ブラック・ブレッド Pa negre

●「ブラック・ブレッド Pa negre」
2010 スペイン・フランス Massa d'Or Produccions,Televisió de Catalunya (TV3).113min.
監督・脚本: アグスティ・ビリャロンガ   原作: エミリ・テシドール
出演: フランセスク・コロメール、マリナ・コマス、ノラ・ナバス、セルジ・ロペス、ルイーザ・カステル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
スペインの国内外で多くの賞にノミネートされたり受賞した作品。スペインの内戦を
知っている欧州人などに比べ日本人の受けるインパクトは少なくなるのだろう。

内戦で疲弊したカタルーニャのとある村の一人の少年アンドレウの目を通して大人の
汚さ、身勝手さ、エゴ、周囲に充満する「性の世界」。少年は戸惑いながらも必死に生きる。
ラスト、実力者夫人の養子となり、寄宿舎つきの有名な学校に入れられたアンドレウの
表情には、突き抜けた強さと、不気味さが漂っていた。

登場人物がややややこしくなる経過もあるが、1つの村の内戦下の人々のうごめきを
人間の本性を生臭く描くことで、上手く表出した作品といえよう。生臭さのハイライトは
冒頭の馬まで殴り殺し、が下に落とす殺人シーン、そして間男の去勢というリンチだろう。
えげつないシーンやエピソードもあり、嫌な感じを受ける人も多いだろうがそれを含めての
この映画だ。

原作はあるのだが、人間の暗い精神をそうした一つ一つのミステリー要素を含みつつ
暗いエピソードで綴っていく。
暗い映画ではあるが、力強さとインパクトを持った作品と思う。
全体的に救いのない作品と言えるが、そのとこ(救いがないこと)事態がパワーを持って
いる、ということも出来よう。 少年が体験したトラウマはいかばかりか、この少年は
どんな大人になるのか、興味を持った。
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<ストーリー&プロダクションノート>
「内戦の傷跡が残る1940年代のスペインの貧富の差が如実に現れている村で、
親子が転落死する場面に出くわしたことから、少年が親や家族、周囲の闇を目の当たりに
していくミステリー。
監督はスペインのデヴィッド・リンチと称されるアグスティー・ビジャロンガ。
本作は第84回アカデミー賞外国語映画賞スペイン代表作品となり、2011年ゴヤ賞
作品賞をはじめ計9部門受賞するなど、国内外から高い評価を得ている。
主演は本作のオーディションで見いだされたフランセスク・クルメ。

まだスペイン内戦の傷跡が痛ましく残るカタルーニャの山の中で、ある日、11歳の少年
アンドレウ(フランセスク・クルメ)は血まみれになって倒れているディオニスとその息子
クレットを見つける。
クレットは「ピトルリウア……」という言葉を遺して息絶える。ピトルリウアとは、村に伝わる、
洞穴に住む羽をはやした怪物の名前だった。現場の状況から殺人と断定した警察は、
アンドレウの父ファリオルに容疑をかける。

鳥の鳴き声大会を開くため鳥を飼っている父だが、以前から政治的な活動により
村人たちから快く思われていないのも合わさり、姿を隠すことにする。母(ノラ・ナバス)は
工場に働きに出ているため、アンドレウは祖母の家に身を寄せる。
祖母の家に同じく身を寄せる、事故で左手を失った従妹のヌリア(マリナ・コマス)らとともに
新しい学校に通いはじめる。ヌリアは学校で、教師と関係を持っており娼婦の家系であると
罵られていた。
ヌリアが裸でベランダに立つところを偶然目にしたアンドレウは、ヌリアの秘密を共有する
ことで連帯感を強める。屋根裏から気配を感じたアンドレウがヌリアから手渡された鍵で
屋根裏部屋を開けると、そこには父が隠れていた。父が同じ屋根の下にいたことに驚く
アンドレウ。突如警察が祖母宅に押し入り、父は裕福な農場主のマヌベンスに話すよう
伝え連行される。その言葉通りにマヌベンス夫人に面会し父の無罪を訴えるアンドレウと母。

マヌベンスは父のために町長(セルジ・ロペス)宛に手紙を書いてくれたが、その手紙を
届けに行くと、横恋慕していた町長は弱みにつけこみ母を手篭めにする。
さらに、ぼろぼろの姿で村をさまようディオニスの妻に出会ったアンドレウは、父がディオニスと
ともにマヌベンス夫人の弟と肉体関係を持ったマルセルという青年に残酷な罰をくだした
過去を告げられる。いよいよ死を覚悟した父から、マヌベンス夫人への手紙を託される
アンドレウ。
数日後、彼はマヌベンス夫人から学費援助の申し出があったことを知る。父は母の必死の
擁護にも関わらず死刑に処せられる。そして、さらにある事実を知り、あまりにも多くの
人間の闇を見聞きしたアンドレウは、ある決断をする――。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2013-09-30 23:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)