清須会議

●「清須会議」
2013 フジテレビ・東宝 制作プロダクション:シネバザール 138分
監督・原作・脚本:三谷幸喜
出演:役所広司、大泉洋、小日向文世、佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、寺島進、でんでん、松山ケンイチ
    伊勢谷友介、鈴木京香、中谷美紀、剛力彩芽、坂東巳之助、戸田恵子、天海祐希、西田敏行他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
戦国時代を描いたものは個人的に大好きなので、期待と興味を持って観た。冒頭、でんでんが
大広間で広げる巻物のイラストに従って、当時の背景がざっと説明される点、なかなか手堅い。
三谷組に馳せ参じたオールサーキャストも楽しい。史実にほぼ沿って描かれる物語も好感が持てる。
ん?好感が持てる?それで三谷映画は良かったのだっけ。

彼はNHK大河ドラマ「新選組!」や前作「ステキな金縛り」などを見ても分かる通り、戦国時代や
幕末時代を舞台にした作品がお好きなようである。だからこそ期待もしたのだが、戦国武将の
虚々実々の駆け引きを描きたかったのなら成功であろうが、三谷喜劇としてどうか、と問われると
ちょっと引いてしまう。「喜劇ではない?」、ならば私の見方が間違っていた。
笑えないんだな。確かに大泉洋や役所広司のキャラクターに付けられた
面白さは演出されているのだが、「ステキな金縛り」「ザ・マジックアワー」「THE 有頂天ホテル」で
見られるような、どこか関東軽演劇のギャグを彷彿させる笑いが抑えられていたような気がする。
本来、三谷が書いた小説を元に作られた映画だから、三谷らしさは随所に見られるわけであり、
本作の狙いは、「清須会議」の陰謀渦巻く人間模様を描きたかったとするなら、これでいいのだ
ろう。しかし、である。私は三谷の映画にストレートなストーリーテリングを求めたくないのだな。

史実にほぼ沿って描かれていくのだが、そのことが破天荒になりえないブレーキになってしまった
のだろうか。個人的には小牧・長久手の戦いのふるさとに住み、この映画に出てくる武将の名前を
刻んだ碑も建つ土地に生活する事情から、そのあたりの経緯や戸田恵子の名古屋弁などは
楽しかったが(大泉秀吉の名古屋弁はいまひとつ)、それ以外は楽しいドキュメントを観ている
ようだった。

物語は、史上有名な織田信長暗殺を受けて、織田家の跡目を誰に相続させるかについて、
織田家の家臣どもが、それぞれの事情を抱え、権謀術数、虚々実々の駆け引きが繰り広げられる
模様を描く。実際に1582年7月16日に、名古屋の近隣、清須(織田家発祥の地)で開かれた
織田家跡目決定の会議とそれに至る、また決定したあとの話を綴るもの。

秀吉に大泉洋、織田家筆頭家臣、柴田勝家に役所広司、結局秀吉に籠絡されてしまう、丹羽長秀に
小日向英世、同じく池田恒興に佐藤浩市を配す。
また、信長の妹にして、嫁いだ浅井長政と息子を秀吉に殺され、(姉川の戦い)たことから、秀吉は
絶対に許せない立場であったお市の方(鈴木京香)は、勝家を使ってなんとか三法師の跡目を
阻止しようとするが失敗。
お市は、北陸の土地を安堵された柴田勝家に嫁ぎ、浅井の3人の娘(茶々=後の淀君、江=のちの
徳川秀忠の正室ら)と北陸へと旅だった。いいように祭り上げられた格好だが、秀吉の本心は
「天下取り」であった。やがて柴田勝家は賤ヶ岳の戦いで秀吉軍と戦うことになり、滅亡するのだ。
(そこまでは描かれていない)

三法師の母が武田信玄の娘だったり、当時の戦略結婚の図式や歴史の流れを理解していないと
ややわかりづらいかもしれない。

斯様に、これまでの三谷映画とは一線を画したもので、最後は秀吉の呵々大笑で終わるのもなん
だか「日吉丸物語」を観ているようで・・・。
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<ストーリー>
三谷幸喜が17年ぶりに手がけた小説を自らメガホンを握り、映画化。織田信長亡き後、その家臣
たちが集まり、後継者問題や領地の配分を決めた、清須会議。日本史上、初めて合議によって
歴史が動いたとされる、同会議に参加した人々、それぞれの思惑など、入り乱れる複雑な心情が
明らかになる。三谷にとっては本作が初の時代劇。

天正10年(1582年)。本能寺の変で、一代の英雄・織田信長(篠井英介)が明智光秀
(浅野和之)に討たれた。跡を継ぐのは誰か……。後見に名乗りをあげたのは、筆頭家老・
柴田勝家(役所広司)と後の豊臣秀吉・羽柴秀吉(大泉洋)であった。
勝家は、武勇に秀で聡明で勇敢な信長の三男・信孝(坂東巳之助)を、秀吉は、信長の次男で
大うつけ者と噂される信雄(妻夫木聡)を、それぞれ信長の後継者として推す。

勝家、秀吉がともに思いを寄せる信長の妹・お市様(鈴木京香)は、最愛の息子を死なせた
秀吉への恨みから勝家に肩入れ。一方、秀吉は、軍師・黒田官兵衛(寺島進)の策で、
信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方に付け、秀吉の妻・寧(中谷美紀)の内助の
功もあり、家臣たちの心を掴んでいくのだった。

そんな中、織田家の跡継ぎ問題と領地配分を議題に“清須会議”が開かれる。
会議に出席したのは、勝家、秀吉に加え、勝家の盟友で参謀的存在の丹波長秀(小日向文世)、
立場を曖昧にして強い方に付こうと画策する池田恒興(佐藤浩市)の4人。
様々な駆け引きの中で繰り広げられる一進一退の頭脳戦。騙し騙され、取り巻く全ての人々の
思惑が猛烈に絡み合っていく……」(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2014-10-13 17:10 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)