東京家族 

●「東京家族」
2012 松竹映画 「東京家族制作委員会」(朝日系テレビ局他) 146分
監督:山田洋次
出演:橋爪功、吉行和子、中島朋子、西村和彦、夏川結衣、妻夫木聡、蒼井優、林家正蔵、他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
大好きな小津安二郎の1953年製作「東京物語」のリメイク。この名作をリメイクしようって
いうんだから山田洋次監督はなみなみならぬ覚悟があったのだろう。
ストーリーは原作の大筋をほぼ忠実にトレースしているが、細部で少しずつ異なる。
「東京物語」を見た人も見てない人も、標準以上に面白く観ることは出来ると思うけど
別物と捉えたほうがいい。そもそも山田監督も、原作を超えようなんてはツユ思っていないだろうし。

原作は、戦後の日本の家族の崩壊を描いたもの。そこには寂しさが漂うものであるが、本作は
震災を経て、家族の絆の再確認を訴えているように思う。故にベクトルが逆向きなんだ。

キャスティングは最近老人役をやると絶対に上手い、橋爪功。彼のキャラクターが映画の
エンジンとなる。それを妻である吉行和子がターボを掛ける。
敢えてやっていると思うのだけれど、橋爪と西村のセリフが、笠智衆のような感じになっている点。
台本がそういうセリフ割なのだろけど、演じている人も自然とそうなっちゃうんだろうか。

原作も本作も、老母の突然の死で大きく家族の感情が動くのは同じだ。が、ベクトルの方向が
分かれている状況はここからが一番よく分かる。山田作品の方がちょっとお涙頂戴部分が
多く、つられてウルウル来るが、そこの山場が山田監督の主張点だったのかな?
だからか原作に比べてさらに10分長い。長さはあまり感じないけど、もう少し整理した方が
感動も濃くなったのではないかと思った。

東京の空にも時間が流れ、親の空にも、子供の空にも時間は流れる。
瀬戸内の島にも時間が流れ、人は結ばれ、そして別れ、人は逝き、人は生きる。

そんな拙い詩情が頭をよぎった。 屋根の上のバイオリン弾きみたいですね。
本作では人生の悠久さ、親子の流転を見る思いだった。原作では別の感想を持ったのですがね。
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<プロダクションノート&ストーリー>
「小津安二郎監督の不朽の名作『東京物語』をモチーフに、山田洋次監督が現代の
家族像を描くヒューマン・ドラマ。子供たちに会うために東京へやってきた老夫婦の姿を
通して、家族の絆を映し出す。老夫婦に橋爪功と吉行和子、長男を西村雅彦、次男を
妻夫木聡が演じるなど、新旧実力派たちが多数顔をあわせた。

2012年5月、瀬戸内海の小島に暮らす平山周吉(橋爪功)と妻とみこ(吉行和子)は、
子供たちに会うために東京へやって来る。だが品川駅に迎えに来るはずの次男の
昌次(妻夫木聡)は、間違って東京駅へ行ってしまう。周吉はタクシーを拾い、郊外で
開業医を営む長男の幸一(西村雅彦)の家へと向かった。長女の滋子(中嶋朋子)は
不注意な弟に呆れ、幸一の妻、文子(夏川結衣)は歓迎の支度に忙しい。

やがて周吉ととみこが到着、大きくなった二人の孫・実(柴田龍一郎)と勇(丸山歩夢)に
驚く。そんな中、ようやく昌次も現れ、家族全員が久しぶりに夕食を囲むのだった。
日曜日、幸一は勇を連れて、両親をお台場から横浜見物へと連れて行く予定だったが、
患者の容体が悪化、急な往診に出かけることになる。周吉ととみこは、滋子の家に
泊まりに行くが、美容院を経営する滋子は忙しく両親の相手ができず、夫の庫造
(林家正蔵)が駅前の温泉へと連れ出す。滋子に頼まれ、昌次は両親を東京の名所
巡りの遊覧バスに乗せるが、自分は疲れて居眠りをしている。帝釈天参道の鰻屋で、
周吉は、舞台美術の仕事をしている昌次に将来の見通しはあるのかと問いただす。
昔から昌次に厳しい周吉、昌次はそんな父が苦手だった。

その頃、滋子は幸一に、お金を出し合って二人に横浜のホテルに泊まってもらおうと
いう提案をする。横浜のリゾートホテルの広い部屋で、ただ外を眺める周吉ととみこ。
周吉はネオンに輝く観覧車を見て、結婚する前に二人で観た映画「第三の男」を懐かしむ。

寝苦しい夜が明け、周吉ととみこは2泊の予定を切り上げて、帰ってきてしまう。
そんな両親に、商店街の飲み会があるので今夜はいてもらっては困ると言い放つ滋子。
周吉は同郷の友人、沼田(小林稔侍)宅へ、とみこは昌次のアパートへ行くことにする。
久しぶりの母親の手料理を美味しそうに食べる昌次。その時、母に紹介しようと呼んだ
恋人の間宮紀子(蒼井優)が現れる。昌次はボランティアで行った福島の被災地でひと目
惚れしてプロポーズしたことを、とみこに打ち明ける
。一方、周吉は、沼田に宿泊を断られた上に泥酔、周囲に大迷惑をかけていた。幸一の家で
ようやく落ち着いたところに、とみこが上機嫌で帰ってくるが、突然倒れてしまう……。」
(Movie walker)

2007年に観た「東京物語」の私の感想はこちらまで。

また、この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2014-01-22 23:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)