連合艦隊

●「連合艦隊」
1981 東宝 143分
監督:松林宗恵
出演:小林桂樹、永島敏行、金田賢一、古手川祐子、中井貴一、丹波義隆、財津一郎、三橋達也
    高橋幸治、中谷一郎、小沢栄太郎、金子信雄、奈良岡朋子、丹波哲郎、鶴田浩二、森繁久彌ほか。
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
同じ戦闘を描いた3本を連続してみた。本作ともなると、戦闘シーンの凝りっぷりもさることながら
ヒューマンストーリーに主眼が置かれ、戦争の悲惨さをより濃く訴える雰囲気に重点が置かれる。
これは今年の「永遠のゼロ」に通じるものだ。(ゼロは、反戦映画かどうかは意見が別れるが)

永島敏行と金田賢一兄弟と古手川祐子を巡る愛情や戦争に振り回される若い女性のお話、
方や戦艦大和の下士官の父と、予科練を恩賜で卒業し、海軍士官候補生として入隊し、
やがて、特攻隊として死んでいく親子の物語が横軸を支える。縦筋には、もちろん真珠湾~
珊瑚海~ミッドウェイに至る、山本五十六大将の、物量勝る米軍に対し、一撃を加えて早い講和に
持ち込むという戦略を台無しにする当時の海軍のバカっぷりが描かれていく。

この中で注目したのは艦隊司令部と海軍軍令部が仲が悪く、情報のやりとりがまるでなって
無かったこと。インドシナ半島に進駐を主張する軍令部と、太平洋を航空機により制圧する
ミッドウェイを中心とする作戦を展開し、アメリカ機動部隊を叩くことを主張。
その辺りの対立が描かれていく。また「謎の南雲艦隊の転進」も、情報というものを重要視し
なかった日本軍の致命的な欠陥も示されていく。
海軍の上層部がこれでは、戦闘機や、軍艦で現場に直面する兵卒はたまったものではない。
陸軍に比べ、進歩的だったと言われる海軍にしてこれだから、あの戦争は負けるべくして負けた
と言わざるを得ない。
また、真珠湾の後の東南アジアからインド洋までの長い意味のない遠征。山本は、真珠湾に
空母が居なかったことを非常に警戒していた。早く空母を探すべきなのに、インド洋まで出かけて
いては、どうしようもない。

山本の苦悩、小沢と南雲、また南雲と同じ司令部にいて意見が終始合わなかった宇垣纏の
対立も、語りや地図を交えてわかりやすく描かれる。
なかでも、山本だったかな、「やむを得ないで始まり、やむを得ないで終わるのか」という感慨は
日本が始めた戦争の愚かしさを示していた。

ラストは谷村新司の歌で締めくくられるのは当時、さだまさしらが映画のエンディングテーマを
歌っていた流行りを取り入れたのだろうな。あまり終わり方としては感心しない。
出演者は東宝オールスター。藤田進は、「ハワイ・マレー沖海戦」からずっと出ていたな。

特撮はもう円谷の時代では無くなっていたが、「太平洋の嵐」で使われたシーンが多数使われ
また真珠湾もアメリカ軍側の映像も実写を混じえながら描かれていて、迫力という点からすれば
20年の進化を感じさせるものであった。空母飛龍は1分の1の模型を作ったし、戦艦大和の
モデルも精密なものを作り上げた。当時の防衛庁も協力をしている。スタッフの力の入れようが
分かるというもので、実際映像もなかなかの迫力を持つ。
この後はCGやVFX全盛時代に入っていくわけだ。

この手の映画は、もう作られないだろうな。
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<ストーリー>
昭和十五年。考古学者本郷直樹は次男の真二が自分と同じく学問の道を志すことを喜んでいた。
兄の英一は父の意に反して海軍少尉になっていた。
一方、船大工の小田切武市は一人息子の正人が海軍兵学校に合格したので有頂点になっていた。
十八年間海軍に勤めても下士官止りの武市は正人の将来は約束されたと信じて疑わなかった。

一年が過ぎた。世界情勢は日毎に緊迫の色を強め、戦争の予感は現実のものになろうとしていた。
昭和十六年十二月八日、早期和平を強調する山本五十六のもとで、連合艦隊は、ハワイ真珠湾に
奇襲をかけた。次々と炎上する米海軍の戦艦群を、英一は興奮の面持ちで見つめていた。

その頃、五年の歳月と建艦技術の粋を集めた空前総後の巨艦、大和が完成した。山本はアメリカに
時間を与えず、早期和平に持ち込もうと、ミッドウェイ作戦に賭けた。
しかし、作戦は失敗に終り、戦局は消耗戦へと展開していった。数々の戦闘を体験している英一は、
死を覚悟し、婚約者の陽子と式を挙げたが、指一本触れずに戦場へもどった。
やがて大学生の真二も召集され兵学校を卒業した正人も武市の意に反して零戦に乗る決意を
していた。日本軍は劣勢に回り、起死回生のレイテ作戦に出た。英一は戦場で真二と出会った。
陽子への仕打ちをなじる真二に「陽子を頼む」と遺書を残して英一は大空に散った。
英一の残したライフ・ジャケットのために沈む船から脱出した真二は、生きる喜びをあらためて知り、
陽子と生きようと陸上勤務を志願するが、大和への転属を命ぜられる。
死を目前にして真二は陽子を抱けなかった兄の気持を初めて理解した。陽子は逆だった。
愛する人に抱かれたい。陽子は真二に激しく体をぶつけるのだった。

同じ頃、正人は特攻を志願していた。武市は息子の出世に固執し兵学校へ行かせた己の
浅薄さを呪い戦争の恐しさを痛感した。戦況は挽回の余地もない所まで来ていた。そして
ついに、最後の切札、大和の沖縄への水上特攻が計画されるに至った。大和は出撃した。
真二も正人もその中にいた。そして、陽子、武市、多くの肉親を残して、大和艦上の戦士たちは
その命を沈めていった。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2014-10-12 00:40 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)