泥棒は幸せのはじまり Identity Thief

●「泥棒は幸せのはじまり Identity Thief」
2013 アメリカ Universal Pictures.111min.
監督:セス・ゴードン
出演:ジェイソン・ベイトマン、メリッサ・マッカーシー、ジョン・ファヴロー、アマンダ・ピート他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本未公開だが、アメリカでは大ヒットしたコメディ。WOWOWでの放映を鑑賞したのだ
が、面白かった。半ばでイラついたり、だれそうになったりもするのだが、未公開が勿体
ない出来ではないか?ただ年齢制限は激しそうだけど。

オフィスにかかってきた一本の電話。クレジットカードが不正使用されるところだった、
無料の保険があるが入るか?というカード会社を名乗る女性からだった。ただなら、と
気軽に個人情報を教えてしまう男。これがあとあととんでもないことになることも知らず。

電話をかけていたのはフロリダのおデブのちょーしよさそうなしかもずるそうな女。
観ているだけでも憎々しい。彼女のキャラが後半変わっていくのだが、そのあたりは
メリッサの上手いところだろう。で、彼女はカード詐欺の常習らしく、男性の名前が
サンディという男女両方で使われるところに目を付けて、乗っ取りを画策したのだ。
で、まんまと個人情報を手に入れた彼女サンディ=ダイアナは、そのカードを使って
高額な買い物をし、豪遊していた。挙句の果てには酒場で店員に暴行して逮捕されて
しまうのだった。

一方コロラドはデンバーの本物のサンディは、ある日ガソリンが切れたのでGSに行くと
カードが使用停止になっている。なんでだろうとカード会社に文句をつけると、限度額
一杯(100万以上)使ってしまっているといわれ、またそれが使われたのがフロリダとの
説明で、カード詐欺にあったことは分かったがなんでかは理解できなかった。その時
突然パトカーに停止を命ぜられ警察にカード詐欺と暴行で逮捕されてしまう。
警察署で、フロリダで逮捕されたサンディの写真が本人とは違うので疑いは晴れたが、
今度は会社に薬物に手を染めた疑いがあると、捜索が入ってきた。
せっかく仲間と立ち上げた会社の副社長に納まったのに、社長からはこんな状態じゃ
首にするしかない、といわれ、1週間の猶予をもらい、サンディを連れてきて自白させたら
警察も会社もOKという言質をとりつけ、家族に別れを告げてフロリダに飛んだのだ。

自分の携帯に入ってきた美容院の予約から、彼女の来店を待ち構えて捕まえるのだが・・・。

さて、ダイアナをコロラドまで連れて行くまでのドタバタのロードムービーともなっているのだが
その行程が面白いのだ。サンディもダイアナもどこか抜けていて、さらにダイアナを追っている
のはサンディだけではなく、彼女にカード不正使用をされたばかりに刑務所に入れられた
マフィアのボスの放った刺客とその刺客に物足りないからと言って雇われた刺客2号からも
命を狙われているのだ。それらを巻き込んでカーチェイスありの、酒場で出会った南部男との
ギャグいっぱいの出会いとセックス、呆れてみているサンディ、など面白いシークエンスが
続く。野宿やヘビとの戦いなどを経て、サンディとダイアナに次第に心が通い始める。
なんで2000キロも車での移動となったかというと、サンディは帰りの航空券は持っていたのだが
ダイアナのIDはサンディと同じ。同姓同名が二人で飛行機に乗るのは怪しまれるでしょ、
とダイアナに指摘されて、悔しがるサンディであったのだ。

そんなこんなで、ついにデンバーの我が家にダイアナを連れてきたサンディ。彼女は
二人の娘とも仲良くなってしまった。実はダイアナは赤ちゃんポストに捨てられ、里親を
たらいまわしにされて育った孤独な身で、今の生活も家族の愛に飢えての反動であったのだった。
そんなダイアナは家族を愛し、娘を愛するサンディに心を許してしまったのだった。
一緒に会社に行こうとしていたその朝、ダイアナの姿は消えていた。

傷心のサンディが出社し、社長に「失敗したよ」と告げると社長の指さす先には、警察の
取り調べを受けるダイアナの姿が。「あなた助けようとしたでしょ。これでいいのよ」と。
全ての罪を認めたダイアナ。これでサンディの濡れ衣はすべて晴れて、副社長としての
身分も守られたのだった。(途中で、サンディが前に勤めていた会社の重役のカードを
偽造して金を作るというシーンがあったが、あれはダイアナの罪、ということになったのね)

ラスト。刑務所の屋外の面会シーン。そこにはサンディ一家と楽しそうに話すダイアナの
姿があった。勉強して成績もいいらしい。サンディの娘たちもなついている。
サンディは警察に頼んで彼女の本籍を突き止め、本名の書いた戸籍を見せるが、彼女は
「わたしはこのままでいいのよ」と笑って、去って行ったのだった。

大きなストーリーの流し方とこれに絡む細かいシークエンスの積み重ね、それに俳優陣の
頑張りと、「カード詐欺にあって、犯人を憎む程度が少し甘いんじゃないか」というイラつきは
あるが、全体としてよく出来た映画だと思う。脚本はハングオーヴァーなどで気心がしれた
クレイグ・メイジンである。 原題は文字通り「ID泥棒」なのだが、邦題が意味不明。
もう少し考えようがあったのじゃないか?
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<ストーリー>
「 「モンスター上司」のセス・ゴードン監督&ジェイソン・ベイトマン主演コンビが、
「ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン」のメリッサ・マッカーシーを共演に迎えて
贈る全米大ヒット・コメディ。

他人の個人情報を盗んでは好き放題に贅沢三昧を繰り返すふてぶてしいおばさん詐欺師と
その被害に遭った善良な中年サラリーマンが、思わぬ珍道中を繰り広げるさまを描く。
 コロラド州デンバーで、妻と2人の娘と共に幸せな日々を過ごすビジネスマンのサンディ。
そんな彼の元にある日、身に覚えのないクレジットカードの高額請求が来てしまう。
なんとサンディの個人情報が盗まれ、悪用されてしまったのだ。
サンディは自分のIDに記録された数々の悪行のため、警察の事情聴取を受けるハメに。
さらには、職場の上司から、問題を解決しなければ解雇すると言われる始末。
こうしてサンディは、自分を陥れた女詐欺師ダイアナを捕まえるため、2000マイルも
離れたフロリダへ向かうのだったが…。」(allcinema)

この映画の詳細はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2014-09-21 22:50 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)