2014年 04月 15日
恋のロンドン狂騒曲You Will Meet a Tall Dark Stranger
2010 アメリカ・スペイン Mediapro,Versátil Cinema,Gravier Productions.98min.
監督・脚本:ウディ・アレン
出演:アントニオ・バンデラス、ロジャー・アシュトン=グリフィス、ジョシュ・ブローリン、ナオミ・ワッツ、
アンソニー・ホプキンス他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
このところずっとウディ・アレンの作品を観てきたが(好きなので)、本作はちょっと出来が低い
なあ、と感じた。作品のナレーションの中にも出てくるけど、「恋のから騒ぎ」を描いたもので
「愛する人に愛されることの難しさ」「愛は与えるもの、ばかりとは限らない」「恋は勘違い」的な
ニュアンスをウディ・アレン風の描き方で綴ったもの。
いろんな恋愛模様が繰り広げられるのだが、結局「それがどうしたのよ?」という観終わった時の
思いが強かった。
しかし、さはさりながら、ウディの上手いところは、それぞれのシークエンスにおいて、男性は男性
なりに、女性は女性なりにそれぞれのシンパシーを移入しやすい隙間を作っておくという心地よさ
というか、面白さは流石だな、と感じた。それと物語の持って行き方、紡ぎ方(構成)も映画の
ツボを心得ていて面白く楽しく観ることは出来た。
98分という時間、ジャズが流れるいつももアレン風の作風であるがロンドンが舞台なのだが
ロンドンらしいとか、ロンドンという都市が映画に何かを与えているわけではない。翌年に
オスカーを獲った「ミッドナイト・イン・パリ」と比べてみると、次作の方がパリのニュアンスが
濃く出ていて、物語としてもやはりよく出来ていたと判断せざるを得ない。よって★の7は
甘めであり、6,5と云う程度だと思う。出てくるキャストは素晴らしい。ただ他の人も指摘して
いたがホプキンスがウディの作風に合っていたかどうかは疑問が残る。
<プロダクションノート&ストーリー>
「ロンドンを舞台に2組の夫婦が巻き起こす恋愛騒動をユニークかつ滑稽に描く、ウディ・
アレン監督によるラブ・コメディ。騒動の発端となる老人をアンソニー・ホプキンスが演じる
ほか、その妻役をジェマ・ジョーンズ、2人の娘役にナオミ・ワッツが扮するなど、豪華キャストに
よる演技合戦が見ものだ。
アルフィ(アンソニー・ホプキンス)とヘレナ(ジェマ・ジョーンズ)はおしどり夫婦だった。
しかし、ある夜、ベッドで死の恐怖に襲われたアルフィが若さを取り戻そうと猛特訓に励み、
ついに家を出て行ってしまう。ショックで憔悴したヘレナは睡眠薬で自殺未遂を起こし、
一人娘サリー(ナオミ・ワッツ)の世話に。さらにクリスタル(ポーリン・コリンズ)という怪しい
占い師の元に通い始める。
サリーの夫ロイ(ジョシュ・ブローリン)は小説家だが、デビュー作以降スランプに陥っていた。
子作りにも消極的なロイにサリーの苛立ちは募る。やむなくロンドン市内のアートギャラリーで
働き始めたサリーは、オーナーで既婚者のグレッグ(アントニオ・バンデラス)に惹かれ、
彼と歩む未来を妄想し始める。
ロイは友人ヘンリーから初めて書いた小説を読んでほしいと頼まれるが、それは並外れた
才能がみなぎるものだった。ロイは、向かいのアパートに引っ越してきたエキゾチックな
美女ディア(フリーダ・ピント)を、窓越しに眺めることを心の慰めにするようになる。
そんなある日、アルフィが自称・女優のシャーメイン(ルーシー・パンチ)という若い女性と
再婚すると言い出す。実はシャーメインの正体はコールガールで、彼女を買ったアルフィが
抜群のベッド・テクニックで骨抜きにされたのだった。
ある雨の日、ロイはディアをランチに誘い出すことに成功し、恋人との結婚に不安を抱く
彼女を口説く。仕事帰りにグレッグとオペラを鑑賞したサリーは、彼が妻と上手くいって
いないことを打ち明けられる。
クリスタルのインチキ予言に心酔するヘレナは、オカルト系ショップを営むジョナサン
(ロジャー・アシュトン=グリフィス)と出会い、意気投合。やがて、シャーメインの浪費癖の
ためにアルフィは困窮し、グレッグが妻を捨てるというのはサリーの思い違いであることが
わかる。また、ディアの結婚を阻止したロイは、交通事故に遭ったヘンリーの小説を自分の
ものにしようとして泥沼にはまり……。」(Movie Walker)
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