ロング・グッドバイ The Long Goodbye

●「ロング・グッドバイ The Long Goodbye」
1973 アメリカ E-K-Corporation,Lion's Gate Films.111min.
監督:ロバート・アルトマン 原作:レイモンド・チャンドラー 
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:エリオット・グールド、ニーナ・ヴァン・パラント、ステーリング・ヘイドン、
ジム・バウトン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
大好きなロバート・アルトマンの作品。巨匠ジョン・ウィリアムズの凝った音楽、
ヴィルモス・ジグムンドの「たゆとう」映像、そしてエリオット・グールドの脱力系
ハードボイル、カリフォルニアの空気感、70年代のカルチャーが相俟って、実に
独特の味を持つ映画となった。 フィリップ・マーロウ探偵の原作は読んだことが
ないので他の俳優が演ったフィリップ・マーロウとは比べられないが、本作は
本作で良かったと思う。
チェーンスモーカーで、猫を飼い、そのキャットフードが無くなったと、深夜3時に
スーパーに買い出しに行く、というオフビートな(笑)雰囲気の私立探偵、フィリップ。
ボロボロのクルマで出かけるところは刑事コロンボを髣髴とさせる。

チャンドラーの名言、
「強くなければ生きてはいけない、優しくなければ生きていく資格がない。」
If I wasn't hard, I wouldn't be alive.
If I couldn't ever be gentle, I wouldn't deserve to be alive.
を、地で行くようなキャラクターだ。

ステディカムなど無かった時代のおそらくクレーンを使ったジグムンドのキャメラは
浮遊感があり、何かが絶えず動いている感覚で当時は斬新だったろう。マリブの海を
バックにした探偵と小説家の2ショット、同じ家での海岸にいる探偵を大きな
窓越しに写したショットなどは、計算されているなあ、と感心する。

冒頭のタイトルバックは、ジョニー・マーサのタイトルソングとともにカットバック
され、雰囲気たっぷり。出だしの猫を始め、犬もたくさん出てきて、作品に
ニュアンスを与えている。

ストーリーは雰囲気を味わっているうちにどうでもよくなっちゃった(苦笑)
んだけど、つまりは信じていた親友に(マフィアのチンピラが親友と言われても
なあ)裏切られ、自殺したと思っていたものの実は生きていた彼を
結局射殺してしまうというハードボイルドなもの。
この中に、よく分からないやたらと裸になりたがるマフィアとか、一九分けの
医師とか、オフビートな脇役(笑)が出てきて花を添えるわけだ。
それらが混然一体となって、本作のテイストを作っているのだけれど。
本作の次年に制作された「ボウイー&キーチ」と、脱力的テイストが似ている。

原作には
「さよならをいうのはわずかのあいだ死ぬことだ。」
To say goodbye is to die a little.

という名言もあるそうだけど、本作には出てきてないと思う・・。
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<ストーリー>
「靴をはいたままベッドでうたた寝をしていた私立探偵マーロウ(エリオット・
グールド)は、腹をすかせた猫に起こされてしまった。真夜中の3時、
あいにくペットフードを切らせていたマーロウはオールナイトのスーパー・
マーケットに買い物に出た。だが、せっかく買ってきたペットフードも口に
あわないのか、猫は外に出て入ってしまった。

猫と入れ代わりに友人のハリー(デイヴィッド・アーキン)が入ってきた。
夫婦喧嘩の末、家を飛び出し、頭を冷やしにメキシコに行くという彼のために
マーロウは、メキシコ国境の町まで車で出かけた。。翌朝、帰ってきたマーロウを
待っていたのはハリーの妻の殺人事件であった。
ハリーを匿っていると疑われた彼は警察にしょっぴかれたが、ハリーがメキシコの
ある町で自殺したため、すぐ釈放された。翌日、マーロウの元に高名な作家
ウエイド(スターリング・ヘイドン)の妻アイリーンから、行方不明の夫を捜して
ほしいと依頼があった。
早速ウエイド家を訪ねたマーロウは、夫人から「助けて下さい。ドクターV」と
いうメモを見せられ調査に乗り出した。そして“ドクターV”が神経科の
バリンジャー博士であることを突き止めた。作家として自信を失ったウエイドは、
バリンジャーの病院で酒びたりの毎日を送っていたのだ。アパートに帰った
マーロウはいきなり大勢のやくざに取り囲まれた。
彼らはハリーの持ち逃げした大金をマーロウが隠していると信じているのだ。

彼が1味の車を尾行すると、車はウエイド家に入っていった。事件の複雑な展開に
行き詰まりを感じたマーロウは、鍵であるハリーの自殺したメキシコの田舎町
オタトクランを訪れたが、何も握めなかった。再度ウエイド家を訪れたとき、
ウエイドは隣人を集めてパーティを開いていた。そして、診察科のことでバリンジャーと
トラブルを起こしたウエイドは再び姿を消してしまった。

35万ドルの行方を追っているやくざのマーティ(マーク・ライデル)はマーロウを捕らえ、
拷問をしてもその行方を聞き出そうとしていた。そのとき、マーティに謎の電話がかかり、
金のありかを告げた。
マーティから解放されて道路に出たマーロウの前をウエイド夫人の乗った車が走り
抜けた。追跡しようとしたとき車にはねられた彼は、病院にかつぎこまれたが、幸い
けがはたいしたことなく、その足てウエイド家に行ってみるが、すでに引っ越した後
だった。ウエイド夫人の暗躍にハリーの存在を感じたマーロウは、再度メキシコに
飛び、検死官に5千ドルの賄賂を握らせた。やはり偽装自殺だった。彼はウエイド夫人を
自分の女にして、その莫大な作家の遺産を手中に収め、のうのうと暮らしていたのである。

男の友情に裏切られたマーロウに、ハリーはいった。「お前はいつも何かを隠しているよ。
ピストルを握ったマーロウは、「そうだ、俺は猫も失ってしまったよ。」と答えると引き金を
引いた。並木道で、ジープに乗ったウエイド夫人とすれ違ったが無言のままだった。
オモチャのハーモニカを吹いて、マーロウはおどけながら歩いていった。 」(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2013-03-02 23:30 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)