最強のふたり Intouchables

●「最強のふたり Intouchables」
2011 フランス  Quad production,and others.113min.
監督:エレック・トレダノ
出演:フランソワ・クリュゼ、オマール・シー、 アンヌ・ル・ニ、オドレイ・フルーロ、クロティルド・モレ 他
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<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
封切った時から評判が高かったものの、観そびれていた本作を録画してあった
WOWOWで鑑賞した。最近Gaumont配給の残念な映画を2本見ていたので
「え、ここがそんな評判の高い映画を?」とは思ったけど、いや、素晴らしかった。

実話に基づくというがだいぶ脚色されいているだろうと思う。 ラストで出てくる実際の
本人たちを見ると、ドリス役は実際は白人。格差を明確に演出するために黒人にしたの
だろう。

見ながら、「見た目」と「現実」、「人間の(幸福の)本質」ということを考えていた。基本的に悪い
人が出てこない「性善説」をベースにした映画である。人間の幸せは、どこにあるのか、
という重い問題を、軽快なタッチで素敵な映画に仕上げた監督の手腕は評価されよう。
画作りも綺麗だった。また主役のふたりの演技、脇役の家政婦や執事らの存在と
彼らの笑顔、みんな素敵だった。観終わって「感動したね」というより「素敵な映画だったね」と
語りたくなるタイプの作品だ。

映画の中で、ドリスが描いた画に1万1000ユーロの値段が付くのだが、人は何に
価値を見出すのか、とても皮肉が効いたシーンだった。また、オペラを鑑賞するシーン、
「あの人どうしちゃったの?あの人、木?受ける・・!」などのシーン、フィリップの誕生
パーティーでのダンス大会も。
確かにドリスに絵の才能はありそうだけど。
古典、といわれる、いわゆる社会の常識の中での決まり事的芸術を美しいと感じる感性と
(それはそれで否定はしてない)、だが、世の中にはそのほかにもたくさん楽しい
ことがあるよ!とドリスは自分も知らないうちにフィリップに教えていくのだった。
ただ、文通相手をアレンジしてフィリップスと会わせるところなどはとてもアホでは
できない仕業。ここにドリスと義母や、フィリップの養子(女子高校生)とドリスの
関係などがエピソードとして横軸に華を添える。

自由奔放なドリス、これまでの価値観の中で暮らしている大金持の、でも首から下は
麻痺しているフィリップ、二人の人生の楽しみに対する価値観、知らぬ故にフィリップを
障碍者障碍者として扱わないことがフィリップにはとても気持ち良かったのだ。

フィリップには半年間文通している女性がいるのだがドリスが強制的に電話で会話させ
パリで会うことになった。ドリスは障碍者としての写真を送ることを勧め本人も一度は
納得したものの、差し替えてしまった。デートの日、フィリップは彼女に嘘をついていた
ことに耐え切れず、会わずにレストランを出てきてしまう。
そのことをやがて知ったドリスは、いったんはフィリップの介護役を外れるのだが
ドリスが居なくなったことで体調が悪くなったフィリップのために、フィリップを障碍者だ
と納得させたうえでもう一度彼女とフィリップを会わせるのだった・・・。

いいやつなんだよ、粗野だけど卑ではない。ラストシーンでは思わず涙が出るでしょう。

何をして大金持になたったかは説明されないが、大豪邸に住み、マセラティなどの高級車を
沢山持ち、結構大きな自家用ジェットさえ持っているフィリップ。
妻とハンググライダーをしていて墜落、妻は死亡し、自分は首から下がまったく不自由に
なった。自分の殻に閉じこもってしまったフィリップの元に、失業保険の申請のサインを
貰うためだけに来たフィリップに気に入られ、1か月の試用期間を経て本採用され、
そこから「人生にはこんなに面白いことがあるんだぜ」ということをフィリップに知らずに
教え、またドリスもフィリップから少なくないものを得ていく。基本、二人ともよく出来た
人物なんだ。

映画の冒頭がエンドに繋がっていくという手法は珍しくないが、パトカーに追いかけられて
パリ市内を疾走するマセラティ、そして映画の終わりにそのマセラティが向かうとところは
海辺のレストラン。そこでドリスが仕組んだサプライズは先述の通りであった・・。

心が温かくなる気持ちのいい映画であった。テンポも実にいい。また全編に散りばめ
られたユーモアとウィットに富んだセリフのやりとりも実に気持ちが良い。これは脚本の勝利
だろう。フィリップの髭を剃るところでドリスが遊ぶところは涙を流して爆笑した!
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<ストーリー>
「ひとりは、スラム街出身で無職の黒人青年ドリス(オマール・シー)。もうひとりは、パリの
邸に住む大富豪フィリップ(フランソワ・クリュゼ)。何もかもが正反対のふたりが、
パラグライダーの事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会った。

他人の同情にウンザリしていたフィリップは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当て
というフザケたドリスを採用する。その日から相入れないふたつの世界の衝突が始まった。
クラシックとソウル、高級スーツとスウェット、文学的な会話と下ネタ──だが、ふたりとも
偽善を憎み本音で生きる姿勢は同じだった。互いを受け入れ始めたふたりの毎日は、
ワクワクする冒険に変わり、ユーモアに富んだ最強の友情が生まれていく。

そんなある日、心配してドリスの経歴を調べた親戚が、宝石強盗で半年服役した前科者
だから気をつけるようにとフィリップに忠告する。しかしフィリップは、「彼は私に同情していない。
そこがいい。彼の素性や過去など、今の私にはどうでもいい事だ」と、毅然と答えるのだった。

フィリップを車の荷台に乗せるのを「馬みたいだ」と嫌がって助手席に座らせたり、早朝に
発作を起こした彼を街へ連れ出して落ち着くまで何時間も付き合ったり、意外にもドリスには
自然な思いやりや優しさがあった。

だが別れは突然やってくる。ヘマをして仲間にシメられたドリスの弟が、ドリスのもとに
逃げ込んで来たのだ。家族のことを真剣に思うドリスを見たフィリップは、「やめにしよう。
これは君の一生の仕事じゃない」と提案する。翌朝、名残を惜しむ邸の人々に、陽気に
別れを告げるドリス。フィリップは真っ当な介護者を雇い、ドリスは運転手の仕事を見つける。
ドリスは自分の人生を始めるが、フィリップは再び孤独に陥っていた。そしてドリスは突然
真夜中に呼び出される。いったいフィリップに何があったのか……。」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2013-12-02 23:15 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)