セブン SE7EN

●「セブン SE7EN」
1995 アメリカ Cecchi Gori Pictures,New Line Cinema.126min.
監督:デヴィッド・フィンチャー
出演:ブラッド・ピット、モーガン・フリーマン、グウィネス・パルトロー、ケヴィン・スペイシー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
面白かった!脚本がいい。フィンチャーらしい、暗さ、おぞましさ、汚さ、辛さ、痛さ、
そして狂気と日常がとても上手に描かれている。ラストのブラピの演技はいいなあ。
同じデヴィッドでもリンチの「ツインピークス」やジョナサン・デミ「羊たちの沈黙」
また「パトリシア・コーンウェルの検視官スカーペッタシリーズの猟奇性を思い
浮かべながら観ていた。

ヒッチコックじゃないけれど、アカデミー会員にはこの手の作品は評価されないのね!
この年、ブラピは「12モンキーズ」で助演にノミネートされ、ケヴィン・スペイシーは
ブライアン・シンガーの傑作「ユージュアル・サスペクツ」で、見事助演賞を射止めて
いる。強敵がたくさんいたんだなあ。
「羊たちの沈黙」はオスカー主要5部門を制覇したのに、分らんなあ。
先日、デンゼル・ワシントンが、オファーがあったのだが断った、残念だったと語って
いたが、モーガンで正解だったよ。
(追記:確認したらデンゼル・ワシントンはブラピの役のオファーを受けていたようだ。
すると、モーガンは白人になったのか?ブラピとモーガンで良かったと思うけど)

こういう世界を描かせたらフィンチャーは上手い。前に「ゾディアック」を、また
一昨年に観た「ドラゴン・タトゥーの女」もそんな感じだった。

先にも書いたがストーリーが絶妙。分かるようで分からない、犯人ジョン・ドゥ
(ケヴィン)のラストに向けての行動が、狂気なのか、だれにでも潜む日常の
裏返しなのか・・・。「こいつを撃ったら、こいつの勝ちだ」と言われて、撃たずに
いられなかったミルズ刑事(ブラピ)の心情が、痛いほど伝わってきた。自分でも
そうせずにはいられなかったと思う。それまでの犯人の狂気が尋常でなかったので
余計にそう思うのだ。このラストへ向かっての盛り上げ方も素晴らしい。
殺されるためにキャスティングされたようなパルトローも、こういう展開であれば
なっとくだろう。

この、犯人の名前、ジョンとは日本でいえば太郎ほどのありふれた名前で、ドゥと
繋がって、だれでもやること、と引っかけているような気がしてならなかった。

ブラピもモーガンも、いい。この二人以外ではありえなかっただろうほどの良さだ。
フィンチャーワールドに誠にフィットしていた。

モーガンの独白のラストで、ヘミングウェイの名言を引用して
「この世は素晴らしい。戦う価値がある※」というのがあるが、後半は賛成だ。と
締める。つまりこの世は必ずしも素晴らしくない、という感想なんだな。

※ The world is a fine place and worth the fighting for
-『誰がために鐘は鳴る For Whom the Bell Tolls』

グロですけど、大丈夫な方にはお勧めです。
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<ストーリー&プロダクションノート>
「そのビジュアルと絶望的なストーリーで世界中を熱狂させたサイコサスペンス。
マドンナらのミュージック・ビデオで注目を浴び、『エイリアン3』でメジャー監督
デビューしたデビッド・フィンチャーの映像センスが最大限に生かされた傑作だ。
新米刑事ミルズを演じたブラッド・ピットは、今作でスターの地位を確立した。

キリスト教の七つの大罪に基づく連続殺人事件と、それを追う刑事コンビの姿を
描いたサイコ・スリラー。先鋭的なヴィジュアル・センスとノイズを駆使したアバン
ギャルドな音響設計による、世紀末ムードが全編を覆うダークな世界観が魅惑的。
N.Y.タワーレコードの店長として働きながら執筆したアンドリュー・ケヴィン・
ウォーカーのオリジナル脚本を、「エイリアン3」のデイヴィッド・フィンチャーが監督。
(以下略)

