大統領の料理人 Les Saveurs de Palais

●「大統領の料理人 Les Saveurs de Palais」
2012 フランス Vendôme Production and others.95min.
監督・脚本:クリスチャン・ヴァンサン
出演:カトリーヌ・フロ、ジャン・ドルメッソン、イポリット・ジラルド、アルチュール・デュポン他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
日本未公開の作品を放映するWOWOWの「ジャパン・プレミア」にて鑑賞。このシリーズは
なかなかいい作品を見つけてくるので、見逃せない。
今回は、ミッテラン大統領に仕えた料理人の実話を基に作られている。原題は「宮廷の味」
というほどの意味であるが、邦題はなにか「天皇の料理番」みたいで、ひねりがなさすぎな
感じがする。そのまんまやないか、と。

本作は、フランスの田舎で民宿を営む中年女性が、時の大統領の料理人に抜擢され
苦労しながら奮闘する姿と、4年後、南極大陸のフランス越冬隊の調理人として働く
彼女をカットバックしながら話を進める。何で彼女が南極にいるのか、はラストに明かされる。

エリゼ宮の主厨房とは別に、大統領個人とその客たちに料理を提供する役目として
オルタンス・ラボリ(フロ)を官邸に推薦したのはジョエル・ロブション氏。ある日突然に
彼女のもとにミッテラン大統領の個人的な料理人になってほしいと言われる。
固辞していた彼女だが、やってみたいという野心もあり、なれないエリゼ宮での調理を
担当することになる。

たまたま話す機会があった大統領の好みは、素材の味を活かした料理。過度な飾り立て
などは不要だということ。田舎のおばあちゃんの料理が食べたいのだ、と知る。
自分がやってきたのは田舎に小さな料理教室を主宰し、小さなオーベルジュを経営、
得意とするのは田舎の家庭料理だったのだ。まさに大統領の好みにピッタリ。
彼女の作っていく料理の数々がほんとに美味しそうに写しだされる。大統領も満足だ。
しかし、主厨房とはいがみ合い、意地悪が入り、助手の青年と二人で奮闘する日々。
(この青年がなかなか料理が上手いのだな)
大統領を満足させようと、あちこちの知り合いから素材を仕入れ、青年と二人して
調理に格闘し、美味しそうな料理が出来上がっていく様子は、観ていて楽しい。

しかし、彼女を監督する立場の人間が変わると、大統領の健康面からメニューに注文が
入り、また値段はさておいて一流の素材を仕入れる彼女に対しての風当たりが強く
なる。料理を単なる食事とは見ず、メニューにも一貫性を求め、個性を重んじた彼女は
男性社会である官僚や主厨房の古い考え方がなじまない。それでも奮闘は続いた。

オルタンスは大統領が4日間の外遊に出かけた折に、辞表を出したのだった。

一方南極大陸のフランス基地では、隊員たちに愛される調理人としてフレンチの腕を
振るってきたオルタンス。その期間1年ももう終わろうとしていた。彼女は隊員たちに
腕をふるって最後の料理を提供する。
オーストラリアのテレビ局が彼女を追いかけていたのだが、最後にオルタンスが
リポーターの女性に語ったのは、ニュージーランドでトリュフの栽培をする畑を手に
入れるため、給料がいい南極大陸の調理人を選んだのだ、という。

ミッテランがまるで似ていなくてすごく年寄りなんだけど、まあそれは物語の大筋には
関係ない。もう少し主厨房や事務方との葛藤などがあったり、辞表を出した後の
大統領の反応も知りたかった。それにしてもオルタンスを演じたカトリーヌ・フロ、という
女優さん、良かったなあ。南極大陸とのカットバックも味わいがあったのじゃないかな。
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<プロダクションノート&ストーリー>
80〜90年代にかけてフランス大統領として活躍したフランソワ・ミッテラン。彼の専属
シェフとして、女性として初めてエリゼ宮入りしたシェフ、ダニエル・デルプシュの実話を
基にしたヒューマンドラマ。堅苦しい官邸の常識を、その腕前で変えていくヒロインの姿を
描き出す。セザール賞の常連、カトリーヌ・フロが主人公を演じる。

取材に訪れた南極基地で、オーストラリアのTVクルーが遭遇したのは一人の女性シェフだった。
彼女は何者で、どこから来たのか。興味を持った取材班たちの前で、少しずつ彼女の素性が
明らかになっていく……。
自然豊かな田園風景が広がるフランスの片田舎。小さなレストランを営むごく普通の女性
オルタンス・ラボリ(カトリーヌ・フロ)を、フランス政府公用車が迎えに来た。オルタンスが
連れていかれたのはパリ中心部にあるエリゼ宮殿。
彼女はミッテラン大統領(ジャン・ドルメッソン)からの直々の指名で、彼のプライベートシェフに
抜擢されたのだ。ところが、官邸は独特の儀礼や規律の世界。厨房も料理を美味しく
つくることは二の次で、数々の細かい約束事で縛られていた。さらには代々、男たちだけで
営まれてきたシェフたちのヒエラルキーの中、オルタンスは完全に“招かれざる客”なのであった。

だがそれでもオルタンスは料理のこと以外は目もくれない。彼らの嫉妬や専横に構わず、
美味しい料理をつくることだけに真摯に豪快に突き進んでいく。そんな彼女が唯一気にして
いたのは、自分の料理が大統領をハッピーにしているかどうかということだったが、
なかなか大統領の声は聞こえてこないし、秘書官たちは大統領が料理のことに割く時間は
ないといわんばかり。
今まで官邸では、食べる人の気持ちを確かめながら料理をつくる料理人はいなかったのだ。
オルタンスは、食事の後の皿の様子、給仕たちの観察、そしていくつものメモを書き、
あらゆる方法で大統領の気持ちを直接確かめようとする。当初は値踏みするような目で
遠巻きに眺めていた同僚たちも、いつしか彼女の料理の熱意と腕前に刺激され、官邸の
厨房に少しずつ新風が吹き始める。だが実は、オルタンスのまっすぐで新鮮な料理は
大統領の心の中に確かな絆をつくっていた。そんなある日、オルタンスは、ミッテランから
直接声をかけられる……。」(Movie Walker)

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by jazzyoba0083 | 2014-10-28 22:55 | 洋画=た行 | Comments(0)