グローリー Glory

●「グローリー Glory」
1989 アメリカ TriStar Pictures, A Freddie Fields Production.122min.
監督:エドワード・ズゥイック
出演:マシュー・ブロデリック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマン、ケイリー・エルウィズ他
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<1989年度アカデミー賞助演男優、撮影、音響賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
★は7,5。実話を元にした感動作であり、見ごたえもそこそこあるのだが、どうも
今一つ引き締まり感というのもが感じられない。なぜだろうか。
主人公マシューのお坊ちゃま顔か、準群像劇に仕立ててしまったからか、ストーリーの
散漫さか。
南部からの逃亡奴隷を集めて北軍が作った黒人だけの初めての部隊第54連隊の
感動と悲劇を描いている。黒人と言っても自由黒人から奴隷だった黒人まで幅は広い。
月給13ドル(あとで白人と差をつけるため10ドルに下げられこれが騒動の1つとなる)で
集められた寄せ集めを率いるのは、名家の出身のショー少佐(マシュー)、黒人部隊は
人民の自由を謳う北軍の象徴としてマサチューセッツ州知事の提案で行われたのだった。

ボストン生まれのショー少佐は幼いころから黒人に対する偏見が無く、自由黒人とも
幼馴染であった。その黒人も志願して兵卒になる。また奴隷だった右左も分からない
輩まで寄せ集め部隊を纏めていくことは大変だった。しかし、黒人たちも名誉のために
頑張り、やがて軍服を与えらえれる。(軍靴が与えられないことに怒ったショー大佐(部隊
結成のタイミングで昇格している)は補給係に怒鳴り込み、靴を分け与えた)

銃の撃ち方、軍陣の作り方など苦労して部隊を一人前にしていったのだ。しかし陸軍は
彼らに後方の作業しかさせず、士気の低下に悩んだショー大佐は、司令官に直談判。
司令官の部下たちが略奪品を私物化しているネタをもとに強請ったのだ。

初の黒人部隊として誇り高い54連隊は、実戦に出始める。勇敢な彼らは立派な戦いを
するのだった。そして、難攻不落の南軍の砦フォート・ワグナーの先陣を志願したのだ。
一本道しかなく先陣は極めて難しい攻撃となる。突撃する部隊だったが、南軍の大砲や
銃に次々に斃れ、ショー大佐も先頭を切って突撃する際に銃弾に倒れて死亡してしまう。
結局、この攻撃では北軍はワグナー砦を落とすことは出来ず、54連隊はショー大佐を
始めとする多くの戦死者を出したのだった。

こうして、無頼の黒人たちが、みずからの生きる価値と名誉・栄光に目覚め、北軍の
一員となって戦陣に乗り込みそして散る。オスカーで助演男優賞を獲ったデンゼルは
始めはチンピラで文句ばかり言っていたが、やがて先頭で戦う勇敢な男になる。
彼が靴が欲しくて脱走してつかまり、ショー大佐もむち打ちはやりたくなかったが軍規が
守れなくなると考え、むち打ちを許可したが、その時この男トリップがショー大佐を
見つめて目線を離さず涙を流す光景は、当時の奴隷や黒人の思いが出ているシーンだ
と思った。

ラスト、多くの戦死者を片付ける南軍、砂浜に掘った穴に遺体を放り投げていくが黒人
兵士にまじって、ショー大佐の遺体も無造作に投げ込まれた。黒人と一緒に死んでいる
ショーの光景はショーの思いを表しているようだった。ラストの凄惨な突撃シーンは
史実とはいえ、悲しい光景だ。しかし、突撃の前夜、黒人たちはイエスを賛美する即興の
歌を歌い、たとえ死んでもイエスがそばにいてくださる。怖くはないのだ、と思いを1つに
していくところも感動のシーンである。

マシューのおぼっちゃま顔がミスキャスト、という意見も多いが、私は彼のボンボン指揮官
だが、しかし自由博愛主義者である一方、戦いに臨んでは勇敢である、そういう人物を
好演していた、と感じた。何かがあるとすぐに父親に手紙を書いて裏から手をまわそうと
するところとか、ホントにボンボンなんだけどね。実際そうであったのだろう。

古くは竜馬の奇兵隊、ハワイの日系人たちの部隊などとダブって見えた。自分たちの名誉と
子孫の栄光のため踏み石になっていった人たち。彼らの勇気を感じたら、この映画を見て
正解だった、ということだろう。涙は出ないけど、ジワリと感動的だ。しかし、冒頭言ったように、
エピソードのばらけ感が個人的には気になったのだった。オスカーで主要部門にノミネート
されなかったのもそのあたりにあるのかもしれない。
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<ストーリー>
「1860年代初頭、ボストンの実家に戻ってきた北軍指揮官ロバート・グールド・ショー
(マシュー・ブロデリック)は、パーティの席上で知事(アラン・ノース)から、黒人だけで
組織される第54連隊の指揮官を勧められ、それを引き受ける。
ショーの友人で白人士官のキャボット・フォーブス(ケイリー・エルウェス)と幼なじみの
黒人シアーレス(アンドレ・ブラウアー)も、それに志願した。

やがて多くの黒人たちが入隊を志願するが、その大半は南部から逃れてきた奴隷で、
食事と軍服目当ての者も少なくなかった。訓練は苛酷を極め、しかし兵士は白人部隊を
しのぐ成長ぶりをみせた。が、北軍内部でさえ人種差別は根強く、必要物資もなかなか
支給されない上、リンカーン大統領の命令で、黒人兵は戦闘の加わることができないで
いた。
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厳しい訓練が続く中、ショーは、リーダー格のローリング(モーガン・フリーマン)や白人を
憎むトリップ(デンゼル・ワシントン)、射撃の名手シャーツ(ジミー・ケネディ)たち兵士との
交流を通して、厚い信頼関係を築いてゆくのだった。
間もなく第54連隊は、サウスカロライナに移動し、ローリングも黒人初の上級曹長になるが、
略奪や肉体労働ばかりの黒人兵士の仕事に業を煮やしたショーは、総司令官にそれを
訴えて脅かしたことで、連隊はようやく実際の戦闘に加わることができ、そしてめざましい
戦果をあげた。さらにショーは、難攻不落の南軍の砦フォート・ワグナーの攻撃を、部隊の
全滅を覚悟で志願する。戦いの前夜、兵舎でゴスペルを歌う兵士たち。ローリングは、
今まで家畜同様に扱われてきた、これは自分たちの誇り高い栄光なのだ、と語る。

そして南北戦争の雌雄を決するこの壮絶な死闘の中で、第54連隊は全滅した。
しかし彼らの勇敢な戦いは、その後北軍に多くの黒人部隊を誕生させるきっかけとなり、
その勝利に大きく貢献することになるのである。」(Movie Walker)

史実によれば、多くの戦死者は出したが連隊は全滅はしていない。

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-04-07 23:35 | 洋画=か行 | Comments(0)