2013年 02月 26日
恋におちたシェイクスピア Shakespeare in Love
1998 アメリカ Univesal Pictures,Miramax Films.123min
監督:ジョン・マッデン
出演:ジョセフ・ファインズ、グゥイネス・パルトロー、ジェフリー・ラッシュ、
コリン・ファース、ベン・アフレック、ジュディ・デンチ、トム・ウィルキンソン他
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
実に面白かった。オリジナル脚本がいい。キャスティングがいい!音楽もいい。
カメラもいい。完成された映画の世界がある。こんな名作を今頃鑑賞した。
シェイクスピアを知っているわけでもなく、作品を読んでいるわけでもないので
人物評は出来ないが、脚本を書き上げるについては時代考証も含めて苦労した
だろう。(当時日本と同じように女性を舞台に上げてはならないという法律があった
とは初めて知った) しかし、当時のイギリスの劇場事情や貴族、王室事情なども
面白く描けていた。何よりシェイクスピア作品もかくやとばかりのウィットとユーモア
に富んだセリフのやりとりは味があった。実在の人物や劇をベースにして、
アイデアを自由に飛翔させた筆力はオスカーも納得である。上映2時間に渡り、
恋愛と作劇と上演と女王陛下がテンポよく心地よく進んで行き、飽きることなく
一気に見切ることができたのだ。
脇役までそれぞれの人物が愛すべき存在として勧善懲悪もありつつ分かりやすく
描かれる。
「ロミオとジュリエット」が出来上がり初演を終えるまでが、この物語とシンクロして
シェイクスピアとお金持ちの商人令嬢の悲恋がベースになるのだが、(劇中劇の
恋愛とシェイクスピアと令嬢の恋愛が見事にシンクロするのだが)映画のほうも
悲恋に終わるものの、ラストはシェイクスピアは「十二夜」を書き始める動機となり
令嬢は新大陸に新しい人生を見つける、という力強さが描かれていて、この
エンディングが何とも気持ちがいい。
シェイクスピア大好き、舞台劇大好き、で男装して一座に加わる貴族令嬢ヴァイオラ
(パルトロー)、やたら剣術が強い天才詩人・劇作家・役者シェイクスピアの
ジョセフ・ファインズ、ヴィオラを強制的に嫁に取る貴族にコリン・ファース、
これにライバル同士の劇場の経営者たち、エリザベス1世女王(ジョディ)、事情を
理解して令嬢の味方になる侍女、ベン・アフレックらが演じた役者たちなど
それぞれの役者の個性と役柄がシンクロして、それぞれの人物が愛すべき
存在としてちゃんと描かれる。(女王陛下が正義の味方として登場して美味しい
ところを持って行ってしまうのだけれど)
クラッシック作品として映画史に残る作品であろう。
お勧めです。
<ストーリー>
「芝居熱が過熱するエリザベス朝のロンドン。ローズ座は人気作家ウィリアム・
シェイクスピア(ジョゼフ・ファインズ)のコメディが頼みの綱だったが、彼はスランプに
陥っていた。なんとか書き出した新作コメディのオーディションにトマス・ケントと
名乗る青年がやってくる。実はトマスが裕福な商人の娘ヴァイオラ(グウィネス・
パルトロウ)の男装した姿だった。商人の館にもぐり込んだシェイクスピアは、
ヴァイオラと運命の恋に落ちる。
その日から堰を切ったように劇作を書き始めたが、トマスから親が決めた結婚の
ためもう会えないというヴァイオラの別れの手紙を受け取り、納得できずまた館へ。
そこでトマスがヴァイオラの仮の姿だと知る。心のままに結ばれたふたりはその後も
忍び逢いを続け、この恋が次第に運命の悲恋物語「ロミオとジュリエット」を形づくっ
ていく。
ヴァイオラは、トマスとして劇場の皆を欺き芝居の稽古を続けていた。初演を待つ
ばかりの日、トマスが実は女性であることがバレ、劇場の閉鎖が言い渡される。
女性が舞台に立つことが許されない時代だったのだ。ライバル劇場のカーテン座の
協力で初演を迎えたが、同じ日ヴァイオラはいやいや結婚式を挙げていた。
式の後劇場に駆けつけたヴァイオラは、突然声変わりが起こって出演できなくなった
少年の代わりに、ジュリエット役を演じることに。ロミオ役はシェイクスピアだ。
詩に溢れた悲恋劇は大喝采を呼ぶが、芝居好きのエリザベス女王の許しで劇
場閉鎖は免れたものの、ヴァイオラの結婚は無効にはならず涙ながらにふたりは
別れることに。結婚して新天地アメリカに赴いたヴァイオラを思い、シェイクスピアは
新たなコメディ「十二夜」を書き始める……。」(goo映画)
この映画の詳細はこちらまで。