崖っぷちの男 A Man on a Ledge

●「崖っぷちの男 A Man on a Ledge
2011 アメリカ Summit Entertainment.102min.
監督:アスガー・レス
出演:サム・ワーシントン、エリザベス・バンクス、ジェイミー・ベル、アンソニー・マッキー、エド・ハリス他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かった!けど、今一つで★8つになりそこねた感がある。せっかくのストーリーが
弟と彼女のやりとりとか、金庫破りの下りとか、高層階からの大ジャンプとか、もう少し
丁寧に、考えて作られていたらもう一つ★を献呈したいところだった。

そのストーリーの優れているところは、発想と伏線の張り方だろう。ご都合主義な面も
あり、突っ込みどころもあるが、この男と弟はどうなっていくのだろうとハラハラする
緊張感を上手く最後まで引っ張ることが出来ていた。 弟とガールフレンドの金庫破り、
最後に正体を明かすことになる、ルーズベルトの老ベルボーイの秘密、(その前の葬式
の伏線も含め)、相棒の刑事の本当の考え、などなど、いいプロットが埋め込まれている。

エド・ハリス以外のキャスティングが今一つ地味なのも損しているかなあ。
サム・ワーシントンは今、ホットな俳優であることは間違いないんだけどね。交渉役の
女性刑事役のエリザベス・バンクスもよく見る顔だが、サムとの組み合わせとしては
いいと思うけど、地味だなあ。弟とガールフレンドも。

NYの街中に警察が繰り出し、指揮車が登場するシーンは直前に観た「インサイド・マン」
でも全く同じ光景だった。(あたりまえだけど)
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元警察官でバイトで民間の警備員をしていたニック・キャシディは、誰かにハメられ、
刑務所暮らしとなってしまった。父が亡くなったという報を受け、葬儀に参列することを
許されたニックは、そこで警備の刑務官を殴り倒し、クルマを奪って逃走した。

そして一か月後、彼はNYのルーズベルト・ホテルに現れた。22階の部屋を取り、
ルームサービスで食事をした後、一切の指紋や唾液などを拭い、窓から外へと
出た。下から見上げる野次馬で、街の一角は通行止めになり、警官隊が出動した。

ニックは、交渉役に女性刑事のリディア(エリザベス・バンクス)を呼ぶように指示。
彼女は少し前に、橋から飛び込もうとしてた自殺志望の警察官を止めることが出来ず、
自殺させてしまっていた。今回だけは何とか説得に成功し、名誉を挽回したかった。

ビルの庇に出ているニックの正体が分からないまま、交渉は膠着状態。ニックの
目的は、盗んでもいないダイヤの存在を明らかにすることにより、自らの無罪を証明
することにあった。
このために、彼は弟と彼の婚約者に1年がかりで特訓をし、ホテルの前にある
イングランダー宝石店の金庫破りに出たのだった。弟の仕事をカムフラージュするための
陽動作戦として、周りの耳目をこちらに注目させるため、自殺志願を演じていたのだ。

イングランダーは、リーマンショックの時に破産寸前となり、起死回生の手段として
ダイヤを盗まれた、ということにして4000万ドルの保険金を詐取、まんまと生き返り
いまやまた隆盛を極めつつあった。その時に、利用されたのが、ニックらのアルバイト
警官で、市長と懇意のイングランダーは、まんまとニックらの仕業になすりつけることに
成功し、ニックは刑務所に、ということになったのだ。

マンハッタンのど真ん中で展開される自殺騒ぎにテレビの生中継も入り、大騒ぎに。
その間、厳重な警備を1年がかりの計画でぶち破りながら、弟ジョーイと婚約者
アンジーは、順調に金庫に近づいていく。
一度警官隊がイングランダーの金庫のあるビルに点検に入ってきたが、あわやの
ところで姿を隠し、再び金庫破りに挑戦、ホテルの庇に立つニックとインカムで指示を
受けながら、ついに金庫を開けることに成功する。(ちょっと簡単に金庫破れ過ぎ)

しかし、そこには目的のダイヤは無かった。弟と婚約者は、ビルの警報を慣らし
自分らは会長室に。多数の警察官が押し寄せたが、問題のダイヤは別の隠し
金庫にあったのだ。イングランダーは、いったんそこから自分の胸ポケットに
そのダイヤをしまった。しかし会長室にいた弟らに、脅され、ダイヤを渡すことに
なった。弟らは、フロントに行き、ニックの部屋係であったベルボーイにダイヤの
入ったカバンを預ける。
一方ニックは、警察の突撃隊に急襲され、屋上へと追い詰められた。逃げる途中で
かのベルボーイからダイヤを受け取る。かつての相棒だったアッカーマン刑事が助けに
来るが、ニックは彼も自分をハメた一味と疑って信じようとしない。

兄の無罪の証明のダイヤをゲットした弟らは、ビルから逃げようとするが、ニックらを
はめたイングランダーの手先の警官と狙撃隊に屋上まで追い詰められてしまう。

図らずも屋上で警官の前に手を上げざるを得なくなったニック、悪徳警官は狙撃隊を
下がらせて、ニックを処分しようとしたのだ。一方、イングランダーらは弟らを助けた
かったら、ダイヤを返せ、と迫る。

とそこに、相棒だったアッカーマン刑事と、銃を手にした女性刑事リディアが駆けつけ
銃撃戦となり、悪徳警官はアッカーマンの銃で倒れる。アッカーマンも撃たれてしまう。
その間に、イングランダーはダイヤを持って、ビルの外に出て行った。
アッカーマン刑事はやはりニックを信じていてくれたのだ。

屋上からその様子を見ていたニックは、高層ビルから飛び降りた!着地したのは
飛び降りに備えて警察が用意した大きなエアマットの上だった。(上手く着地できたねえ)

逃げるイングランダーを押さえ、(野次馬の中からニックを助けるホームレス風の男が
登場し、ニックを助けるのだが)、彼のポケットからダイヤを奪取した。ようやく無実を
証明するダイヤ(ニックが盗んで粉々に砕いて売りさばいたとして有罪になったのだが、
そのダイヤがアッカーマンの懐から出てきたわけだから)

ニックは脱走犯だったので、一度収監されるが、すぐに釈放される。向かに出たリディア
刑事。二人して向かった街のパブで、彼の無罪を祝う大騒ぎが。そこのマスターはホテルの
例のベルボーイ。ニックはリディに紹介する、「僕のオヤジだよ」。
そして弟ジョーイは、婚約者アンジーに正式にプロポーズするのだった。周りからは大歓声が
巻き起こった。そして家族に平和が訪れたのだった。

というようなストーリーです。ダイヤモンド商の厳重なハイテク金庫を、素人に毛の生えたような
弟と婚約者が結構簡単に破る、というのがリアリティが無かったなあ。二人のいちゃついた会話も
いまいち洗練されていない。それと、ラストに大ジャンプを見せてエアマットに着地するシーンは
カタルシスがあっていいのだが、あんな高層階から飛び降りて、豆粒みたいなマットに着地する
かね? 
ただ、刑務所から出るためのオヤジの葬式、兄弟のケンカ、なども計画だったのね、と分かり
すっきりはするけど。ラストの大ハッピーエンド、ちょいとお気楽すぎるまとめ方だったかな。
同じころ「『ザ・レッジ 12時の死刑台』(2011)というビルからの飛び降りをテーマにした作品が
ありましたが、(見ましたので、感想は検索してみてください)本作のほうがはるかにいい出来。

でも、全体としては、なかなか面白い映画だと思いましたよ。
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この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2013-12-12 23:20 | 洋画=か行 | Comments(0)