死刑台のエレベーター Ascenseur pour L'echafaud

●「死刑台のエレベーター Ascenseur pour L'echafaud」
1957 フランス Nouvelles Éditions de Films (NEF),.94min.
監督:ルイ・マル  原作:ノエル・カレフ
出演:モーリス・ロネ、ジャンヌ・モロー、ジョルジュ・プージュリイ、リノ・ヴァンチュラ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
評価が定まった映画をあれこれ言うのは難しいが、私の好み、ということで評価。
マイルス・デイヴィスのアルバムは持っているのだが、映画は未見で
この度、NHKBSで放映していたのを機に鑑賞した。
マイルスがラッシュを見ながらアドリブで吹いたという音楽は確かに素晴らしい。
都会の倦怠と退廃を良く表していると思う。ルイ・マルという巨匠の映画は
好んでみるものではないが、今回の作品はモノクロで描かれた抒情詩のような
テイストは、音楽と相まっていい感じに出来上がっているとは思う。短めの
上映時間もテイストを壊さないので良かった。これがヌーベルバーグという感じ
なのかな、と思いを致した次第。25歳という若さで本作をものしたルイ・マルと
いう才能はけだし天才と呼ぶのに相応しいと思った。
ストーリーを追うというより、映像で表現された抒情詩を味わう、また若き
ジャンヌ・モローの都会の退廃を匂わせる演技や表情を楽しむべきものであろう。
渋いリノ・ヴァンチュラも良かった!
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<プロダクションノート&ストーリー>
「ヌーベルバーグは本作とゴダールの『勝手にしやがれ』から始まった。
本作は当時25歳という若さだったルイ・マルのデビュー作であり、
彼の早熟ぶりもさることながら、映画自体の新鮮さは今も失われていない。
不倫から始まった殺人計画が、ちょっとした偶然から崩れていく。
通俗的な話を冷静な視点で見つめ、「愛の神話」の領域にまで高めた
マルの演出は大きい。しかし何といってもヒロインのジャンヌ・モローが
圧倒的なすばらしさだ。モローはこの後、『恋人たち』『突然炎のごとく』で
ヌーベルバーグのミューズとなる。そしてマイルス・デイビスをジャズファン
以外にも知らしめたクールな演奏もすばらしい。すべてが一級。

25歳の仏映画界の新人監督ルイ・マルが、推理作家ノエル・カレフの原作を、
自身と新進作家ロジェ・ニミエの共同で脚色、ニミエが台詞を書いた新感覚
スリラー映画。キャメラは新人アンリ・ドカエ。巻頭から巻末までを10曲の
モダーン・ジャズで通した音楽はトランペット奏者で作曲家の
マイルス・デイヴィスで『メイン・タイトル』『エレベーターの中の
ジュリアン』『夜警の巡回』等と名づけられた10曲が演奏される。

種々の新しい試みによってこの作品は1957年ルイ・デリュック賞を得た。
「抵抗(レジスタンス) 死刑囚の手記より」に主演したフランソワ・
ルテリエが第二助監をつとめている。
出演者は「宿命」のモーリス・ロネ、「現金に手を出すな」のジャンヌ・モロー、
「素直な悪女」のジョルジュ・プージュリー、「親分」のフェリックス・
マルタン、「夜の放蕩者」のリノ・ヴァンチュラ、「悲しみよこんにちは」の
エルガ・アンデルセン等。製作イレーネ・ルリシュ。

未開地開拓会社の技師ジュリアン・タベルニエ(モーリス・ロネ)と
社長夫人フロランス・カララ(ジャンヌ・モロー)は愛し合っていた。
二人の自由を阻む邪魔者シモン社長を亡きものにせんと、二人は完全犯罪を
計画していた。
殺害計画実行の日が来た。ジュリアンは拳銃をポケットにしのばせ、
バルコニーから手すりに錨つきのロープをかけて上り、社長室に入り、
社長を射殺し、その手に拳銃を握らせた。
彼は再び手すりから一階下の自分の部屋におり、何くわぬ顔をして、
彼を待っていた電話交換手とビルの管理人と共に、エレベーターでおり、
外に出た。しかし手すりに錨つきロープを忘れて来たことに気付き、ビルに
かけこみ、エレベーターに乗り、上りはじめたが急に階の途中でエレベーターは
止まってしまった。ビルの管理人が電源スイッチを切って帰ってしまったのだ。
ジュリアンは何とか脱出せんと試みたが無駄だった。フロランスとの約束の
時間はどんどん過ぎていった。

彼を待つフロランスは段々と不安にかられ、彼を求めて夜のパリをさがし
まわった。一方、花屋の売り子ベロニック(Y・ベルダン)とチンピラのルイ
(ジョルジュ・プージュリー)はジュリアンの車を盗んで郊外に走り出た。
車の中にはレインコート、小型カメラ、拳銃があった。
前を走るスポーツ・カーについて、或るモーテルに着いた彼等は、ジュリアン・
タベルニエ夫婦と偽り、そのスポーツ・カーの持主ドイツ人夫婦と知り合いに
なった。ドイツ人夫婦の小パーティーに招かれ、いたずらにカメラで写真を
撮影した後、ルイと共にドイツ人夫婦の部屋を出たベロニックは、
モーテルの現像屋へフィルムをとどけ、自分達も、部屋に帰った。
そのころ、なおジュリアンを探し求めていたフロランスは、夜の女と共に
警察に連行された。同じ頃、ジュリアンは尚も脱出せんとしたが万策つき、
やむなく朝を待つことにした。

一方モーテルのベッドで寝ていたルイとベロニックは夜明けを待たずに起き、
ドイツ人のスポーツ・カーを盗んで逃げようとして見付かり彼等を射殺して逃げ、
アパートに帰ったが、今更のように殺したことが怖くなり催眠剤を飲み心中を
はかった。ドイツ人夫婦殺しは、宿帳に記載されていたジュリアン・タベルニエ
夫婦と云う名と、現場にあった車と拳銃で、犯人はジュリアン・タベルニエと
推定された。警察に連れて行かれたフロランスは身分を明し、釈放されたが
その時、警部から、ジュリアンが若い娘と共にドイツ人を殺し、逃亡したと
云うことを聞いた。

朝、エレベーターが動き出し、やっと外へ出られたジュリアンを待っていたのは、
身に覚えのない殺人事件の犯人と云うことで、彼を捕える警察の手であった。
ドイツ人殺しのアリバイを立証する為には、完全犯罪として計算してやった
社長殺しの方が危くなる。
警察は、社長は自殺であると思いこんで、専らドイツ人殺しの自供を求めた。
一方フロランスはジュリアンが昨夜、車に乗せていた若い娘は花屋の売り子で
あろうと、彼女の部屋にかけつけたが、若い二人は催眠剤を飲んだが死んでは
いなかった。フロランスはドイツ人殺しの嫌疑をジュリアンから除く為
彼等のことを警察に知らせた。その間に部屋を出たルイは、唯一つの彼等の
証拠品であるフィルムをとりに、モーテルへと行った。
しかしルイは写真屋の暗室で逮捕された。ドイツ人と共に撮した写真が全てを
証明していた。ルイを追って来たフロランスも、社長殺しの共犯として逮捕された。
即ち、ジュリアンと共に撮した親しげな写真が彼等の関係を物語っていたのだった。」
(goo映画)

映画の中で、フロランスとルイが出会うことはない。ラストカットの現像液に
浮かび上がる2ショットの中のみ。その写真にフロランスは、2人の愛が永久に
結びあっていると思うのであった。

この映画の詳細は
こちら
まで。
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by jazzyoba0083 | 2012-09-29 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)