2013年 03月 28日
コンフェッション Confessions of Dangerous Mind
2002 アメリカ Miramax Films,Mad Chance.113min.
監督:ジョージ・クルーニー 製作:スティーヴン・ソダーバーグ他
出演:サム・ロックウェル、ドリュー・バリモア、ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ、
マギー・ギレンホール他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
評価が分かれているようだが、私は面白かった。ジョージ・クルーニーという人は
今年のオスカー作品賞を獲得した「アルゴ」の製作者としても檀上に上がった様に
事実をベースにしたエンタテインメントが好きなようで、その中に問題を提起していく
という作風が多い。どちらかというと玄人受けする作風は個人的にはレベルは高く
才人だな、と思う。
その彼の1作目である本作も、「ゴング・ショー」などのプロデューサーとして
名を馳せたチャック・バリスという男が書いた自伝を元に、実際の関係者も
登場しながら綴るもの。自伝は1984年に発売されなたらここまでだれも映画化
しようと思わなかったのだが、それをやってしまったジョージ・クルーニーは偉い!
有名番組の製作者が、裏ではCIAのエージェントで、33人もの人を殺していた、と
言われても、そのお話のぶっ飛びぶりに、「ホントかよ」と思ってしまうところが
難点であり、面白いところである。テレビの世界がウソっぽいので余計にそう
感じてしまうと思う。観ながら「キャッチミーイフユーキャン」を思い出していた。
あれも事実を元に描かれ、最後にはFBIに協力していたという事実が明かされる
が、実業の世界として納得性があった。テレビは虚業だからなあ。
それであっても私は、嘘半分としても、映画として面白く見た。
愛すべきアゴ女、ドリュー・バリモアが演じる彼女が、よくもこの男に最後まで
付いてきたな、と感心した。
原作は読んでいないので、チャックの行く末はどうなるのだろう、と結構興味深かった。
騙したつもりが騙されていたり、最後には実物の本人が出てきたり、カメオで
ブラッド・ピットやマット・デイモンが一瞬出てきたり、飽きさせない構造だ。
映像も結構凝っている。
「パンチdeデート」の原型のような「デート・ショー」や「ゴング・ショー」を生み出した
テレビ界のある意味天才であろうが、天才の多くがそうであるように奇人でもあった。
「月に囚われた男」での活躍の記憶が新しいサム・ロックウェルは、若いころの
チャックによく似ている。そのあたりも勘案して選ばれたのではないか。
この演技でベルリン国際映画祭で銀熊賞を獲得している。
<ストーリー>
「テレビ業界の頂点を目指すチャック・バリス(サム・ロックウェル)は、奇妙な恋人関係を
築くことになるペニー(ドリュー・バリモア)と出会ってから、視聴者参加型の斬新なテレビ
ショーのアイデアを思いつく。しかしそれは却下され、失意の日々を過ごすところに、謎の
男ジム・バード(ジョージ・クルーニー)にバーで声をかけられる。CIAの秘密工作員となり、
合衆国のために暗殺に関与せよという唐突な依頼。
半信半疑ながら承諾したチャックは、メキシコシティで任務をこなす。そして帰国すると、
却下されたはずのアイデアが採用になり、テレビプロデューサーとしての華々しい
キャリアがスタートした。同時にCIA工作員としても活動する二重生活を余儀なくされ、
東ヨーロッパの国々では、美女パトリシア(ジュリア・ロバーツ)や変り者キーラー
(ルトガー・ハウアー)といった同業者と知り合う。
パトリシアに一目惚れした彼は任務の度に彼女との逢瀬を重ねるが、次第に制御不能に
陥り始める。ペニーとパトリシアの間で心が揺れ動き、テレビの仕事では低俗化を派手に
叩かれ、キーラーが突然死した。
ついに番組を何本かカットされたチャックは、自分の人生を取り戻すべく、自分を毒殺
しようとしたパトリシアを逆に毒殺。CIAの仕事にケリをつけ、自らの半生をタイプライターで
書き始めるのだった。」(goo映画)
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