レ・ミゼラブル Les Misérables

●「レ・ミゼラブル Les Misérables(2012)」
2012 イギリス Unversal Pictures,Working Title Films.158min.
監督:トム・フーパー
出演:ヒュー・ジャックマン、ラッセル・クロウ、アン・ハサウェイ、アマンダ・セイフライド、
    エディ・レッドメイン、ヘレナ・ボナム=カーター他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
エンディングロールを漫然と眺めながら、この映画から感じ取れたことを
考えていた。号泣していたとなりのお嬢さんのシャクリ上げもどうやら収まった
ようだ。つられそうで困ったけど。祝日のシネコンは1回目も2回目も満席。
アカデミーの発表を前にして、人気は全然衰えていないようだ。

キリスト教的究極の博愛主義、利他主義。ジャン・バルジャンの人を憎まず
愛を以て接する姿勢は、武器を以て復讐するよりも力を持ちうることを、
ジャベールの自殺を以て証明する。愛に徹した人こそ、神の御胸に召される
ことが出来る、永遠の幸せを手にすることが出来るのだ。
これはキリスト教徒だったら、なおさら感激することだろう。

ヴィクトル・ユゴーの原作が優れているのだが、トム・フーパーの手になる
映画版も、圧倒的な感動を以て迫る。しかし、ミュージカル映画は大好きだが、
「シェルブールの雨傘」のように、セリフが基本的に全部唄になっているのは
個人的には馴染めないというか違和感を覚えつつ鑑賞を終えた。
アン・ハサウェイが大きくフィーチャーされた革命前夜までは特に。

トム・フーパーは全編唄とすることのメリットとデメリットをどう考えたのだろうか。

本作はもともと舞台モノであるから、非常にリアルに再現された、また短い
カットと手持ちカメラで表現される映像には、全編唄という形式は馴染み
づらいのではないか、と感じた。「シェルブールの雨傘」の無邪気な恋愛モノなら
まだ我慢も効くが、「人間賛歌」という重いテーマである場合、どうなのだろう。
そうした手法は、「有り」と認めるとしても、ステージミュージカルや、クラッシック
オペラのように、映画表現とは別のところにある芸術の領域のような気がするの
だが。

しゃべる言葉を音楽にすると、どうしてもリフレイン多用となり、どうもしっくり
こない。
「音楽がセリフになっている」のではなく、「セリフが音楽になっている」無理を
どうしても感じてしまう私でした。それが故に今日まで鑑賞をためらっていた
次第だ。でも結果として観てよかったとは思う。

同じキャストとストーリーだとしても、音楽が感動を倍加させる効果があることは
明白であり、それが故の感動は、普通の映画では味わえないものであることも
確かなのだが。隣のお嬢さんも、宿屋夫婦の本当の娘エポニーヌが、マリウスの
腕の中で亡くなるシーン、またジャン・バルジャンがファンテーヌの幻に誘われて
昇天するシーンに於いて、その唄に感動をドライブされ号泣に至った訳だ(と思う)。

断っておきますが、私ミュージカル映画大好き、劇団四季も、東宝ミュージカルも
大好きです。また「レ・ミゼラブル」を舞台ミュージカルに仕立てたことも大正解と
思いますが、「映画」での全編唄という点にのみ引っかかってしまいました。

ヒュー・ジャックマンを始めとしたキャストの歌声は素晴らしい。現場でリアルに
歌って収録されたという。アフレコであるのかどうかは問題ではなく、確かに
彼らの歌声は、感動を呼び込むのに成功している。

画面は終始薄暗く、ローソクの中の夜の風情だ。

今年度オスカー8部門にノミネートされた本作、さて何部門で受賞となりますか!
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<ストーリー>
「日本を含む世界中で愛され続ける空前の大ヒット・ミュージカルを、豪華キャストを
起用し圧倒的なスケールでスクリーンへと昇華させたミュージカル超大作。
出演はジャン・バルジャン役にヒュー・ジャックマン、彼を執拗に追い続ける宿敵
ジャベール警部にラッセル・クロウ、そのほかコゼット役にアマンダ・セイフライド、
その母ファンテーヌにはアン・ハサウェイ。監督は「英国王のスピーチ」でアカデミー
監督賞に輝いた英国期待の俊英トム・フーパー。
 
 19世紀のフランス。1本のパンを盗んだ罪で投獄され、19年間を監獄の中で
生きたジャン・バルジャン。仮出獄した彼は再び盗みを働いてしまうが、司教の
優しさに触れ、心を入れ替えると決意する。過去を捨て、マドレーヌと名前も変え
ながらも正しくあろうと自らを律して生きていくバルジャン。

やがて市長にまで上り詰めるが、法に忠誠を誓うジャベール警部に自らの正体を
見破られ逃亡を余儀なくされる。その一方で、薄幸の女性ファンテーヌから託され
た彼女の娘コゼットに深い愛情を注ぎ、美しい女性へと育てていくバルジャンだったが…。」
(allcinema)
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by jazzyoba0083 | 2013-02-11 14:15 | 洋画=ら~わ行 | Trackback | Comments(0)