プリズナーズ Prisoners

●「プリズナーズ Prisoners」
2013 アメリカ Alcon Entetainment.153min.
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ヒュー・ジャックマン、ジェイク・ギレンホール、ヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード
    メリッサ・レオ、ポール・ダノ他
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<評価:★★★★★★★☆☆>
<感想>
映画館で見たかったのだが、あまりにも長い上映時間に躊躇していたところ、
先週行ったホノルル便で機内上映していて、帰りの便で見ました。画面との距離が近いので
目が疲れますなあ。小さい画面で画質も良くなかったですが、映画としては面白かった。
単純なストーリーなのだが心理的な駆け引き、人間関係の思惑などが上手く表現されていた
と思った。娘を誘拐された父親のヒュー・ジャックマンもいいが、捜査官のジェイク・ギレンホールの
何を信じていいのか分からない中に放り込まれて捜査をする心理が良く出ていたと思う。
ただ、オチが宗教的なものだったので、これは「夢オチ」と同じで、理由としては弱いと感じた。
冒頭、ジャックマンの神への祈りから始まるのだが、オチと結びつけて考えれば、宗教的な
映画であるともいえる。

タイトルが複数形になっているのは、つまり、囚われ人となっていたのは、ジャックマンの娘ら
だけではなく、ジャックマンに誘拐犯と決めつけられ彼に拉致され拷問を受ける知能が低い男、
さらに、その叔母、加えて、ジャックマン自身も、捜査に当たったギレンホールでさえ何かの
囚われ人になっていたという骨子は、実はきわめて宗教的示唆に富んだものを提示していた
のかもしれない。
キリスト教徒でない私はよく分からないけど。

真犯人は近いところにいるというのは本作でも当てはまっているわけだが、オチは弱くても
「そう来たか!」という展開の面白さはあり、特に叔母とポール・ダノの関係は「あっ」という
衝撃を受けた。2時間半は充実していた。暗い画面、雨のシーンが多く、(演出だろうが)全体の
トーンを象徴していたといえる。また、ジャックマンやギレンホールのバックグラウンドが省略
されている分、下手をすると深みがない、などと言われそうだが、本作の場合主題にフォーカスが
より明確にさらに深度をもって当たるという点において成功していたといえるのではないか。
多重化された謎が心地よいミステリーだ。娘を奪われた父親の物語では決してないぞ・・。
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<ストーリー>
「前作「灼熱の魂」が高い評価を受けたカナダ人監督ドゥニ・ヴィルヌーヴが、ヒュー・ジャックマンと
ジェイク・ギレンホールを主演に迎えて贈る緊迫のクライム・サスペンス。アメリカの田舎町を舞台に、
何者かに掠われた6歳の少女の捜索を巡って繰り広げられる、冷静沈着に捜査を進めていく
刑事(ジェイク・ギレンホール)と、自らの手で一刻も早く我が子を見つけ出そうと暴走していく
父親(ヒュー・ジャックマン)の対照的な姿をスリリングに描き出していく。
共演はヴィオラ・デイヴィス、マリア・ベロ、テレンス・ハワード、メリッサ・レオ、ポール・ダノ。

 ペンシルヴェニア州ののどかな田舎町。感謝祭の日、工務店を営むケラーの6歳になる愛娘が、
隣人の娘と一緒に忽然と姿を消してしまう。警察は現場近くで目撃された怪しげなRV車を
手がかりに、乗っていた青年アレックスを逮捕する。
しかしアレックスは10歳程度の知能しかなく、まともな証言も得られないまま釈放の期限を迎えて
しまう。一向に進展を見せない捜査に、ケラーは指揮を執るロキ刑事への不満を募らせる。
そして自ら娘の居場所を聞き出すべく、ついにアレックスの監禁という暴挙に出てしまうケラー
だったが…。」(allcinema)

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by jazzyoba0083 | 2014-05-24 15:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)