ザ・クリミナル 合衆国の陰謀 Nothing But the Truth

●「ザ・クリミナル 合衆国の陰謀 Nothing But the Truth」
2008 アメリカ Yari Film Group (YFG) ,Battleplan Productions.107min.
監督・脚本:ロッド・ルーリー <日本未公開>
出演:ケイト・ベッキンセイル、マット・ディロン、アンジェラ・バセット、ヴェラ・ファーミガ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
現在日本では所謂「秘密保護法」の策定に向けて政府・自民党が危ないことを
しようとしている。本作は、まさにその法律が施行されると、現実に起きるであろうことを
描いていていて、ちょっと古い作品ではあるが、非常にタイムリーな鑑賞となった。
日本劇場未公開はもったいなかった。DVDでもいいから是非多くの人に見てもら
いたいと思う。ただ邦題は全くセンスが無い。

自由の大国、アメリカでも報道の自由が守られていると思われている新聞社などが
国防上などの秘密を暴いた場合、その情報源を秘匿することは罪になり、監獄に
繋がれることになる、というゾッとするストーリーだ。日本でもこれが現実になりうる
ということ。とても恐ろしいことだ。 身につまされながら、その不条理に怒りながら
また絶望もしながら観終えたのだった。

本作は実際に起きた事件がベースになっているのだが、たしかにこの手の事件が
あったことを記憶している。大使の夫人がCIAエージェントだった、というやつだ。
映画としてはナオミ・ワッツ主演で「フェア・ゲーム」という作品も作られた。

冒頭、大統領が何者かに狙撃され重傷を負う。この事件の背後にはベネズエラの
過激派が関係しているという報告を受け、大統領はベネズエラに報復空爆を実施する。

新聞記者のレイチェルは、あるCIAの女性エイージェントがベネズエラ関与説を否定
した報告を上げていた事実をすっぱ抜く。しかもそれは、某大使夫人であった。

レイチェルと大使夫人=CIAエージェント、エリカ(ヴェラ・ファーミガ)は子供が同じ
小学校に通うなか。知り合いというほどではないが、ある日学校に迎えに来た
エリカに、「あなた、CIAでしょ」と迫るが、もちろん本人が口を割るわけがない。

レイチェルはCIAの秘密を暴いたとして大陪審に召喚され、情報源は誰か、と
迫られる。もとよりしゃべる気がないレイチェルは黙秘する。すると「法廷侮辱罪」で
まず収監されてしまう。手錠を駆けられて。対するはFBIの特別検察官パットン。
(マット・ディロン=こいつが憎々しい役を上手く演じていたな)

レイチェルの勤める新聞も、法律に違反したものを解雇しないと言って1日1万ドルの
罰金を払いつつ応援するし、テレビも政府の暴挙だと糾弾してくれていた。さらに
彼女の活動はピュリッツアー賞の候補にまで挙がったのだった。

しかし未決拘置は長引き、レイチェルは絶対に口を割らないため、ついに判決を
受けて刑務所に収監される。ここで頑張るのがいい味をだしている人権派老弁護士
アランを演じるアラン・アルダだ。ブチ切れそうになたり、落ち込んだりするレイチェルを
支えていく。 拘置所での暮らしも1年以上になり夫は浮気するわ、子供の親権は
取られれしまうわ、それでもレイチェルは口を割らない。

一方一人息子と、売れない小説家である夫とは次第に疎遠になっていってしまう。
そうこうしているうちに、エリカは、自宅の前で右翼に銃で撃たれ死んでしまう。
自分が暴かなければこんなことも起きなかったのだろうに、とレイチェルは悩むが
決して口を割ることは無かった。CIA独自の捜査で、レイチェルの自白が無くても
1人の男が情報源として逮捕された。彼はいつぞやのパーティーで酔っ払いながら
大使夫人はCIAだぜ、とレイチェルに言ってしまった男だった。しかし第一次
情報源は彼ではなかったのだ。

裁判はついに最高裁にまで進み、アラン弁護士は雄弁を振るうが、結果は
5対4で有罪が決まってしまう。判事は彼女をこのタイミングで釈放し、
大陪審を解散する。やっと自由の身になると喜んだレイチェルだが、出てきた
ところをFBI特別検察官パットンは、「法廷侮辱罪」で再逮捕に出た。

ついにここでレイチェルは懲役2年にとどめるという司法取引に応じたのだが
情報源を明かすことしたのか、あくまでも断ったのかちょっと分かりづらかった。
まあ映画の趣旨としては守りきらなくちゃという感じだったけど。

だって・・・
一次情報源とはレイチェルが送り迎えに付き合ったスクールバスで、エリカの
娘から聞いた何気ない言葉「ママは国の仕事でベネズエラにいったの・・・・」
だった。このオチはちょっとびっくりだが、有りえるだろうな。

大統領や国の不正や陰謀をメディアが国民のために暴こうとしたとき、情報源を
秘匿できないとは、アメリカでもアウトなのだ。日本も間もなくそうなろうとしている。
記者が逮捕、(沖縄返還密約事件でも西山記者が逮捕されたけど)される日が
誓いということで、ぞっとしながら観ていた。
レイチェルは女性だが芯が強く、権力になびくことは無かったのだが、しかし
こんな法律があっては、ウォーターゲートやイランコントラ事件などは政府の
都合のいいように闇から闇に葬られることになるんだろうなあ。恐ろしいことだ。
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<ストーリー>
「アメリカ大統領暗殺未遂事件をめぐり、陰謀と告発、信念と権力が交錯する
サスペンス・アクション。監督はロッド・ルーリー、出演は「パール・ハーバー」
「アビエイター」のケイト・ベッキンセール、「クラッシュ」のマット・ディロン。
実在の事件をベースに描かれる国家との戦いの行方とは。

 ジャーナリストのレイチェルは、大統領暗殺未遂におけるCIAスパイについて
暴露する記事を書く。ベネズエラ政府の陰謀とし報復攻撃を始める合衆国だったが、
レイチェルはベネズエラの関与を否定した文書をスクープしたのだ。
政府の情報提供開示請求を拒むレイチェルは、FBIに同行を求められ収監されて
しまう。検察官パットンの尋問にも口を開かず、刑務所へ送られ、妻や母としての
権利も奪われてしまったレイチェルだが、ジャーナリストとしての信念は守り抜く。
果たして情報提供者は誰なのか。そして国家が守ろうとする機密とは。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。

また元となった「プレイム事件」に関するwikipediaの情報はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2013-10-02 23:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)