ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained

●「ジャンゴ 繋がれざる者 Django Unchained」
2012 アメリカ The Weinstein Company,Sony Pictures,Columbia Pictures.165min.
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン
    サミュエル・L・ジャクソン、ドン・ジョンソン、ジョナ・ヒルほか
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<2013年度アカデミー賞脚本、助演男優賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
このところ「何かを考える」映画が続いていたので、文句なしのエンターテインメントを
満喫できた。痛快バイオレンスアクション、ということ。「暴れん坊将軍」とか「水戸黄門」
のシンプルな勧善懲悪の楽しさ、カタルシスがある。
オスカーを獲ったタランティーノの、ストーリーテラーとしての構成力の強さを感じる。
(本人も登場して爆死してしまうのがご愛嬌)
チラシに「明らかにやりすぎ」と書いてあったがなるほど、いい意味で「やりすぎ」である。
そもそも、マカロニウエスタンの結末は「やりすぎ」が基本だと思うのだけれど。
本作の「ジャンゴ」、1966年のフランコ・ネロの出世作「続・荒野の用心棒」で、棺桶
引きずっている流浪のガンマンの名前で、本作の音楽もそこから持ってきているが、
ストーリーは全然関係ない。ただ、フランコ・ネロがゲスト出演している。タランティーノが
マカロニウエスタンに敬意を払った結果だろう。

血しぶき飛び散るガンアクションであるが、どこか「含み笑い」がある。目を背けるばかり、
ということではない。このあたりがタランティーノの面目躍如だろう。
そうしないと「痛快」とはならない。

「カットアウト」の美学、とでもいうのかな、突然の銃撃、爆発もそうだが、ディカプリオや
ヴァルルの退場も、見事なばかりの「カットアウト」である。
しかし、ラストは「続・ジャンゴ」となりそうな雰囲気ではあるのだけれど。

3時間になんなんとする長編であるが、途中でだれるということはない。ジャンゴと
シュルツ医師を夜襲した農園主人一味が、頭からかぶる袋が目のところにあけた穴の
ことでひと悶着起きるのだが、バカバカしくて笑いどころなんだけど、逆にほかでの
「含み笑い」が見事だっただけに、浮いていた感じもした。

役者陣も素晴らしい。主演男優賞をやりたいくらいのヴァルツ、悪役がよく似合っていた
ディカプリオ、ジェイミー・フォックスがラストで爆発するのだが、終始抑えた演技が
光っていた。さらに、黒人執事を演じた、サミュエル・L・ジャクソン、いいねえ!

そりゃ、奴隷制度云々を語ることは出来るだろうけど、本作は、理屈を抜きにして
物語の展開と、痛快な復讐譚を肩の力を抜いて堪能すべきだろう。
多少、悪乗りしすぎの恨みがないではないけれどね。
流行語ではないが。「ワイルドだろう?」な本作であるが、女性が見ても面白いと
思う。
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<プロダクションノート&ストーリー>
リンカーンの奴隷解放宣言から149年を経た2012年に、クエンティン・タランティーノ
監督がまた問題作を発表した。それが本作、南北戦争が始まる2年前の1958年に、
元黒人奴隷・ジャンゴがドイツ人賞金稼ぎと組んで、黒人奴隷たちを虐げてきた
アメリカ南部の白人たちを殺しまくる映画『ジャンゴ 繋がれざる者』だ。

しかし本作はただの復讐物語ではなく、愛する妻を奪われた男が、妻を取り返す
ために戦うラブストーリーでもあるのだ。主人公のジャンゴを演じるのは、
『RAY/レイ』のジェイミー・フォックス。初めての悪役に挑んだレオナルド・ディカプリオや、
メイクを作り込んで役に入り込んでいるサミュエル・L・ジャクソンの憎々しい演技も
見逃せない。

「パルプ・フィクション」「デス・プルーフ in グラインドハウス」など暴力や犯罪を他映画
作品へのオマージュを用いながら描くクエンティン・タランティーノ監督による西部劇。
解放された奴隷が賞金稼ぎと手を組み、生き別れになった妻を取り戻すために生死を
賭けた戦いに挑む。「Ray/レイ」で第77回アカデミー賞主演男優賞を獲得したジェイミー・
フォックスが元奴隷のジャンゴを、「イングロリアス・バスターズ」で第82回アカデミー賞
助演男優賞を獲得したクリストフ・ヴァルツがジャンゴの相棒となる賞金稼ぎを、
「インセプション」「ディパーテッド」のレオナルド・ディカプリオが極悪人の農場主を演じる
など、錚々たる俳優陣が集結している。

奴隷制度をめぐる対立が色濃くなる1859年アメリカ南部。賞金稼ぎのキング・
シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)と出会い、奴隷を繋ぎとめる鎖から解放されたジャンゴ
(ジェイミー・フォックス)。
ジャンゴはキングとともに南部の指名手配犯を捕まえながら鍛錬を積み、奴隷市場で
生き別れとなった妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を探していた。
そのブルームヒルダは、カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)が営む
キャンディランドという農園にいた。カルヴィンは奴隷を鍛えあげ、奴隷同士を闘わせては
楽しんでいる。ジャンゴは妻を救うため、極悪人カルヴィンに生死を賭けて立ち向かう。」
(goo映画)

この映画の詳細はこちらまで。
Tracked from soramove at 2013-03-25 07:43
タイトル : 映画「ジャンゴ」エンタメ全力投球!R15+なのでそのつもりで
映画「ジャンゴ 繋がれざる者 」★★★★ ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン サミュエル・L・ジャクソン出演 クエンティン・タランティーノ監督、 165分、2013年3月1日より全国公開 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント (原題/原作:DJANGO UNCHAINED) <リンク:人気ブログランキングへ">>→  ★映画のブログ★どんなブログが人気なのか知りたい← 日本では初登場5位→7位 そして今週は圏外と淋しいチャート...... more
by jazzyoba0083 | 2013-03-10 16:30 | 洋画=さ行 | Trackback(1) | Comments(0)