マージン・コール Margin Call

●「マージン・コール Margin Call」
2010 アメリカ Before The Door Pictures,Benaroya Pictures.106min.
監督:J・C チャンダー
出演:ケヴィン・スペイシー、ポール・ベタニー、ジェレミー・アイアンズ、デミ・ムーア、スタンリー・トゥッチ他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白い!流石にオスカーノミニーの脚本だ。リーマン直後のアメリカ金融・証券業界を
描く、所謂内幕ものであるので、経済単語、リバレッジとか手仕舞い売りとかが分かると
さらに面白いだろう。舞台となる投資銀行こそ、世界不況の原因となったリーマン・
ブラザーズだといわれる。
前半セリフが往復するが後半俄然と動きが出てきて面白さが加速する。長さもちょうど
良かったし、ケヴィンほかのキャストもいい味出していて、凡百の経済内幕ものよりぐんと
いい出来だった。専門的なんで日本劇場未公開なのが勿体無い。

今更ながらアメリカの会社社会のある意味冷酷さを突きつけられる。しかし皆それを
淡々と受け入れていくんだな。
ジェレミー・アイアンズ演じる会社のボスのセリフがいい意味でも悪い意味でも興味が
ある。「この世の中得するやつと損するやつは同数」というが、そんなことは絶対無いから
ね。資本主義というのは圧倒的に損するやつがいて成立していると思うよ。

彼とて、会社をやめる決意をしているケヴィンにすがらざるを得ず、またケヴィンも
説得されて結局会社に残ることにする。一旦クビになったスタンリーも、また会社に
戻るのだ。一方憧れてこの世界に入った若きトレーダーが最後にクビになり、途方に
くれて泣く、という世界、よく描けているな、と思った。成功すればストックオプションを
もらえ、年収が何千万何億の世界。しかし所詮は虚業である、どこかつきまとう虚しさを
みな心に抱えている。

この作品、栄華から地獄そして反転というまさに一生分の転変を一昼夜の経過で描き
切っている。ラスト、ケヴィンがもはや自分のものでは無くなった豪邸の庭に愛犬を
埋める穴をスコップで掘るのだが、まるで自分の墓穴を掘っているように感じた。
誠にダイナミックな映画であった。

お勧めです。
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<ストーリー>
「ウォール街のとある投資銀行。ある日、突然の大量解雇が発表される。リスク管理部門
でも多くのスタッフがオフィスからの退去を命じられる中に、リスク管理部門の責任者
エリック・デール(スタンリー・トゥッチ)の姿もあった。
彼は「用心しろ」という意味深な言葉とUSBメモリーを部下であるピーター・サリヴァンに
手渡した。その晩、残されたデータを分析したピーターは、会社が全資産を超える損失に
繋がりかねないリスクを内包した大量の金融商品(不動産担保証券、いわゆるサブ
プライム商品)を抱えている、という結論に達する。
即座に新たに上司となったウィル・エマーソンを呼び出し状況を説明するピーター。
既に状況は逼迫しており、明日にもリスクが顕在化する危険があった。 ウィルと上司の
サム・ロジャースは緊急役員会の招集を進言する。会社の存亡の瀬戸際で役員達が
導き出した結論は、市場が気付く前に全ての不良資産を早急に売りさばくことだった。」
(Wikipedia)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2012-11-12 23:20 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)