恋におちて Falling in Love

●「恋におちて Falling in Love」
1984 アメリカ Paramount Pitures. 106min.
監督:ウール・グラスバード
出演:ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ、ハーヴェイ・カイテル、ダイアン・ウィースト他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
この映画が作られたちょうどその頃、日本では「金曜日の妻たちへⅢ」が放映され、小坂明子が
歌った「フォーリン・ラブ~恋におちて」が大ヒットしていた。
「不倫」という言葉が市民権を得はじめたころだろう。そんな時代の気分も反映し、(バブル前夜で
世の中もなんとなくフンワカしていたのかも)、本作もヒットしたね。別にどうってこと無い不倫の
ストーリーで、今作っても話題にならんだろう。

しかし、時代が時代、更に主演の二人がデ・ニーロとメリルと来たもので、平凡なストーリーも
その演技力で、程度が上がったといえるだろう。そもそもがデイヴィッド・リーンの1945年作品
「逢いびき」のリメイクだそうだが、本作も上質なメロドラマであり、お互い結婚した物同士の
思いの揺れを上手く表現できていたのではないか。まあ主演の二人の勝利だろうけど。

デニーロもいいけど、はやりメリルの演技は(戸惑うところ、単純にはしゃぐ乙女っぽいしぐさなど)
一等上をいくと感じた。まあ、デ・ニーロは奥さんにほっぺた引っ叩かれてもめげないという
やや損な役回りなんだろうけどね。
ラストは意見の別れるところだろうなあ。あの書店の前で振り返りながら分かれていく、という手も
あっただろう。二人が完全に離婚している、という前提が示されていないので、またドロドロに
なっちゃうんじゃないの?デ・ニーロ、余計なことしちゃだめじゃん、とか思ったよ。

全編に流れるデイヴ・グルーシンの音楽も80年代の雰囲気をおしゃれに醸し出していて
良かった。ヒューストンに行くデ・ニーロを、止める夫を振りきって雨の中シビックを
運転して行くメリル、目の前に迫る閉まろうとしている踏切に突っ込んで死んじゃうのか?と
思ったのは私だけではないでしょうね。

NYもまだテロの心配とかないのどかな時代だったのだなあ。それにしてもこの映画は
クリスマスがひとつのキーワードなので、できればクリスマス時期に見ると気分が盛り上がる
んじゃないでしょうか。どなたかが書かれていたけど、女性側に子供が無い、という設定が
考えられていると。女性側に子供がいると、不倫どころじゃない忙しさだからねえ。
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<ストーリー>
「ニューヨーク郊外のウエストチェスターから通勤者たちを乗せた満員の列車に、モリー・
ギルモア(メリル・ストリープ)がアーズレイ駅から乗り合わせていた。
もう1人、フランク・ラフティス(ロバート・デ・ニーロ)が、ダブス・フェリー駅から乗った。
モリーはグラフィック・アーチストで、重病に瀕している父のジョン(ジョージ・マーティン)を
看病するために、マンハッタンに通っていた。夫のブライアン(デイヴィッド・クレノン)は
医者として成功していたが、モリーとの夫婦生活は順調とはいえない。

一方、フランクは建築技師で、妻のアン(ジェーン・カツマレク)と息子たち(ウィリー・アール、
ジェシー・ブラッドフィード)に対して変わらぬ愛情を捧げていた。
通勤電車が、グランド・セントラル駅に到着し、フランクもモリーも、それぞれの目的を終えると、
クリスマス・プレゼントを買うために有名なリゾート書店に足を向けた。買物を終えた2人は
身体がぶつかり、買物包を床にまき散らしてしまった。お互いの包みを拾って、笑いながら
別れた二人だったが、家に帰って包みを開いて、それが相手のものであることに気づいた。

モリーとフランクは、通勤電車の中で、偶然に再会した。クリスマスの時のヘマを互いに笑う2人。
そのまま別れたが、互いに心に残るものを感じていた。その夜、ウエストチェスターへ帰る
通勤列車の中で、フランクはモリーを探し回り、ようやく彼女を見つけ、これからは、いつも同じ
列車に乗ろうと提案した。翌日も朝の列車で乗り合わせた2人は、ランチもいっしょに食べる
ことになった。

それからというもの、2人はデートを重ねた。しかし、あくまで精神的なもので、お互いの身の
上話しなどが中心であった。やがて、2人の想いは、だんだん抑えきれないものになっていった。
フランクはテキサス州のヒューストンに1年間出張する仕事を依頼され迷っていた。
モリーは、父親の病状も夫との家庭生活も悪化していた。
そんな中、フランクは、2人のためにマンハッタンにアパートを借りた。しかし、モリーは、
フランクと体を重ねることができない。2人は押し黙ったまま家路についた。その日、モリーは、
父の死の知らせを聞いた。一方、アンは、フランクのよそよそしい態度に感づき、問い正した。
モリーとの関係を白状すると、アンは、フランクのもとを去った。
フランクがヒューストンに立つ日、モリーに電話するが、夫のブライアンが阻み、フランクは1人で
出発する。それから1年、またクリスマスの季節がやってきた。運命に操られるかのように、2人は、
あのリゾート書店で再会するのだった。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2014-10-13 22:05 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)