リッチーとの一日 Curfew

●「リッチーとの一日 Curfew」
2012 アメリカ Fuzzy Logic Pictures.20min.
監督・脚本・主演:ショーン・クリステンセン
他の出演:ファティマ・プタセック、キム・アレン
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<2012年度アカデミー賞短編実写賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
この手の映画をWOWOWは放映してくれるから助かる。おそらくは自分から
映画館には(上映していても)行かないだろうから。20分に満たない短編だが
非常に中身が濃い出来上がりとなっている。

文学にしろ、映画にしろ、「起承転結」「序破急」「めりはり」というのは大事なわけだが、
この映画にはそうした作法を踏まえた上で、人間の「喜怒哀楽」まで埋め込んで見せた。

トップカットはバスタブでカミソリを使って手首を切り、今しも自殺を図りつつある若い
男リッチー。バスタブのそばの電話が鳴る。しばらく無視するが、出る。(ということは
こいつ、あまり死ぬ気は無かったのかも)電話の相手は姉で、久々の電話だ。
どうしても娘を預かってもらわないとならない用事が出来た、普段ならあんたなんかには
頼まないのだが、今はあんたしかいないの、なんとかして、お願い、と懇願され、
自殺は中止。

血を洗い落として傷に包帯を巻き、姉の家に行き、ソフィアという5歳くらいの女の子を
一晩あずかることになった。この女の子がまた大人びていて、いい感じ。俳優としても
上手く、彼女の存在がこの映画の最大のポイントとなっている。
必要なお金を貰い、娘を連れて行っていいところだけを書いたメモを渡される。
そしてまずリッチーが向かったのがボーリング場。そこで女の子は音楽に合わせて踊り
出したりしてご機嫌だ。リッチーも何だか心がウキウキしてくる。次に自分の描いた
パラパラ漫画を見せる。素直に喜ぶソフィア。そして、店のトイレに入ったソフィアを
外で待っていると女が二人でかい声でおしゃべり。怒ったリッチーは、「子供が入って
いるんだから黙れ!」と一喝。そんなリッチーになついていくソフィアであった。

ケガをしているリッチーに「たばこは健康に良くないからやめろ」とか「彼女を作って
健康を管理してもらえ」とか母親のようなことをいう。リッチーも素直で屈託のない
ソフィアと接しているうちに、自分の中の何かが変わっていくことを感じていたのでは
ないか。

時間が来て、家に帰った二人。リッチーにサヨナラのハグをするソフィアにびっくりする母親。
帰ってきた母の顔にはアザがあった。どうやらDVに晒されているらしい。
そんな妹に対し、リッチーは、さっき自殺をしようとしていた人間とは思えない感動的な
言葉を掛けてあげたのだ。(兄妹が疎遠だったのはかつて預かったソフィアをリッチーが
落としてしまったことから)

そして家に帰って、バスタブにつかるリッチーは、また自殺を企てようとする。(おいおい!)
そこに電話。一度はケーブルを引き抜くが思い直して接続し受話器を取ると、妹の声で
「これからもときどきソフィアの面倒を見てくれない?」と。

「わかった」とリッチー。

もう彼が自殺を企てることは無いだろう。そしてドラッグからも手を引くだろう・・・。

そんな物語が20分で綴られる。短編故の深い思い入れが出来る作品だ。これを長編に
しようという計画があるという。止めといたほうがいいんじゃないか?これは短編だから
生きている話だと思うよ。
この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-03-16 22:00 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)