トールマン The Tall Man

●「トールマン The Tall Man」
2011 アメリカ Cold Rock Productions BC,Forecast Pictures ,Iron Ocean Films.106min.
監督・脚本:パスカル・ロジェ
出演:ジェシカ・ビール、ジョデル・フェルランド、スティーヴン・マクハティ、ウィリアム・B・デイヴィス他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
~ネタバレ注意でお読みください~
どんでん返し系のスリラー、サスペンス。なんというか、映画としての「志」みたいな
ものが低い感じの作品だなあ、とエラそうですが感じた。
ジェシカ・ビールが最終的には犯人なのだが、なぜそうなったか、という背景が宗教的、カルト的
で、物語の収斂に納得性が薄いのだ。まあ、カルト映画ですから、と言われちゃうと、なんとも
反論が出来ないのですけど・・・。そのあたりもう少し何とかなると、面白い展開だと思った訳です。

出足は、ほんとにトールマンという謎の人物がいるのか、とジェシカ・ビールとその子供が
危ないのか、と思っていると、どうやらジェシカが怪しいと分かってくる。
簡単に言っちゃうと、彼女(保健所の看護師)と死んだといわれている(実は死んでなくて黒幕)
夫と、町で不幸な育てられ方をしている子供を次々と拉致し、新しい金持ちの里親に預けると
いう秘密組織のメンバーだったわけだ。拉致された18人、逮捕されたジェシカは、殺して古い
トンネルのあちこちに埋めた、というが遺体は発見されない。

やがて、この映画の語り部となる少女が、里親の元から絵画を勉強する大学に通う途中で
行方不明なはずの男の子が公園で遊ぶのを目撃する。そう、みんな生きて新しい人生を
歩き始めているのだ・・・。

全編を通してななぜ志が低いかといったかというと、拉致誘拐された子供の立場がきちんと
描かれていないからだ。最後は、観ている人に、こういう子供の人生はありでしょ?と
投げかけてくるのだが、ラストで公園で見かけられたデイヴィッドという男の子に、今の
暮らしが幸せなのか、聴いてみたい。
結局、子供が不幸になる連鎖を断つ、という趣旨で反社会的な行為をしているジェシカと
夫、またその組織のやっていることに対して言い訳はできないと思うのだ。
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<ストーリー>
大な森と迷路のような地下道に囲まれた炭鉱町コールド・ロック。6年前の鉱山閉鎖で
急速に寂れたこの町で、次々と幼い子供たちが消えていく連続失踪事件が発生。
犠牲者は既に18人。謎が謎を呼び、人々は正体不明の誘拐犯を“トールマン”と名付け、
恐れていた。

そんなある晩、夫に先立たれ地元で看護師として働くジェニーは、自宅から何者かに
連れ去られた子供を追い、傷だらけになりながらも町外れのダイナーに辿り着く。
そこに集う住人たちの奇妙な行動。やがて、想像を絶する真実が明らかになったと
き“トールマン”は忌わしい伝説と化すのだった……。」(Movie Walker)

傷だらけでダイナーに来たのは自分が拉致した子供を奪還されたから、それを奪い
返そうとしてけがをしたわけだ。町の人は、ジェシカが怪しいのではないか、と
気が付きはじめていた・・・。しかし、彼女がなぜそうしているのかを知ることは
無かった・・。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-11-18 22:55 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)