トラ!トラ!トラ! Tora! Tora! Tora!

●「トラ!トラ!トラ! Tora! Tora! Tora!」
1970 アメリカ 20th Century Fox Films,Toei .143min.
監督:リチャード・フライシャー、舛田利雄、深作欣二
出演:マーティン・バルサム、山村聡、ジェイソン・ロバーツ、ジョセフ・コットン、三橋達也
    ジェームズ・ホイットモア、東野英治朗、田村高廣、千田是也、内田朝雄、島田正吾他。
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
骨太の戦争映画で、いまどきならアイドルとかも入って恋愛模様もありつつ、なんて
構成になりがちだろうけど、そうしたものを一切排除した、戦争映画。昔は、頭上の敵機や
パットン戦車団とかテレマークの要塞、極め付きの史上最大の作戦などなど、純粋な
映画があった。しかもCGとか無しで。
本作の価値が高いのは、一作戦ではなく、日米開戦の史実を日米合作で、骨太に
作り上げたからだろう。山本五十六の考え、(多少の誇張はあろうが)、キんメル将軍の
考え、またぎりぎりの外交交渉を続けながら、結局宣戦布告前に攻撃してしまった
という事実。それぞれよく描かれている。もちろん戦闘機乗りたちの単純に血気逸った
愛国心なども取り上げられている。

しかし、最大の見どころは、CGなしの真珠湾攻撃シーンである。この時代に良く作った
と思う。この年のオスカーの特殊視覚効果賞を受賞しているのだが、この長い
戦闘シーンを本格的に映像化したのはやはり素晴らしいと思う。

おうおうにして観られる、英語をしゃべるドイツ軍とかじゃなく、日本軍は日本語を使い
アメリカ軍は英語をちゃんと喋るのでその点も観ていて違和感がないのもいい。
個人的には黒澤が作らなくて正解だったんじゃないかと思う。どんなものになったか
興味はあるが。
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<ストーリー>
「1941年12月8日の日本軍による真珠湾攻撃の全容を、日米合作オールスター・
キャストで映画化した超大作。当初、日本側監督には黒澤明が予定されており、
幻の“フライシャー=黒澤”作品に思いを馳せない訳ではないが、これはこれで重厚に
まとまっている。日米間の情報戦を軸とした前半もダレる事はなく、いよいよ後半の
戦闘シーンになると映画のテンションは最高潮となる。
巨費(3300万ドル)を投じて再現した真珠湾攻撃の模様は、まさに圧倒的。戦争責任
などはひとまず置いておき“破壊によるカタルシス”を存分に味わうがいい。
この後、戦争映画やTVで、何度このフィルムが流用されたかを考えれば、
このシーンの迫真性が判るというもの。日米では公開されたバージョンが異なり、
当時のパンフレットによると日本公開版は155分であり、渥美清も出演している。」
(allcinema)

「1939年9月1日、山本五十六中将(山村聡)の連合艦隊司令長官の就任式が、
瀬戸内海に停泊中の、「長門」艦上でおこなわれた。
それから1週間とたたないうちに、時の首相近衛公爵(千田是也)が閣議を開き、
アメリカの日本に対する経済封鎖を討議し、それに対して陸相東条英機(内田朝雄)は、
アメリカへの攻撃を進言。
41年1月24日、ワシントンの海軍情報部は日本の暗号無電を解読し、事態の容易
ならないことを察知した。そして、ルーズベルト大統領は新たにキンメル提督(マーティン・
バルサム)を太平洋艦隊司令長官に任命、日本の動勢に備えようとした。

41年2月、山本長官は第1航空隊の大西参謀(安部徹)から真珠湾攻撃の参考意見を
聞き、空母「赤城」の名パイロット源田中佐(三橋達也)の名を知った。
そのころ真珠湾では、航空隊のベリンジャー中将(エドモン・ライアン)が、キンメルに
日本の真珠湾攻撃の可能性を説いていた。
41年4月24日、野村駐米大使(島田正吾)はハル国務長官(ジョージ・マクレディ)と、
緊迫した両国の関係を打開しようとしたが、ハルゼイ中将(ジェームズ・ウィットモア)等、
海軍側の強硬意見にあい、実を結ばなかった。やがて両国間の通商条約は破棄され
、スターク海軍作戦部長(エドワード・アンドリュース)は、ハワイを非常時態勢下においた。

そのハワイでは、日本のスパイ吉川猛夫(マコ)が、情報収集のため暗躍していた。
41年10月、東条英機が陸相兼首相となり、軍部の権力は頂点に達した。
一方、アメリカ側の情報部は、真珠湾攻撃の決行日を想定し、スチムソン陸軍長官
(ジョセフ・コットン)は大統領にそれを伝えることを約し、またマーシャル大将(キース・
アンデス)もハワイのショート将軍(ジェイソン・ロバーズ)やキンメル提督に、警告を
発していた。
12月2日、ハワイへ向け進航中の、南雲司令官(東野英治郎)の第一航空艦隊は、
山本長官から「ニイタカヤマノボレ」という暗号を電受した。いよいよ真珠湾攻撃の時が
来た。
12月7日、東郷外相(野々村潔)は駐日大使の天皇拝謁を助け、局面打開を求めたが、
道はすでにふさがれていた。翌12月8日未明、遂に南雲中将の率いる機動部隊は、
オアフ島北方から真珠湾に迫り、午前7時57分、淵田少佐(田村高広)を先頭とする
戦隊が、空から敵地へ突っこんで行った。真珠湾攻撃は見事な成功をおさめ、
「赤城」からは、作戦成功を伝える暗号が打電されていた。「トラ・トラ・トラ!」
(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2013-07-15 23:30 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)