2014年 09月 27日
フローズン・グラウンド The Frozen Ground
2013 アメリカ Grindstone Entertainment Group,Emmett/Furla Films.105min.
監督:スコット・ウォーカー
出演:ニクラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ヴァネッサ・アン・ハジェンズ、ディーン・ノリス他
<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
アラスカを舞台にした実話に基づいた作品。刑事はニコラス、犯人はキューザックだ。
アラスカ舞台の刑事ものと言えば、アル・パチーノ主演の佳作「インソムニア」を想い
出す。本作はそこまでのレベルではないな、と感じた。ゆえに★は6.5というのが本音。
印象深いのは普通の良い家庭人を装って連続誘拐殺人犯を演じたキューザック。
このところ、何でこんな映画に出るのかよ、と思っているニコラスも、まともな役柄だ。
更に、いろんな人が書いているように(あるいは観ていてもその通り、と感じてしまう
のだが、唯一の目撃者シンディのキャラがイライラさせられるのが、本当にこういう
少女(17歳という)ならば、何だこいつ、と思うだろう。まあ、最期には、容疑者として
逮捕されるものの、のらりくらりと追及をかわしてしまう犯人の口から
「殺しておけば良かった!」という一言を引き出すことに協力するのだけどね。
このあたりの一瞬のカタルシスは良かった。
この狼の毛皮を被った羊のような犯人の行いもおぞましいが、最後に犠牲者の女性の
本物の写真が1人1人出てくるが、ここが一番おぞましかった。気を付けてみていると、
この本物の写真が映画の中で使われていた。
アラスカの寒々しい光景が、犯行を一層殺伐としたものとして感じさせる。そういう映像
効果はあったのではないか。
ストーリーは単純で、拉致監禁レイプされた、という少女が保護されるのだが、娼婦でも
ある彼女のいう事を警察の上部はなかなか信用しない。犯人として目星をつけられている
ロバート・ハンセン(キューザック)は、レイプなどの前歴があるが、今は家庭を持ち一応
普通の男を装っている。彼は水上飛行機を所有していて、これを使って拉致し、森の中で
まるで狩りをするように女性をハントするのだった。
この捜査を担当するのがジャック(ニコラス)。ロバートにターゲットを絞って追い込んでいく。
しかし、ロバートはなかなか尻尾をださず、保護された少女、シンディも復讐を恐れて証言を
拒否、証人保護プログラムもいやがる。その割には自堕落な生活を改めようとせず、
酒場の踊り子になってコカインをやる日々。そしてそこで客として来たロバートに見つかって
しまう。ジャックは何とかロバートの逮捕と家宅捜索令状を手に入れるが、本人は知らない、
というし、自宅からはなかなか証拠が出てこない・・・・。焦るジャック・・・。
最期には最初に書いたような結末が待ってるのだが・・・。
シンディのケースの時、担当した警官が、上司の取り扱に不満を持ち、州警察に調書ごと
郵送し、これに勢いを得てジャックらの捜査がハンセンに及ぶのだが、この善意の告発者の
扱いがちょっとおざなり過ぎなかったか?画面には映っているけど、彼の行為はもう少し
フィーチャーされても良かったんじゃないかなあ。
実話をもとにしているドキュメントドラマなので、下駄をはいた面白さはある。前にも書いたが
保護されたシンディのキャラがホントにイラつくんだよね。ジャック刑事は事件解決のためとは
言え、よく我慢したなあ。
<ストーリー>
12年間で24人以上の女性を拉致監禁し、彼女らを人間狩りのような手口で殺害していた
連続殺人犯ロバート・ハンセン。現在も461年の刑で服役中の彼と事件を追うアラスカ州
警察の巡査部長との激しい攻防を描くミステリー。
ハンセンをジョン・キューザック、巡査部長をニコラス・ケイジが演じるなど、ベテラン同士の
熱演に注目だ。
1983年、アラスカ・アンカレッジ。17歳の娼婦シンディ・ポールソン(ヴァネッサ・ハジェンズ)が、
モーテルの部屋で手錠に繋がれ叫び声を上げているところを警察に保護された。
彼女は指名した男に殺されそうになったと警察に話すが、その男、ボブ・ハンセン
(ジョン・キューザック)にはアリバイがあり、町の善良市民と言われている人物であった。
そんな彼を警察は疑う余地はなく、娼婦の客とのトラブルということで事件を握りつぶそうと
する。だが彼女を助けた警官は納得がいかず、事件の調書書類を上司に黙って州警察に
送るのだった。
同じ頃、ニックリバー沿いの平原で身元不明の少女の無残な遺体が発見された。事件を
担当するのは、退職間近のアラスカ州警察巡査部長ジャック・ハルコム(ニコラス・ケイジ)。
彼はここ最近立て続けに変死体が見つかっていたことから、同一犯の仕業ではないかと
考える。
そんな中、町警察から届いたシンディの事件の調書を見たハルコムは、彼女が告発した
ハンセンを調べることにする。シンディから真相を聞くため、ストリップクラブや、娼婦、
麻薬中毒者たちが出入りする場所を回るが、彼女はどこにも見つからない。
ところがハルコムが警察に戻ると、そこにシンディ本人が待っていた。彼女は自分が
レイプされ、その男に殺されそうになったが、男が軽飛行機を準備している間に辛うじて
逃げることができたと説明する。
一方、州警察ではハンセンが過去にいくつかの事件を起こしていた事実を調べ上げる。
過去の事件から限りなくクロに近い犯人であると確信するハルコムだったが、
彼を捕まえるには決定的な証拠がない。ハルコムは唯一の生き証人であるシンディを
証言させるために説得を試みる……。」(Movie Cinema)
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