を立たせ、操縦席の弓江に
サインを送った。いきなりプロペラは回転され、板垣の体を地面に叩きつけた。離陸する機へ、
血だらけの板垣が撃った。康二の右腕が射抜かれ、ガソリンタンクに当った。
--ガソリンを使い切ったセスナ機が失速状態におちいりながらも八丈島に着陸した。
飛行場の小屋に突っこみ翼をへし折った。「血清を子供に早く……」康二は血みどろの腕の
まま気絶した。--翌日、羽田から敬子たちが乗ったダブが迎えに来た。
明るい顔の康二と弓江を乗せて離陸した機を、島の子たちが手を振りながら追った。 」
(goo映画)
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