フライト Flight

●「フライト Flight」
2012 アメリカ ImageMovers Films,Paramount Pictures.138min.
監督:ロバート・ゼメキス
出演:デンゼル・ワシントン、ドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン、メリッサ・レオ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
今年のオスカーを賑わした一角。主演男優賞候補だったデンゼル・ワシントンの演技は
確かに安定していて力強いものを感じる。ただ、

「全米断酒協会」「全米カトリック教会」推薦な作品で、ラストに向かって尻すぼまりの
感じを受けた。旅客機が墜落するシーンはわずかであるから、そのあとをどう引っ張るのか
関心があったが、オーソドックスな展開で、ラストもまあ、手堅くまとめたというべきであろう。
ちょっと上映時間が長い感じもした。
二大突っ込みどころ。その一、主人公ウィップ(デンゼル)が操縦桿を握る旅客機の会社は
搭乗前に操縦士のアルコール検査をやらんのか?いまやバスや電車の運転士でもやるのにさ。
その二、ウィップが病院で知り合う、ジャンキーの女性ニコール、薬中からの立ち直りが
早すぎないか? 
さらにいえば、背面飛行が何で墜落を防ぐ方法なのか、今ひとつ分からなかった。

ゼメキスはスピルバーグの弟子であったころ、また「バックトゥザフューチャー」、「フォレスト・
ガンプ」などの作品を通して好きな監督であり、その彼の「キャスト・アウェイ」以来の実写版
映画となれば期待も高まろうというものだ。確かに標準以上の出来であるし、背面飛行の
シーンなどはゼメキスの面目躍如であろうが、作品全体としては、今ひとつという感じだった。
悪い出来、というのではないんだけどね。 ゼメキス=ケレン味と期待しすぎたかな。

デンゼルは、最後までイヤなヤツを力演。エンディングではお約束の善人になるわけだね。
戸惑いの辣腕弁護士、ドン・チードル、ジャンキーから立ち直る恋人ケリー・ライリー、
謎のヤクの売人ジョン・グッドマン、主人公に裏切られつつも最後まで助け続ける同僚
ブルース・グリーンウッド、ら脇を固める役者陣も安心して見ていられる。アテンダント陣も
良かったね。あ、信仰心篤い副操縦士君もいいね。中でも何に出ても周りを食っちゃう
ジョン・グッドマンが良かった。

「嘘で固めた人生は、常に嘘の上塗りを余儀なくされ、破滅していく」という教訓を学び取れる
だろう。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「トレーニング デイ」「デンジャラス・ラン」の名優デンゼル・ワシントンが心の弱さを抱えた
一人の男の葛藤をみごとに演じきり、4度目のアカデミー賞主演男優賞ノミネートを
果たした衝撃のヒューマン・ミステリー・ドラマ。
奇跡的な緊急着陸を成功させて多くの人命を救い一躍国民のヒーローとなった
パイロットが、一転してアルコール中毒の疑惑で全てを失う危機に直面するさまを
サスペンスフルに描く。
共演はドン・チードル、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマン。監督は2000年の「キャスト・
アウェイ」以来久々の実写作品となる「フォレスト・ガンプ/一期一会」「バック・トゥ・ザ・
フューチャー」のロバート・ゼメキス。

 フロリダ州オーランド発アトランタ行きの旅客機が突如制御不能に陥り、急降下を
始める。もはや墜落は避けられないと思われた危機的な状況の中、機長のウィトカーは
驚異的な操縦テクニックで機体を不時着させ、犠牲者を最小限にとどめて多くの命を
救うことに成功する。その奇跡の着陸はマスコミに賞賛され、ウィトカーは一夜にして
ヒーローとなる。

ところが、彼の血中からアルコールが検出されたことで事態は思わぬ方向へ。
もし飲酒が表沙汰になれば、パイロットとして致命的なだけでなく、場合によっては
過失致死で終身刑の可能性も。そこでウィトカーは、弁護士のラングとともに事実の
隠蔽に動き出すが…。」(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2013-03-16 12:05 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)