舞台よりすてきな生活 How to Kill Your Neighbor's Dog

●「舞台よりすてきな生活 How to Kill Your Neighbor's Dog 」
2000 アメリカ Cinerenta Medienbeteiligungs KG,Millennium Films.98min.
監督・脚本:マイケル・カレスニコ
出演:ケネス・ブラナー、ロビン・ライト・ペン、リン・レッドグレーブ、スージー・ホフリヒター他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
渋めの名優が演じる心温まる掌編。どうってことない、大作でもない映画だが、
観ながら、あるいは観終えて心が温まっていることに気付くのだ。その前に観た
映画が「メランコリア」だったからかも知れない。(爆)
コメディータッチで繰り広げられる本作はテーマはやや重いけど見やすく仕上がって
いる。我儘な夫に腹も立てずユーモアと優しさを持って自分の生き方の軸をぶらさ
ない妻(ペン)が素晴らしい。

どうしても映画に意味を見つけてしまう傾向のある私は、この映画から何を受け取れば
いいのか?と思っていたのだが、やがて、このドラマから「温かい心」、「人の優しさ」
「人間同志の付き合いの中で生まれる素敵な感情」が受け取れればいいんだ、と得心した
のだった。機会があれば短い映画なのでご覧になることをお勧めしたい。
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<ストーリー>
「劇作家のピーター(ケネス・ブラナー)は新作戯曲の上演を前にして、スランプに
陥っていた。子供が嫌いなため、戯曲に登場する子役の表現がしっくりいかず、舞台稽古
では演出家も俳優たちも困惑顔。
子供のダンス教室の先生をしている妻のメラニー(ロビン・ライト・ペン)は、赤ちゃんが
欲しくてたまらない。夫と産婦人科を訪れた帰り、陰性だったと落胆するメラニーの背後で、
ピーターはホッと胸を撫で下ろす。
“大きな子供”のような性格のピーターは、自分が父親になることなど想像もできない。
かつての売れっ子劇作家もここしばらく失敗作が続き、新作の仕事に集中したいのだが、
執筆のための家庭環境は悪くなるばかり。
しつこく子作りを迫る妻ばかりか、とんちんかんな事を言って家庭を掻き回す痴呆症
ぎみの義理の母(リン・レッドグレーヴ)の存在も悩みの種。
その上、毎晩、眠りにつくころになると隣家の庭先で犬が吠える。仕方なく夜中に気晴らしの
散歩をすることが習慣になったピーターは、ある夜、路上で不審な男を捕まえる。
その男は、近所で耳にしていたピーターの名を騙って歩く奇妙なストーカーで、昔、自分が
ピーターと人違いされたことから彼に興味を持ったのだと白状する。
事情を聞き、なんとなく親近感を覚えたピーターは公園のベンチで偽ピーターと語り合い、
「近所の犬が吠えるせいで台本が書けない」と、胸のうちを明かす。不用意な発言が災いを
招くとは予想もせずに…。

書けないイライラの募るピーターの環境は、思わぬところから改善の兆しをみせる。
ある日、家の向かいに、エイミー(スージー・ホフリヒター)という少女と母親が引っ越し
てきた。エイミーは足に障害があり、母親と二人暮らし。さっそく彼女を家に招き、
ご近所付き合いを始めるメラニーを睨みつけ、ピーターは書斎に閉じこもる。
ところが、エイミーのままごと遊びを盗み見していたピーターは、エイミーから戯曲の
ヒントを盗むことを思いつき、恐る恐る彼女に接近していく。そのときから二人の間には
奇妙な友情が芽生えはじめる。
以来、障害を気にして内気になっていたエイミーをプールに誘ったり、ダンスを教えたり。
ピーターとメラニーとの交流によって、エイミーはみるみる明るさを取り戻していく。
しかし、そんな幸福な関係に終止符を打ったのは、エイミーの母親トリーナだった。
エイミーがメラニーに習ったインディアンのダンスを、皆の前で発表することになった日、
よろけながらも楽しんで踊るエイミーに母親は恥ずかしさを覚え、ダンスを中断させて
しまったのだ。怒り狂ったピーターとトリーナの言い争いに一番傷ついたのはエイミー
だった。
時が経ち、エイミーがピーターの家に別れを告げに来た。別居していた両親が和解し、
また引越しをすることになったのだ。出発の直前、路上に座って別れの挨拶を交わす
エイミーとピーター。母親にピーターとの接触を禁じられているエイミーは心ならずも
彼に距離をおいているが、二人の心は分かちがたい愛情で結ばれていた。」
(MovieWalker)
結局最後に二人はひしと抱き合い別れを惜しむのだったが、ここは熱いものがこみ上げ
てくるのを禁じ得ない。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-07-06 23:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)