時の重なる女 La doppia ora

●「時の重なる女 La doppia ora 」
2009 イタリア Indigo Film,Medusa Film.95min.
監督:ジュゼッペ・カポトンディ
出演:フィリッポ・ティーミ、クセニア・ラパポルト、アントニア・トゥルッポ、ガエターノ・ブルーノ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
夢の世界は何が起きても、特に映画の世界では許されるわけだが、逆に使い方を
間違うと、「なんだ、夢かよ!」という粗雑な作りの代名詞のような感想を投げつけ
られることになる。

本作も中心となるのが夢の部分であるが、脚本が上手いのか監督が上手いのか、
引っ張られて見てしまう。全体の持つ雰囲気、映像の持つ雰囲気が、イタリアっぽくて
素敵だった。(何がイタリアっぽいのかはよく知らないけど・・爆)

主演の女性ソニアを演じたクセニア・ラパポルトはこれでヴェネチア国際映画祭で女優賞を
獲得している。役者さんは知らない人ばかりだが、雰囲気外してるなあ、というキャスティングは
無かったと思う。

現実と夢の構成が巧みで、よくこういうストーリーを思い付くな、と感心して観ていた。
出鱈目というか出たとこ勝負になりがちな夢の展開だが、ツボは押さえて1時間半に
綺麗にまとめたな、という感じ。出だしから夢に突入するまでと夢から覚めるまでは
全体を観終わらないとよく分からないのも、もどかしいと思う人もいるだろうが、
なるほど、と思う人が多いのではないか。

お見合いイベントで偶然に出会ったように思わせる(引っ張るんだけど)のだが、実は
女は強盗団の一味で、男は狙われた、と分かるのは相当後になってから。この
うっちゃられ塩梅がむしろ気持ちがいい。 終わってみればストーリーはそう難しい
ものではないのだ。 
夢の中で男、グイドを愛してしまうソニアの女性としての性が切ないが、ラストカットを
見ると、切ないってことでいいのか?という疑問が残ったりする。元々の彼氏と
現実でも夢でも愛に溺れ手玉に取る女性の恐ろしさを感じる場合もあるだろう。
グイドの仕事であるミキサーがガンマイクでソニアの裏切りを知るあたりもガジェットが
効いていて良かった。
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<ストーリー>
「ホテルでメイドとして働くスロベニア移民のソニア(クセニア・ラパポルト)と、郊外の
邸宅で警備員として働く元刑事のグイド(フィリッポ・ティーミ)。2人はあるパーティーで
出会い、すぐに惹かれ合う。
互いを深く知るようになったある日、グイドは自分が働いている邸宅にソニアを招待する。

しかし突然、強盗団の襲撃を受け、グイドが撃たれてしまう。大怪我を負いながらも、
一命を取り留めたソニアだったが、事件の際の記憶を失っていた。1人悲嘆に暮れながら、
疲れ果てるソニア。彼女はグイドの幻覚を見続けているのだ。もしかしたら本物のグイドを
見ているのか、それとも正気を失ってしまったのか……。それとも、これは彼女にもう一度
与えられたチャンスなのか?なぜ今、過去が蘇ってくるのか?数々の謎を孕みつつ、
物語が展開してゆく……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2013-10-28 22:55 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)