永遠の0

●「永遠の0」
2013 日本 東宝,Amuse,ROBOT、制作委員会  144分
監督・脚本:山崎貴
出演:岡田准一、三浦春馬、井上真央、吹石一恵、夏八木勲、橋爪功、平幹二朗、濱田岳、風吹ジュン他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
原作をとても面白く読んだので、山崎貴はどう物語を折りたたむのだろうか、と興味があり
一方で、原作の良さをどう出すのだろうか、という怖さもあった。
しかし、144分を長く感じさせず、「ALWAYS三丁目の夕日」以来のVFXを担当している「白組」の
素晴らしい画像が相まって、質の高い邦画が出来上がった。

年末の公開からずっとナンバーワンヒットとなっていて、私は時間の長さに恐れをなして
今日まで未見であった。3連休最終日、シネコンの大きな小屋は世代を超えて混んでいた。

あちらこちらですすり泣く音が聞こえたが、その涙、その感動が、願わくば「戦争の不条理」
「旧日本軍の馬鹿さ加減」の理解に結びついて欲しいと祈らずにはいられなかった。
特に若人たちに。夏八木勲、渾身の遺作となった。非常に重要な役をいい味と存在感を
出していた。

結局山崎監督は、所詮詳細に説明しても難しい戦局についてのインタビュー内容を端折り、
原作よりもエンディング部分を長くすることによって、人間ドラマとしての厚みを獲得させたと
いうことだ。 それにより、いささかのお涙頂戴になったうらみがなしとはしない。
原作にはない、松乃と清子に会いに行くシーンも全く不自然になっておらず、むしろ逆に
松乃の「あの人は約束を守った」というセリフに感動的に結びついている。
また原作では姉と婚約寸前である編集者の間の「特攻は自爆テロ」論争をカットし
三浦春馬の同級生たちとの飲み会でのやりとりに集約している。
ミステリー的要素ももった原作の味わいもきちんとトレース出来ている。

基本、人間愛を描いたわけだが、「戦争の不条理」を是非に感じ取っても貰いたいのだ。

当時の映像を一切排したのも潔かった。すべてVFXと実物そっくりに作り上げた21型
ゼロ戦の生み出す画像は、ハリウッドに対抗できる質を獲得していた。

キャストはもう岡田准一、かっこ良すぎ!いい俳優だなあ。ラスト近く三浦春馬の頭上を
飛び去る幻の姿はカッコ良すぎだろう!! 三浦春馬がちょいと味が薄かったかなあ。
橋爪功、夏八木勲、田中泯、山本學、平幹二朗らの演じた元軍人たちはいずれも圧倒的。
特に橋爪と夏八木、田中が素晴らしいと感じた。 井上真央は可もなく不可もなし。まあまあ。

まだ原作を読んでいない人は、映画を見てから原作を読んだほうがいいかもしれない。
原作は、南方での作戦の詳細が語られるので特に女性や若い人はわかりづらいかもしれない。
作者、百田は、ゼロ戦バンザイ!と単純に言いたかったわけではないと思う。それはゼロ戦の
人命無視の設計、南方でのむちゃくちゃな作戦、(作者はこれがゼロ戦が優秀だから故に
出来てしまった悲劇と言いたげでもあるが)、そして狂気の特攻。映画でも「あんなもの作戦では
ない」等と言わせている。 宮部少尉が愛する人がいるから絶対に死なないんだ、といいつつ
特攻を志願し、死んでいった謎は結局原作でも明らかではないのだが、体制派作家とも
目される原作者の本作は、私には「反戦小説」と映り、映画も「戦争はダメだよ」と語っていると
受け止めたのだった。

しかし、映像の持つ力は強い。私も何度かうるうる来てしまった。原作ではそんなことなかった
のに。
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放送作家として活躍する一方、小説でもヒットを連発する百田尚樹のデビュー作にして
一大ベストセラーとなった同名小説を「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴監督が
映画化した戦争ドラマ。現代の青年が、零戦パイロットだった祖父の戦死の謎を
調べようとかつての戦友のもとを訪ね歩く中で、戦争の不条理と向き合っていく姿を描く。
出演は零戦パイロットの青年・宮部久蔵に岡田准一、その妻・松乃に井上真央、そして
2人の孫で調査を進める青年・佐伯健太郎に三浦春馬。
 
司法試験に落ちて進路に迷う青年、佐伯健太郎。ある日、今の祖父とは血のつながりが
なく、血縁上の祖父が別にいることを知る。その実の祖父の名は、宮部久蔵。
太平洋戦争で零戦パイロットとして戦い、終戦直前に特攻出撃により戦死していた。
そこで宮部について調べ始めてみると、かつての戦友はみな口を揃えて宮部を臆病者と
非難した。天才的な操縦技術を持ちながら、生きて還ることに執着した腰抜けだと
言うのだった。にもかかわらず、なぜ宮部は特攻に志願したのか。
やがて、ついに宮部の最期を知る人物に辿り着く健太郎だが…。」(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2014-01-13 17:35 | 邦画・新作 | Trackback | Comments(0)