かぞくのくに

●「かぞくのくに」
2011 日本 スターサンズ 100分
監督・脚本:ヤン・ヨンヒ
出演:安藤サクラ、井浦新、ヤン・イクチョン、京野ことみ、大森立嗣、村上淳、宮崎美子他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
公開年度のキネ旬邦画ベスト1、毎日映画コンクール、ブルーリボンなど賞を総なめに
した作品。過去に2本のドキュメンタリーを撮った監督が、ドキュメンタリーでは撮りきれない
世界をフィクションで表現したかったに違いない。それが良く分かったし、崔洋一監督や
李鳳宇がプロデュースする井筒和幸作品のような在日を描く作品とは感じがまた違う、
ほんとにドキュメンタリーを見ているんじゃないかと思われる出来上がりとなっている。

奥田英二の娘、安藤サクラの出世作ともなった作品であるが、確かに彼女の演技、
存在感は新人レベルではないものを醸し出していた。美人でないのがいいし、この
映画のだれもがそうだが、演技臭さが感じられないのもいい。

一番心に残ったのは、オッパの監視役の男に妹が「あんたの国なんか大嫌いだ」と
迫るシーンで、その男いわく「オッパもあの国で生きていくんだ。私も死ぬまであの
国で生きていくんだ」。 嫌でもなんでも、あの国で諦めて生きていくしか方法のない
人たちの諦観、絶望感のようなものがハッと感じられた。

在日朝鮮人一家の周辺に起きた諸問題が一気に噴き出たような作品だが、描く
ところは淡々と、しかし力強い。ラスト、タクシーに乗って去っていく兄の腕を離さない
妹。兄は何を思ってその腕を振り切ったのだろうか。父の弟は生きてさえいれば
なんとかなる、と声をかけたが、オッパは「もう死んだものと思ってくれ」とどこかで
思っていたに違いない。お土産に買ったサッカーボールが高価なものでないのが
また泣かせる・・・。
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<ストーリー>
「『ディア・ピョンヤン』のヤン・ヨンヒ監督が自身の体験を基に描く、初のフィクション作
となるヒューマンドラマ。
病気の治療のために25年ぶりに日本に帰ってきた兄と、妹や家族、そして昔の仲間
たちとの再会を通し、それぞれの思想や価値観の違いなどが描かれる。
ARATAから本名に改名した井浦新が複雑な境遇に苦悩する兄役を好演する。

1970年代に帰国事業により北朝鮮へと渡った兄。日本との国交が樹立されていない
ため、ずっと別れ別れになっていた兄。そんな兄・ソンホ(井浦新)が病気治療のために、
監視役(ヤン・イクチュン)を同行させての3ヶ月間だけの日本帰国が許された。

25年ぶりに帰ってきた兄と生まれたときから自由に育ったリエ(安藤サクラ)、兄を送った
両親との家族だんらんは、微妙な空気に包まれていた。兄のかつての級友たちは、
奇跡的な再会を喜んでいた。その一方、検査結果はあまり芳しいものではなく、医者から
3ヶ月という限られた期間では責任を持って治療することはできないと告げられる。
なんとか手立てはないかと奔走するリエたち。そんな中、本国から兄に、明日帰還するよう
電話がかかってくる……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2013-11-25 23:20 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)