きっとここが帰る場所 There Must Be the Place

●「きっとここが帰る場所 There Must Be the Place」
2011 イタリア・フランス・アイルランド Indigo Film,Lucky Red ,Medusa Film.119min.
監督・脚本・原案:パオロ・ソレンティーノ
出演:ショーン・ペン、フランシス・マクドーマンド、ジャド・ハーシュ、イヴ・ヒューソン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
映画に関して、時々書くのだが、その映画に何を求めたか、何を得たか、と
いうことを考える。思いっきりエンターテインメントでもいい。アメコミのように。
しみじみとした恋愛、家族や親子の愛、戦争への憎しみ、スポーツなどへの感動、
人間賛歌・・・。いろいろあるだろう。それが映画の楽しみの1つでもあるわけだ。

だが、時として、この映画は何を言いたかったのだろうか、何を感じればいいのだろか、と
悩んでしまうものがある。雰囲気はいいし、物語の展開もそう難しいことないのだが
監督はこれで何を言いたかったのか、理解しかねるというタイプだ。
作品中でもいみじくも主人公自身が「何が変かよく分からないけど、なんか変だ」と
口癖のようにいっているし・・・。

本作が私にとってそれに当たる。ショーン・ペンは毎度いい演技だ。しかも今回は
化粧をした一見ハードロッカー風の衣装をまとった、過去の栄光を背負った老ロッカーと
いう難物をよく演技していたと思う。またこいつが嫌な奴に見えて、決してそうではなく、
いいやつなんだよなあ。作品に出てくる人物からもそう言われちゃうんだな。
いかにも「カンヌ」好みの出来ではある。 よく分からないながらも、映画独特の不思議な
雰囲気に引っ張られて観てしまうタイプの映画だ。ちょっと長く感じたけど。

主人公、動きはスローで、しゃべる内容は辛辣なようなバカなような・・・。
頭がいいのか悪いのか?

全体の画や色彩は綺麗だが、シュールな面が多い。ペンの奥様役のマクドーマンドは
なんで消防士なんかしているのか? まあ、ショーン・ペンの存在そのものがシュール
なんですけど・・。それにしても、芯だオヤジさんがホロコーストの生き残りで、生涯、
ナチのSSを追跡していた、とかいう具体的な、あまりにも生々しい現実が出てきたり。
ラスト、異形をやめて、髪の毛もさっぱりし、普通のおじさんとしてアイルランドに帰ってきた
ショーン・ペンの心境は、オヤジとの30年のわだかまりが解けたことによる、とだけでは
とても説明がつかないものだと思うのだけれど・・・。アメリカに行ったことにより、彼は
やっと大人になれた、ということなんだろうか。

しかし、SSがペンのオヤジさんを嗤った原因とかも、実は非常に些細なことで、またそれを
終生の恥として、それを雪ぐため人生を使い切ったオヤジさんの人生とか。
それをショーン・ペンはどう感じたのか、というあたりが監督のねらい目、表現の感性の
ねらい目がそのあたりにありそうな気もします。だいたい冒頭の古城の前を走る、ラッパの
ようなプラスチックを首につけた犬の様子からシュールだもの・・・。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「2008年のカンヌ国際映画祭で審査員長を務めたショーン・ペンが、同年に審査員賞を
受賞した『イル・ディーヴォ』のパオロ・ソレンティーノ監督と作り上げた人間ドラマ。
現役を退き、平穏な生活を送っていたロックスターの身に起きる出来事が、緊密に設計した
美しい映像とともに描かれる。2011年のカンヌ国際映画祭エキュメニカル審査員賞受賞作。」
(Movie Walker)

「かつての人気ロックスターであるシャイアン(ショーン・ペン)は妻(マクドーマンド)と
アイルランドのダブリンにある豪邸で半隠遁生活を送っている。今でも現役当時のままの
派手なメイクとファッションで生活しているが、付き合いがあるのは近所のロック少女メアリー
などごくわずかである。

そんなある日、故郷のアメリカから30年以上も会っていない父が危篤との連絡が来る。
飛行機が苦手なシャイアンは船で向かったため、結局、臨終には間に合わなかった。
葬儀の後、ホロコーストを生き延びた父が自分を辱めたナチスのSS隊員アロイス・ランゲを
執拗に探し続けていたことを知ったシャイアンは、父に代わってランゲを探す旅に出る。

ランゲの妻ドロシーや孫娘のレイチェル、その息子のトミーなどに目的を隠して会い、ようやく
見つけた隠れ家は既にもぬけの殻だった。そこに、ナチスの残党狩りのプロであるミドラーが
現れる。実はシャイアンが渡していた資料をもとに、ミドラーは既にランゲの行方を突き止めて
いたのだ。ミドラーに連れて来られたランゲの隠れ家で、シャイアンはランゲから当時どの
ような辱めを父にしたのかを聞かされる。それは、けしかけた犬に脅えて小便を漏らしたのを
笑ったというものであった。シャイアンは父の「復讐」としてランゲを全裸にして雪景色の屋外に
放り出す。

旅を通じて父親へのわだかまりを解いたシャイアンは、飛行機に乗り、派手なメイクと
ファッションをやめ、素のままの「大人」の姿でダブリンの街に帰って来る。」(Wikipedia)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-11-12 23:20 | 洋画=か行 | Comments(0)