雨降りしきる大都会。また新たな殺人事件が発生し、退職まであと1週間のベテラン、
サマセット(モーガン・フリーマン)と血気盛んな新人ミルズ(ブラッド・ピット)の両刑事が
現場に急行した。被害者は極限まで肥満した大男で、汚物にまみれ、食べ物の中に
顔を埋めた恰好で死んでいた。死因は食物の大量摂取による内蔵破裂。男の後頭部に
付けられた銃口の痕から、何者かに、死ぬまで食べ続けるよう強制させられていたことが
判明した。そして現場には、犯人が残したものと思われる〈GLUTTONY=大食〉と
書かれた文字が残されていた。

まもなく次の死体が発見される。凄腕で名高い弁護士グールドが、高級オフィスビルの
一室で、血まみれになって殺されていた。そして現場には血で書かれた〈GREED=
強欲〉の文字が……。サマセットは、犯人がキリスト教における「七つの大罪=憤怒・
嫉妬・高慢・肉欲・怠惰・強欲・大食」に基づいて殺人を続けていることを確信、
ミルズにあと5人殺されるだろうと告げる。

「強欲」殺人の現場を再検証した2人は、壁の絵画の裏に指紋で書かれた「HELP 
ME」の文字を発見。その指紋は前科者の通称ヴィクターのものだった。ヴィクターの
部屋に急行した捜査陣は、舌と右腕を切られた上、ベッドに縛りつけられて廃人同様と
なったヴィクターを発見。部屋には彼が衰弱していく様を撮影した写真と〈SLOTH=
怠惰〉と書かれた紙が残されていた。
グールドの部屋の指紋は、ヴィクターの切り取られた右腕で付けられたものだった。

捜査は振出しに戻り、サマセットはFBIの友人の協力を得て、犯罪者に利用される
恐れのある″要注意図書 ″リストの「七つの大罪」に関する図書館の貸出記録から、
容疑者を割り出そうとした。ほどなく″ジョン・ドウ ″という男が該当者に挙がった。
半信半疑のまま、2人は男のアパートを訪ねるが、その時、帰ってきた男がいきなり
拳銃を発射して逃げた。どしゃ降りの中を追跡したミルズを、男は待ち受けて打ち倒し、
頭に銃口を突きつけるが、なぜかとどめは刺さずに去った。

ジョン・ドゥの部屋からは、今までの被害者を撮影した無数の写真が発見された。
大胆不敵にも、男は報道カメラマンのふりをして、ヴィクターの殺害現場に現れていた。
そこへ、ジョン・ドウから挑戦の電話が入る。やがて、第4の殺人〈LUST=肉欲〉として
娼婦が殺され、第5の殺人〈PRIDE=高慢〉として顔を切り裂かれて悲観した美人
モデルが自ら命を絶った。

そんな時、意外にも残る2件を残して、ジョン・ドウと名乗る男(ケヴィン・スペイシー)が
警察に自首して来た。拘置された男の過去や身元は全く不明だった。男は自分は
選ばれた人間で、誰もなし遂げなかった偉大なことを行ったと言う。
ドウは、ミルズとサマセットを伴ってある場所に車を向かわせた。とある荒野で止まった
一行の前に、宅配便の車が現れ、小さな箱を置いて去った。ドウはその箱の中に、
ミルズの新婚の妻トレイシー(グゥイネス・パルトロウ)の生首が入っていると言い、
これは彼を羨んで彼女を殺した〈ENVY=嫉妬〉の罪だとも語った。
逆上するミルズは怒りにかられ、ドウに銃口を向けた。サマセットは必死で止めるが、
ミルズは相手の挑発に乗り、ドウを射殺してしまう。男の目論見どおり、〈WRATH=
憤怒〉の殺人をもって7つの殺人は完結した。ドウと名乗る男の正体も動機も闇と消えた。
サマセットは絶望感に包まれ、再び雨降りしきる町に戻った。 」(goo映画)

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by jazzyoba0083 | 2013-03-04 23:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)