2012年 09月 03日
ハンナ Hanna
2011 アメリカ Focus Features,.111min.
監督:ジョー・ライト
出演:シァーシャ・ローナン、エリック・バナ、ケイト・ブランシェット、トム・ホランダー他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は6,5。冒頭、ヘラジカ?狩りの少女、CGかもしれないが、仕留め、内臓を腑分けする
光景に、若干嫌な感じを受けて映画は始まる。タダならぬ雰囲気、時代や場所は、どこ?と
父親らしき人との暮らしぶりはなかなかスリリングなスタートであった。
だが、終わってみると今一つ残るモノがない。印象的だったのはケミカル・ブラザーズの
曲とケイト・ブランシェットの怪演だけ。その他のストーリーの展開に無理があったり、
(CIAの遺伝子操作で、感情の一部を取り除き、非情で、肉体が強靭である子供が生まれる、
父親はCIAの元エージェント。彼はフィンランドの山奥に潜んで子供をそだて、ケイトを
殺す刺客として子供をドイツに送り込む、ケイトは失敗した実験の後始末を受け持ち
最後の一人となったハンナを追うという大意)
細かい(ハンナがパソコンを使い切ってしまう事や、彼女の耳にピアスの跡が
見えてしまったり)に見逃せない突っ込みどころがあるのも残念だった。
一緒に行動していたませた少女は年齢不詳で、いささか気持ち悪い感じだった。
「ラブリーボーン」で印象に残っていたシァーシャは、頑張っていたが、父親に鍛え
られるという同じような構造をもつ「キック・アス」に比べると痛快さも、爽快さも
随分とビハインドな印象だ。大体、彼が父親だ、という確証が得られてないし、
母親も本当のところ誰なのかは確証が得られないのもフラストレーションとして
残ってしまう。
ケイト・ブランシェットは、CIAのハードボイルドなエージェントを好演しており、
ホントに憎たらしい。それにしては、ラスト、足を滑らしてこけちゃうって(苦笑)。
そしてハンナに「また心臓を外しちゃった」とか言われて、銃で仕留められて
しまうのだが、まあ、作中の彼女の行動からみれば、当然の帰結のではあろうが
カタルシスを感じないのはどういうわけか。
決して眠くなる類の映画ではないのだが、上記のような理由で「残念な」結果に
なってしまった。
<ストーリー>
「『つぐない』でキーラ・ナイトレイの妹を演じ、アカデミー助演女優賞にノミネート
されたシアーシャ・ローナンが、再びライト監督と組んだ本作。
シアーシャ演じるハンナは、他人と一切接触する事なく、父親から戦闘技術や諜報術
だけを教えられて育った16歳の少女。
そんなハンナが初めて外の世界に出て、モロッコ、スペイン、ドイツと旅をし、
他人と出会って変化していく姿を描く。シアーシャは厳しいトレーニングを重ね、
タフな格闘技術を身に付けるだけでなく、16歳の少女の繊細な心情を見事に演じきった。
マリッサを演じるケイト・ブランシェットの冷徹な演技も見応えあり。
ケミカル・ブラザーズが初めて映画音楽を手がけた事でも話題の一作。
ハンナ(シアーシャ・ローナン)は、元CIA工作員の父エリック(エリック・バナ)と
フィンランドの山奥で人知れず暮らし、並外れた格闘テクニックを叩き込まれた少女。
愛らしい外見に反し、痛みを知らず、感情を持たないまま16歳に成長する。
いつしか戦闘応力が父を越えるまでになったハンナに、ついに外の世界へ旅立つ日が
訪れる。だが、ある任務によってヨーロッパへ旅立った彼女を、かつての父の同僚である
CIA捜査官マリッサ(ケイト・ブランシェット)が執拗に追う。
行く手を阻むマリッサの手下との壮絶な戦いの中で、ハンナは自身の卓越した身体能力の
秘密を知ることになる……。 」(goo映画)
自分が遺伝子操作で生まれたモンスターであることを知ったのちも、感情の変化は
起きてない。キャンピングカーで移動していた少女との友情や家族愛というものを
知っていく過程で、ハンナの心にも変化が起きるのか、と思うのだが、そうでは
なかったようだ。でもグリム公園のおじさんの惨殺死体には怒ったと思うのだが
怒りにはきちんと反応するのかな。
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