小さな命が呼ぶとき Extraordinary Measures

●「小さな命が呼ぶとき Extraordinary Measures」
2010 アメリカ CBS Films.(Distributo:rSONY Pictures ) 105min.
監督:トム・ヴォーン  原作:ジータ・アナンド「小さな命が呼ぶとき」
出演:ブレンダン・フレイザー、ハリソン・フォード、ケリー・ラッセル、メレディス・ドローガー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
兄の無実を証明するために弁護士になってしまう妹の話がヒラリー・スワンク主演で
あったのを思い出した。こちらは難病のわが子のために製薬会社を作ってしまった
ビジネスマンの実話を元にしている。こういう映画を観るとアメリカという国はダイナミック
だなあ、と思う。厳しさもたくさんあるだろうが、克服して最後には勝つ、という構図が
アメリカ人は好きなんだろうな。

本作に出てきた「ポンぺ病」という難病は寡聞にして知らなかったが、9歳まで生きるか
どうか、という子供の難病で、治療薬が無かったという。
自分の3人の子供の内二人がこの難病にかかった製薬会社に勤めるエリートビジネスマンが
変人だが優秀な生化学者と手を組んで会社を立ち上げ、苦心惨憺しながら、ついに
クスリを作り出すまでを描いている。

おそらくグラクソ・クラインに勤務していたエリートのブレンダン・フレイザーはそれなりに良かった
と思うけど、腹回りの肉は、過酷な条件下で仕事をしていくベンチャー企業の男としては
太り過ぎじゃなかったかな。それに引き替え偏屈な生化学者、新薬の鍵を握る博士を演じた
ハリソン・フォードは、その頑固ぶりと心の底には優しさを持つ爺さんぶりが板についていた。
クリント・イーストウッドもいい頑固爺さんだが、ここのハリソンは私は好きだな。
成功したラストでは新型のピックアップで登場して、結構スノッブなところも見せたり・・。

ブレンダンの長女メーガンを演じた女の子もなかなか達者だった。
ブレンダンは新薬開発のために財団を作るのだが、こうしたシーンではアメリカという国の
結束の強さを見せつけられる。同病の人、教会、地域でのバザーや寄付など、キリスト教的な
他人に愛を施すという姿勢は日本では映像で表現できてもギクシャクするところだろう。

また、本作は、難病の子供を救いたいと熱望する父親の愛情の話であると同時にあるいは
それ以上に、製薬を巡る駆け引き、ビジネスの世界を描いているといえよう。
ブレンダンとハリソンは二人でベンチャー企業を立ち上げるのだがたちまち資金繰りがたち
行かなくなり、ライバル会社に身売りし、大企業の中での新薬の開発に乗り出したり、
その中で奇人のハリソンがいろいろと問題を起こしたり、新薬が出来るまでの製薬会社と
FDAと患者の関係が明らかにされたりと、そこも興味深いものがあった。

クスリが効き始めた証拠に点滴を投与されていた子供二人がシュガーハイで笑い出すところも
ほのぼのとして良かった。
結局新薬の試薬投与を自分の二人で実施し、改善を見るのだが、シアトル郊外の豪邸に
住んじゃっているのがやや気になるところだった。まあ、成功したのだから、クスリは儲かる
からねえ。ハリソンが新型のピックアップも買うはずだ。(自分の名前を冠したラボまで
つくっちゃった) 

大向こうを唸らす映画ではないが、ドキドキハラハラもあり、結末にも向かって一直線の
感動的かつ痛快な映画として愛すべき作品だと思う。テンポも良い。
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<ストーリー>
「オレゴン州ポートランド。エリート・ビジネスマンのジョン・クラウリー(ブレンダン・フレイザー)は、
妻アイリーン(ケリー・ラッセル)との間に、8歳の娘メーガンと6歳の息子パトリックをもうけ、
幸せに暮らしていた。
しかし、ジョンが命に変えても守りたい最愛の子供たち、メーガンとパトリックが、
難病“ポンペ病”におかされてしまう。ポンペ病とは、生まれつき体内のグリコーゲンをうまく
分解できないために発症する病気である。平均寿命9年と言われ、治療薬はなかった。

残された時間は1年しかない。ジョンは苦悩を重ね、精神的に追い詰められていく。
しかし、ポンペ病の権威であるロバート・ストーンヒル博士(ハリソン・フォード)の研究に
唯一の希望を見出す。ジョンはビジネス界でのキャリアを捨てることを決意し、ストーンヒル
博士といっしょにバイオ・テクノロジーのベンチャー企業を立ち上げる。
2人は子供たちを救うために、治療薬の開発を目指す。だが、採算を重視する投資家の
思惑や、大手製薬会社の内幕など、2人の前には様々なハードルが立ちふさがる。」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2014-01-15 23:25 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)