ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀 Hindenburg

●「ヒンデンブルグ 第三帝国の陰謀 Hindenburg
2011 ドイツ RTL,TeamWorx Television & Film.110min.
監督:フィリップ・カデルバッハ
出演:マキシミリアン・ジモニシェック、ローレン・リー・スミス、グレタ・スカッキ、クリスティーネ・パウル他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
テレビ映画の割にはお金が掛かっている感じだが、いかんせんストーリーの
持って行き方が荒っぽい。そこでそう来ちゃうかよ、というシーンがあちこちに。
限られた時間の中で壮大な物語を描こうというのに無理がある感じ。
ヒンデンブルグ炎上事件を描いたものにはかつての名作があるから、軽い
感じでみればいいのだろうけど。炎上のVFXシーンはなかなかの見ごたえだ。
ストーリーの骨子は結構面白くできているので残念だな。
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爆発しやすい水素を使わざるを得ないドイツのツェッペンリン社。ナチスドイツは
アメリカがドイツに禁輸しているヘリウムの禁輸を解かせるため、水素の危険性を訴えようと
アメリカのヘリウム製造元である大手石油会社の社長と結託してヒンデンブルグに
爆弾を仕掛ける。爆発はニューヨークに着いて全員降りてから、ということにしてあった
のだが、誤算が二つあった。一つは石油会社の社長が心臓発作で倒れたとの報で
妻と娘がヒンデンブルグに乗ってしまったこと。もう一つは、到着が天候のせいで12時間も
遅れてしまったことだった。

しかし、ヘリウムの禁輸解禁は口実で、実は同じ石油会社が売っていたガソリン添加剤も
輸入可能にしようとするヒトラーらの陰謀が隠されていた。

上記のような物語に巻き込まれるのがヒンデンブルグの設計に加わった技術者のマーテン。
彼はグライダーの飛行中湖に墜落し、写真を取りに来ていたある娘に助けられる。(ありがとう
君は命の恩人だくらいは言おうね)この娘こそ、石油会社社長令嬢ジェニファーだった。
彼女には貴族の婚約者フリッツがいた。
NYで父が倒れるという知らせに母とヒンデンブルグに乗ることになったのだが、その報を知った
父親は自分で爆弾を仕掛けたので母と娘を飛行船から降ろすようにツェッペンリン社の社長に
伝える。同じ飛行船でNYに帰るマーテンは飛び立つ前にフリッツに襲われる。フリッツは
偶然首に刺さったトイレの破片で死ぬのだが、その間際にヒンデンブルグに爆弾が仕掛けられ
ていること、そしてジェニファーという名前を言い残した。

クルーに化けて何とか飛行船に飛び乗ったマーテンだったが、フリッツ殺しの容疑でゲシュタポに
捕えられ「秘密文書」の行方を吐くよう拷問を受ける。そんなもの知らないマーテンだったが
ジェニファーを呼び出し一緒に死んだフリッツの部屋に入ると葉巻のケースの鍵がポケットに
入ったクルー用のジャケットがあった。葉巻は預かることになっているのだが、その箱を空けると
中からダイナマイトを包んだ後の抜け殻と、秘密文書を丸めたものが見つかった。
秘密文書とは、ナチスドイツのポーランド侵攻?を予定するものだった。これに航空機を使う際、
航続距離を伸ばすための添加剤が必要なのだが、ヒトラーはこれを欲してアメリカの石油会社に
ヘリウムガスと一緒に輸入させようとしていたのだ。

容疑が晴れて自由の身になるマーテンだったが(あっさりゲシュタポが釈放するかなあ。それに
ボコボコニやられた顔が綺麗だし)ジェニファーと船内に隠された爆弾を探す。
すると母親が関わっていることを目撃してしまう。爆弾を隠した男を追ったマーテンだが、男は
落下して落命する。爆弾は船外と目星を付けたマーテンはクルーにいた友人に助けてもらい
ロープで船外に出て爆弾のタイマーを止めた。

しかし、すでに船は到着寸前。その時、その前に落雷に会って帯電していたところに水素が
引火し大爆発を起こす。ここからはニュースフィルムでもおなじみのシーンだ。
辛くも脱出するマーテンとジェニファー。母親は爆風の中で死亡する。

迎えに来ていた父の前で起きた大惨事。この際父は洗いざらいぶちまけるつもりだったが
救急隊員に化けたナチにジェニファーを拉致され、違うコメントを言わざるを得なかった。
マーテンは秘密文書とジェニファーの交換をナチに申し出、それが実現するが、秘密文書は
熱でボロボロになっていた。自分の行為を恥じた父はナチを殺し、自分も自殺してしまう。

このメインのストーリーに、ドイツからアルゼンチンに脱出するユダヤ人の金持ち一家、
トイレの中でマーテンとフリッツの会話を聞いていたジャグラー。彼はユダヤ人一家が
アルゼンチンに行くことを船内のロビーで皆に大声でしゃべってしまう。(これも意味不明だ
なあ)、そのユダヤ人に持参している金をせびるドイツ空軍士官、などのストーリーを
織り込んで映画は出来上がっている。

テレビの2時間サスペンスを見るつもりで見るといいかもしれません。そんな出来の映画
です。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-02-18 23:10 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)