ダラス・バイヤーズ・クラブ Dallas Buyers Club

●「ダラス・バイヤーズ・クラブ Dallas Buyers Club」
2013 アメリカ Voltage Pictures,Truth Entertainment (II).117min.
監督:ジャン・マルク=ヴァレ
出演:マシュー・マコノヒー、ジャレッド・レトー、ジェニファー・ガーナー、デニス・オヘヤ、スティーヴ・ザーン他
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<2013年度アカデミー賞主演男優賞、助演男優賞、メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
オスカーを獲ったマコノヒー、20キロ以上の減量で別人のようだった。そのくぼんだ眼窩や
頬から発せられる生へのオーラは、やはり見ごたえ十分だ。事前知識なしで観たのだが
これはホントにあった話じゃないか、と途中で思えてきたのだが、ラストに主人公らのその後が
紹介され、実話に基づいた映画であることが分かった次第。したがってタイトルも、ちゃらけた
組織かな、と思っていたのだが、なんのなんの非常にシリアスな重い映画であったのだった。

オスカーで監督賞を獲った「それでも夜は明ける」もそうだけど、アメリカという多民族国家は
いい面ももちろんあるだろうが、偏見や差別を生みやすい土壌を持っているのだな、ということ
を改めて思い知らされる。またこれもアメリカ映画の主要なテーマである国家・組織対個人という
大きな戦いを勇気を持って取り組む人たち(偏見や差別もそうだけど)がいるんだな、という
ことも改めて思い知らされたのだ。

本作の主人公ロン・ウッドルーフはテキサスに実在した人物で、HIVに冒されながらも、理不尽な
政策を取る行政や巨大製薬会社に一人で立ち向かっていく。史実に埋もれたこういう人物を
掘り起こした本作の映画としての意義も大きいが、映画に命を吹き込んで主演と助演でオスカーを
獲った二人の俳優の存在があればこそ、その訴えるところの力強さも増したと感じるのだ。
HPを観れば脚本家のボーテンは1992年にロンに会っていて、映画化の話が出ているのだそうだ。

ただの不良のギャンブラーだったロンがHIVになったことで「生きる」ことに「生きる目的」を
見出す。その後の執念は物凄いエネルギーだ。やはり「生きる」ということは物凄いことなんだ
と子どもみたいなことだけど感じざるを得ないのだ。

演技だけでなく、脚本と監督のストーリーテリングや画作り(編集)、独特のカラーリング(色彩)と
総合芸術としての映画としてもいい仕上がりだと思う。これももう一度観てみたい作品だ。
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<プロダクションノート&ストーリー>
1985年、アメリカで最も保守的とされるテキサス州で、HIV陽性により余命30日と宣告された
男がいた。男の名前はロン・ウッドルーフ。同性愛者でもないのになぜ!?と怒りを周囲に
ぶつけるロン。『ジャイアンツ』『武器よさらば』などで知られる俳優ロック・ハドソンが実はゲイで
あり、エイズに冒されたという当時の報道は、驚きと共に、ゲイ=エイズという盲目的な偏見に
拍車をかけた。自ら宣告を受けたロンの反応も同じだった。
そこから、政府や製薬会社を相手取り、生きるためのロンの闘いが始まる。
主人公ロンに扮したのは、21キロ減量し難役に挑んだ人気俳優マシュー・マコノヒー。
ロンをサポートするトランスジェンダーのレイヨンには、監督やミュージシャンとしても活躍し、
俳優業から足を洗うと一時宣言していたジャレッド・レト。医師として、体制と個人倫理に
挟まれるイブを演じるジェニファー・ガーナーは、彼らの現実と我々の現実の橋渡しに欠かせ
ない“共感”を体現している。

男の名前はロン。ロデオと酒と女の日々をおくり、ある日ロデオで賭けをするが、負けると
金を払わず逃げ、その日暮らしのトレーラーハウスに戻った瞬間に、膝から崩れ落ちる。
病院のベッドで目覚めると、医師が彼に告げた。HIVの陽性反応が出て、余命30日である
ことを。
有名俳優のロック・ハドソンがエイズであることが公表され、同性愛者しかかからない病気、
そんな根拠のない噂が蔓延していた時代。同性愛者でもないのになぜ!?と納得できない
ロンは、図書館で新聞記事を閲覧し、情報を漁る。
そして自分はエイズであるという真実がつきつけられる。生きたい欲求にかられた彼は、
自分を診察した女性医師イブを訪ね、AZTという未承認の薬を処方してくれるように頼むが
、断られる。そこで彼はメキシコへ渡り、毒性の強いAZTではなく、アメリカでは未承認だが
効果がみこめる薬を国内に持ち込み、患者たちにさばき始める。
彼に慈善の心などなかった。素行が悪く、ゲイ・コミュニティーに嫌悪感を持つロンが、
販売ルートを広げるのは難しい。そこで彼は、美しいトランスジェンダーのレイヨンを仲間に
引き入れる。
日本をはじめ、世界中から仕入れた薬をさばくために考え出したシステムが
「ダラス・バイヤーズクラブ」だった。会費を募り、必要な薬を無料で配る。名目的に薬の
売買はない。その彼らの前に立ちはだかったのが、AZTを推奨し始めた医師たちと製薬会社に
政府。ロンは、弁護士を使い、 “個人の健康のために薬を飲む権利を侵害する”国の動きに
対して徹底抗戦の構えをとる。彼を見殺しにしようとする世界に対する戦い。
一人の男が、生きる権利のための戦いに挑んでいく。」(本作のHPより)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2014-03-25 14:45 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)