2013年 07月 29日
小川の辺
2011 日本 東映作品 104分
監督:篠原哲雄 原作:藤沢周平「小川の辺」
出演:東山紀之、菊地凜子、勝地涼、片岡愛之助、尾野真千子、松原智恵子、藤竜也、笹野高史ほか
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
藤沢周平の一連の海坂藩もの。山田洋次作品とまでは言わないが、割とよく出来ていた
と思う。藤沢=海坂藩もののお約束である、田園の美しい光景、カット割り、アングルなども
上手かったと思う。が、しかし、藤沢仇討作品はもうたくさん見てきたので、その割には
あっさりだったなと。まあ原作があるので仕方がないといえばそればまでだが、
上意討ちからエンディングに至るまでも、あれあれ、まあ良かったじゃないの、てな塩梅で
淡々と進んでしまう。ちなみに本作には東北弁は一切出てこない。
嫁いだ妹の旦那、やったことは悪いことではなく、やり方がまずかっただけで上意討ち
となり、討ち手として選ばれたのが妹の兄。 武士というものはそういうものかも知れ
ないけれど、討つ方も討たれる方も、もう少し悶々としてもいいのに、と感じた。
キャスティング、東山紀之は歳を重ねていい感じ。どなたかも書いていたが、菊地凜子は
武士の妻として今一つフィットしていなかったような感じだ。
片岡愛之助、討たれる役だが、実は正義の人で、やり方が悪かった。そのあたり表情の
演技が良かった。
音楽が富田勲風で、逆に耳に付いた。悪いメロディーではないんだけどね。
<ストーリー>
「海坂藩士、戌井朔之助(東山紀之)は直心流の使い手としての腕を買われて、
家老の助川権之丞(笹野高史)から、ある藩命を受ける。それは、親友である
佐久間森衛(片岡愛之助)を討つことだった。
藩主への上書によって藩の農政を痛烈に批判した佐久間は、謹慎処分を受けた後、
妻の田鶴(菊地凛子)を連れて脱藩していたのだ。
朔之助が受けた藩命は、佐久間に対する裁きだった。民を想って正論を訴えた友を
斬らねばならないのか……。朔之助の心は揺れる。しかも佐久間の妻、田鶴は
朔之助の妹。幼い頃から負けん気が強く、自身も直心流の使い手である田鶴は、
武士の妻として手向かってくるに違いなかった。
戌井家の家長である朔之助に対し、妹を斬ってでも主命に従えと諭す父の
忠左衛門(藤竜也)と、涙を流す母の以瀬(松原千恵子)。妻の幾久(尾野真千子)は
朔之助の身を案じながらも、気丈に振る舞う。
翌朝、朔之助は幼い頃から兄弟のように育ち、田鶴への想いを秘めた奉公人、
新蔵(勝地涼)とともに江戸へ向けて旅立つ。やがて見つけた佐久間の隠れ家は、
兄妹と新蔵が幼い頃に遊んだような下総の小川の辺にあった。
遂に向き合う朔之助と佐久間。幼い頃より築き上げてきた絆が、
無情にも引き裂かれようとするとき、彼らが選んだ道とは……。」(Movie Walker)
武士とは不条理なものよのう。
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