2012年 12月 24日
クリスマスのその夜に Home for Christmas
2010 ノルウェー・ドイツ・スウェーデン 85min.
監督・脚本・製作:ベント・ハーメル
出演:トロンド・ファウサ・アウルヴォーグ、クリスティーネ・ルイ・シュレッテバッケン、フリチョフ・ソーハイム他
<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
「おうちへ帰ろう」というタグラインがそのままの感想。クリスマスイブに
数組の人生が織り成す物語を短い時間に綴った心温まる掌編である。
ほのぼのとするいい映画ではあるが、全体のトーンが北欧なのでどこか寒く
薄暗い感じがつきまとう。フィナーレがオーロラだったりするのが象徴的だ。
冒頭、スナイパーに狙われる少年。引き金が惹かれる寸前でほかのシーンに
代わり、それがラストシークエンスへと繋がり、なるほどね、と得心が行く次第。
嫌な始まりかなあ、とおっかなびっくりで見ていたがそうではなかった。
原作が短編集ということなのでオー・ヘンリの現代版か、と思ってしまった。
<ストーリー>
「ノルウェーの名匠、ベント・ハーメル監督が、大切な人との時間を求めて懸命に生きる
人々の複数のエピソードを交錯させながらクリスマス・イヴの一夜を描いた群像劇。
複数のエピソードが同時進行で語られ、それぞれの関係が繋がるにつれ、各自の
人生が明らかになっていくところが面白い構成だ。
これまで『ホルテンさんのはじめての冒険』『キッチン・ストーリー』で、ありふれた
日常の中の人間の可笑しさと哀しさを描いてきたハーメル監督。クリスマスだからと
言って特別な奇跡が起こるわけではないが、年に一度の特別な日を大切な人と
過ごしたいと願う人々の、不器用ながらも懸命に生きる姿を温かいまなざしで
見つめる演出が心地よい。
クリスマス・イヴを迎えたノルウェーの小さな町。結婚生活が破綻し、妻のトネ
に追い出されたパウル。サンタクロースに変装した彼は、かつての我が家に潜り込む。
子供たちにプレゼントを手渡したい一心で……。
パウルの友人の医師クヌートは、二度と故郷に戻れないと言うコソボ出身のカップルの
赤ちゃんを取り上げる。彼らの、切迫した事情に胸を痛めたクヌートは、自分でも
思いがけない行動に出る……。
少年のトマスは、家族とご馳走を囲むよりも、クリスマスを祝わないイスラム教徒の
少女ビントゥとの時間を楽しむ。彼女の横顔をきらめく瞳で見つめながら……。
カリンは、不倫相手クリステンの“クリスマスが終わったら離婚する”という約束を
信じていた……。
今年のイヴこそ故郷に帰ると決意したのに、ヨルダンには電車賃さえなかった。
雪の中をさまよい歩き、一台のトレーラーの前に辿り着くと、傍らに駐車してある
トラックのドアに手をかける。すぐに警報が鳴り響き、トレーラーから威勢のいい
中年女性が飛び出して来るが……。
一年に一度、とびきり大切なこの日に、それぞれが愛する人を求めて、それぞれの
夜を迎える。だが、どこで人生のボタンをかけ違えたのか、彼らは躓いたり、立ち
止まったり……。それでも少しずつ、小さな喜びを拾い上げては、再び歩き始める。
今、イヴの夜が明け、それぞれがそれぞれの形で、“うち”に辿り着く。
愛する人に“メリークリスマス”を言うために……。 」(goo映画)
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