喝采 The Country Girl

●「喝采 The Country Girl」
1954 アメリカ Paramount Pictures.104min.
監督・脚本:ジョージ・シートン  音楽:ヴィクター・ヤング
出演:ビング・クロスビー、グレイス・ケリー、ウィリアム・ホールデン、アンソニー・ロス他
e0040938_1463080.jpg

<1954年度アカデミー賞主演女優賞、脚色賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
毎年この時期になるとWOWOWが過去のオスカー受賞作を放映してくれる。本作も
グレース・ケリーがただ一つオスカーを取った作品としてのみならず、骨太の恋愛映画と
して記憶に残る作品。今回、鑑賞の機会があった。本作は1950年にブロードウェイで
上演され大ヒットした同名の舞台の映画化。ジョージー役は当初ジェニファー・ジョーンズが
起用されたが、彼女の妊娠が判明し、急きょ嫌がるMGMを説き伏せて(密かに台本を
送られたグレイス・ケリーも出演を熱望)パラマウントがレンタルし製作に至ったという。
なお、当時主演の3人は実際に三角関係にあったらしい。

とにかく、クロスビーとケリー、そしてホールデンの演技が圧倒的である。ストーリーは
割と軽めではあるが、それをバックに繰り広げられる人間ドラマ、愛情ドラマの迫力は
まさに傑作である。特に、後半のケリーの苦悩に満ちたクロスビーとの間を吐露する演技は
迫真のもの。思わず見るものをして画面に引き込ませる。そしてその単純な物語を
重厚な作品に仕立てた脚本も手掛けたシートンの力量に感心する。

古い映画ではあるが、普遍的で美しい人生と恋愛のドラマがここにはある。今見ても十分面白い。
主役の3人の俳優として、その妻として、俳優のプロデューサーとしてのそれぞれの悩みが
実にうまく表現されていて、これに三角関係が絡む。でもその恋愛のもつれのほどき方も
大時代的にスィートであり個人的には良かった。ラスト、NY公演初日のNYタイムズ紙の
評論を開くところで終わり、中身を見せるまでもないという演出がオシャレだったな。

なかでビングが歌っている歌はハロルド・アーレンが作曲をアイラ・ガーシュウィンが作詞を
手掛けた「The Search Is Through」、「Dissertation on the State of Bliss」、
「It's Mine, It's Yours」、「Tha Land Around Us」の4曲。個人的には印象の薄い歌だ
と思った。

ただ3人ともそれぞの苦悩を抱えているのだが、割とさっぱりもしちゃっているところもあり
そのあたりには時代を感じるかもしれない。
e0040938_1464677.jpg

<ストーリー>
「かつてのミュージカルスター、フランク(ビング・クロスビー)は酒浸りの日々を送っていた。
演出家のバーニー(ウィリアム・ホールデン)は、プロデューサーであるクックの猛反対を
押し切り、そんな彼に敢えて出演の依頼をする。
大舞台の主演に怖じ気づいたフランクだったが、妻ジョージー(グレイス・ケリー)のすすめに
より、渋々承諾する。稽古に身が入らない彼はバーニーに訳を打ち明ける。フランクによれば、
数年前に交通事故で1人息子を失ったショックで妻が酒浸りになった上、自殺未遂を繰り返す
などして困らせるからだと言う。
外面のいいフランクの言葉にバーニーはすっかり騙されてしまうが、それは完全な嘘であった。
実は、1人息子の事故はフランクが手を離した一瞬の隙に起きたもので、その罪悪感から
酒浸りになり、自殺未遂を繰り返していたのはフランクだったのである。

また、フランクは周りからいい人と思われるために、不満は全てジョージーの口から言わせる
ことで彼女を悪役に仕立て上げ、そんなフランクの仕打ちにジョージーは心身ともに疲れ切っ
ていたのである。しかし、事情を知らないバーニーはフランクをダメにしているのはジョージー
だと思い込み、彼女を敵視するようになる。

そんな中で開幕したボストンでの初演は失敗に終わる。その原因がジョージーにあるとした
バーニーはジョージーをニューヨークに帰らせることにする。ところが、ショックを受けた
フランクが酒場で泥酔してトラブルを起こして逮捕されてしまう。この事態にバーニーはようやく
フランクの嘘に気付き、ジョージーにこれまでの態度を深く詫びる。そして彼女の献身ぶりに
バーニーは愛を感じ、激高していたジョージーを思わず抱きしめてキスしてしまう。
ジョージーは「女」として扱われたことに呆然とする。

バーニーに激しく責められたフランクは、単に息子を失ったショックから酒に溺れていたの
ではなく、加齢に伴う人気の下降などスターとしての苦しみから逃れて同情を集めるために、
息子の事故死を利用していたことを白状する。しかし、これをきっかけにようやくフランクは
立ち直り、ニューヨークでの初日は大成功に終わる。その夜のパーティで、ジョージーと
バーニーの関係に気付いたフランクは「2人で話し合うといい」と告げ、その場を後にする。

フランクとバーニーの間で揺れるジョージーだったが、パーティ会場に思い出の曲が流れると、
フランクと万感の想いで見つめ合う。その様子にバーニーは全てを察してジョージーを送り出す。
ジョージーはフランクを追いかけ、2人は熱い抱擁を交わす。そんな2人の姿を窓越しに
見つめるバーニーの手元に初日の舞台を絶賛する新聞が届く。」(wikipedia)

この映画の詳細はこちらまで。
トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/21654209
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2014-02-05 23:35 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)