セラフィム・フォールズ Seraphim Falls

●「セラフィム・フォールズ Seraphim Falls」
2006 アメリカ Icon Productions.,115min.<日本劇場未公開>
監督・脚本:デヴィッド・フォン・アンケン
出演:ピーアース・ブロスナン、リーアム・ニーソン、マイケル・ウィンコット他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
ほぼ面白く観た。途中でイソップとか論語みたいな世界観を強要するような
下りがあり、鼻白む。1868年、日本の明治維新の年の西部が舞台。
雪が深い山の上。今しも野ウサギの丸焼きが出来上がる。男が一人。あたりを
警戒しながら、焼き加減を観ているところに銃声が一発。すかさずよけるが
2発目、左の二の腕に命中。男は、こけつまろびつ、雪山を下り逃げる・・。

お、なかなか緊迫のスタートだ。それからラスト近くまで、逃げる男と追う男の
緊張がずっと継続する。逃げる男が悪者で、追う男が復讐の善人という常識で
いいのか??と考え続けなければならない。
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追う男はリーアム・ニーソンと彼に雇われた数人の男たち。逃げるのはピアース・
ブロスナン。追跡劇の途中で、次第に追いつ追われつの関係がおぼろげながら
明らかにされていく。所々でフラッシュバックされる女性の姿に、リーアムの
奥さんが何かされたんだろうな、とわかってくる。
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ブロスナンは逃げる途中で川に転落。ずぶ濡れになりながらも、左腕の盲管銃創に
ナイフを当て、銃弾を取り出し、熱したナイフをキズに当て消毒する。痛そう!
途中で、木の上に上り、追っ手の男一人をナイフで殺し、腹を割いて、凍えた手を
暖める・・・えげつな!!こいつ、悪い奴だな!と思わせる。
更に、クマのわに口罠を使って、一番若い追ってをしとめる。そこにやってきた
リーアム一行、わに口が体にめり込んだボーイと呼んでいた男に銃でとどめを刺して
楽しさせたのはリーアムだった。ムムム、非情なやつ。彼こそ悪か!?

その後、ブロスナンは、火を起こしてリーアム一行をおびき寄せ、木の陰に隠れて
夜陰に乗じてナイフで襲いかかろうとしていた。暗くなった頃、ブロスナンの背後に
表れたのはリーアムだった。顔を拝ませろ、と言うリーアムに振り向くふりをして
逃亡。彼は一軒の開拓者の家を見つける。馬を盗もうとしたところを娘に見つかり
ライフルを突きつけられる。娘は、キズと疲れで倒れ込んでしまったブロスナンを
家に入れ、治療を施す。やがて父親が帰ってきた。ブロスナンは馬を売ってくれ、と
頼むが父親に断られる。一夜の宿だけは提供したが、ブロスナンは夜中に馬を
奪って逃げた。
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夜明けにこの小屋に到着したリーアム一行は、父親を叩きおこし、奴はどこに行ったと
激しく問う。金貨を見つけて、これはどうした?と迫られるが、幼い男の子が、自分が
盗んだ、と自白する。急いでブロスナンの跡を追う一行。家を去る際、殺された男の
馬を置いていけ、と命令するリーアム、お、こいつはいい奴かな・・・。

山を下ると、行けども行けども平原が続き町に到着しない。途中、線路を埋設している
テント村、牧師が率いるキャラバンで追いつき、逃げるという繰り返し。
牧師には、拳銃もライフルも弾を抜かれてしまい、1発のみを残すだけになってしまった。

更に逃げる途中で、ブロスナンは銀行強盗を終えて、こちらも逃げている3人組に遭遇。
中の一人がブロスナンを知っていた。彼は兵隊らしい。凄腕で鳴らしているらしい。
3人組のうちの一人がブロスナンを追ってきて、殺そうとするが、逆に投げたナイフで
殺されてしまう。それまで徒歩だったブロスナンは殺した男の馬を奪い、平原を逃げる。

リーアム一行、雇われた2人が仲たがいし始める。生きて捕えないと金は払わないと
言われているからだ。やがて、銀行強盗の殺された男のところに一行がやってきた。
雇われた男の一人が、死んでいる男は懸賞金が付いたお尋ね者、彼を連れて行けば
250ドルになる、俺はここで降りる、という。リーアムは男の馬を撃ち殺し、
連れて行きたければ歩いていけ、というのだ。馬はリーアムのものだったのだ。

更に平原を逃げるブロスナン。人馬ともにへたばり、やがて馬は倒れ込む。ブロスナンは
馬の首をナイフで切り、もういいんだ、良くやったよく眠れと声をかけた。
やがてリーアム一行もやってきた。馬はいるが、ブロスナンの姿がない。どうしたのかと
不思議がっていると、なんと馬の腹の中からブロスナンが飛び出し、雇われた男を仕留め
さらにリーアムに殴りかかる。ブロスナンは「戦争だった」とは言うのだが・・・。
そこで明らかにされる事件の全貌。
北軍の部隊を率いて残党狩り?をする大尉であるブロスナン。彼らは探していた南軍の
大佐であるリーアムの家を発見。家探しをするが、中に赤子がいることの申告を
怠ったため、火を放った時、赤子を探しに入ったリーアムの妻と長男も焼死してしまった
のだった。自分がやったことに幻滅して制服を脱ぐブロスナンであったが、
リーアムは復讐の鬼となり、以後3年間、追い続けていたのであった。
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2人のタイマンが始まった。二人ともヘロヘロ。まず殴り合いが始まる。
やがてブロスナンの放った最後の一発がリーアムの腹に命中。ブロスナンは
リーアムの銃を自分の頭にあて、「お前の意思だ」と覚悟を決めるが
リーアムは引き金を引かなかった。立ち上がった二人は、再び平原を歩き始めた。
しかし、二人の行方は西と東であった。そして二人の姿はフェイドアウトし、
平原には突き刺さったブロスナンのナイフと水筒が残っていた・・。
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というお話なんだけど、観ている誰もが気が付くと思うけど、最後の方で
出てくる、泉の番人と、砂漠に現れるマダム・ルイーズ。奥さんは幻じゃない?と
いうけど、実弾は受け取ったわけだし。
途端に胡散臭くなる、このシークエンスは全くいただけなかった。
この二人の登場で何を言いたかったのだろう。つくづく残念だ。

それと、追いつ追われつの追跡劇のみに終始し、セラフィム・フォールズという
土地で起きた、惨劇を背負った二人の男の恨み哀愁というものが描き切れていない。
追跡劇の表層に終始してしまった(その部分では面白いのだが)のも残念だった。

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2012-08-28 23:05 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)