羅生門

●「羅生門」
1950 日本 大映 88分
監督:黒澤明 脚本:黒澤明、橋本忍 原作:芥川龍之介
出演:三船敏郎、京マチ子、志村喬、森雅之、千秋実、本間文子、上田吉二郎、加東大介他
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<評価:★★★★★★★★★☆☆>
<感想>
世界的に評価が定着している作品ではあるが、黒澤作品群の中でも
人によって好悪は分かれるかもしれない。「七人の侍」とか
「隠し砦の三悪人」の娯楽性が薄れ、芸術性が立っている作品だ。
私も、どちらかと言えば娯楽性の強い作品が好きだ。三船のキャラクターは
「七人の侍」と似たような感じだけど。
今回も京マチ子を筆頭として音声が聞こえ辛かった。娯楽作だと大体の想像で
分かってしまうのだが、本作は謎解きがあるので、ストーリーが分かりにくい
という難点がある。まあ、芥川龍之介の原作「藪の中」のタイトル通り、
映画の内容も「藪の中」なんだけれど。
加えて京マチ子のヒーヒー言いっぱなしの泣き声が気になって仕方がなかった。

しかし、だからと言って本作がダメとかいうのではない。今から60年以上前の
作品とは思えないカメラ、音楽、美術、演出であるとは思う。
だだ、俳優のセリフ回しはこの時代の黒澤時代劇は押しなべてそうであるが、
無骨で生硬い。

特にお芝居風のセット、巨大な朽ちた羅生門や、検非違使の御白洲など
背景を排除したような単純かつ大胆な美術は世界レベルであるし今でも
充分通用するな、と感心した。

全体の構成、カメラ、演出など、映画芸術として確かに世界に誇れる作品で
あることは疑いのないことだ。
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<ストーリー>
「平安時代のとある薮の中。盗賊、多襄丸が昼寝をしていると、侍夫婦が
通りかかった。妻に目を付けた多襄丸は、夫をだまして縛り上げ、夫の目の
前で妻を強姦する。
しばらく後、現場には夫の死体が残され、妻と盗賊の姿はなかった。

--物語は、この殺人事件をめぐり、目撃者の杣売(志村喬)と旅法師
(千秋実)、捕らえられた盗賊(三船敏郎)と侍の妻(京マチ子)、
それに巫女により呼び出された、死んだ侍の霊の証言により構成される。

ところが事件の顛末は、証言者によってくい違い、結局どれが真実なのか
わからない。盗賊によると、女がどちらか生き残った方に付いていくと
言うので夫と対決し、彼を倒したが女は消えていたと言い、妻は妻で、
盗賊に身を任せた自分に対する夫の蔑みの目に絶えられず、錯乱して自分を
殺してくれと短刀を夫に差し出したが、気が付いたら短刀は夫の胸に突き
刺さっていたと告白。
そして夫の霊は、妻が盗賊に、彼に付いていく代わりに夫を殺してくれと
頼むのを聞いて絶望し、自分で自分の胸に短刀を刺したが、意識が薄れて
いく中で誰かが胸から短刀を引き抜くのを感じながら、息絶えたと語った。

役所での審問の後、羅生門の下で雨宿りをしている杣売と旅法師は、
同じく雨宿りをしていた下人(上田吉二郎)に事件について語る。
下人は、短刀を盗んだのは杣売だろうとなじり、羅生門に捨てられていた
赤ん坊の衣服を剥ぎ取ると行ってしまった。呆然とたたずむ杣売と法師。
杣売は、赤ん坊を引き取って育てるという。
法師が彼の行為に一縷の希望を見出し、映画は終わる。」(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2012-10-04 23:15 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)