あしたのパスタはアルデンテ Mine Vaganti

●「あしたのパスタはアルデンテ Mine Vaganti」
2012 イタリア Fandango,Rai Cinema,113min.
監督:フェルザン・オズペテク
出演: リッカルド・スカマルチョ、ニコール・グリマウド、 アレッサンドロ・プレツィオージ他
あしたのパスタはアルデンテ Mine Vaganti_e0040938_17424998.jpg

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
イタリアのみで製作された映画ってそう見る機会がないのだが、今回コメディーという
ことで鑑賞。コメディーというかビターでシニカルな部分もあり、これがイタリア的と
いうのだろうかな、味わいはある映画。そこそこ長いが楽しめた。
邦題はどうなの?と思ったけど、観終わると、なるほどな、という感じだった。
私の数少ないイタリア映画感からすると「家族」が泣き笑いの中で描かれていくという
のは特長の一つではないかと思う。本作のコアなテーマとして流れる「ゲイ」も
趣味では全くないけど、家族がヘテロなものをどう受け入れるか、という試金石として
は面白かった。俳優さんはまったく知らない人たちだったけど、それぞれに味わいが
あった。
あしたのパスタはアルデンテ Mine Vaganti_e0040938_1743226.jpg

あしたのパスタはアルデンテ Mine Vaganti_e0040938_17432844.jpg

<プロダクションノート&ストーリー>
日本ではたまにしか公開されなくなったイタリアン・コメディ。
最新のトレンドや世相に流される事ない作品群は、時として「これはいったい
いつの映画?」と感じなくもない。たぶんイタリア人にとって“目新しさ”は
さほど重要ではないのだろう。
本作の舞台は田舎町、テーマも「家族愛」「自立」と普遍的であり、エロチックな
ギャグも下品になる手前で止めている。しかしそれがマイナスかというと、まったく
そうではない。「笑い」は手段で、描きたいのは家族から自立する若者と家族の関係。
大事なのはその“さじ加減”なのだ。とはいえ、一家を訪ねてきたトンマーゾの
友人たち(もちろん全員ゲイ!)が、ゲイだとバレないように苦労するシーンは
かなりの爆笑もの。

カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭グランプリ「向かいの窓」のフェルザン・オズペテク
監督による人情コメディ。老舗パスタ会社の後継者がゲイを告白したことで、
騒動が起こる。出演は「輝ける青春」のリッカルド・スカマルチョ、「シチリア!
シチリア!」のニコール・グリマウド、「副王家の一族」のアレッサンドロ・
プレツィオージ。

トンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)はローマに住む作家志望の青年。
実家は南イタリアのレッツェにある老舗のパスタ会社だが、兄アントニオ
の新社長就任が決まり、共同経営者一族の晩餐会が開かれることになった。
帰郷したトンマーゾは、その席上で家族に言えなかった3つの秘密を告白しようと、
兄のアントニオに予告する。1つ目は経営学部と偽って文学部を卒業したこと。
2つ目は家業を継がずに小説家になること。そして最大の秘密はゲイであること。

だが、ディナーの席でトンマーゾが告白しようとした矢先、アントニオが先に
カミングアウトしてしまう。実は彼もゲイだったのだ。一同は驚愕、
父ヴィンチェンツォは憤怒のあまり、アントニオに勘当を言い渡してそのまま
卒倒。家族は大騒ぎになる。
トンマーゾは告白どころか、ローマに戻ることもできず、共同経営者の美しい娘
アルバとパスタ工場を任される羽目に。果たして、トンマーゾの未来は……?
老舗パスタ会社の将来は……?そして、一家に再び平和な日々は訪れるのか……? 」
(goo映画)


本作の半ばあたりで、トンマーゾのホモだち(恋人も含む)が数人訪れるが
上にも書かれているように、彼らがゲイだと分からない様にする苦戦ぶりが
笑える。独特の服装ってあるんだなあ。医者とか弁護士とかでみんないい奴
なんだけどね。冒頭、おばあちゃんの若き頃の道ならぬ恋の様子が分かりづらい
のとカットバックの花嫁の映像も意味をもって進行するのだが、ちょっと
雰囲気が添わなかったかなと感じた。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2012-10-10 23:30 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)