ブロークン Broken

●「ブロークン Broken」
2012 イギリス BBC Films,Bill Kenwright Films,Cuba Pictures,Lipsync Productions.91min.
監督:ルーファス・ノリス
出演:ティム・ロス、キリアン・マーフィ、エロイーズ・ローレンス、ロリー・キニア、ロバート・エムズ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
個人的には、あまり趣味ではない映画ではあるが、なんか不思議と観てしまった。
イギリスっぽいテイストを感じる。最初のうち、この監督さんや製作サイドは本作で
何を言いたかったか、という「意味」を求めてしまったのだが、結局タイトルが示す通り
「壊れる」というとはどういうことか、ということを、3つの家族を中心として「表現」した
ということなんだな、と私としては得心した次第。 娯楽性というよりイギリス独特の
曇天の薄ら寒さを感じる作品なので、日本では劇場で公開されていない。WOWOWで
鑑賞。面白いとは思う。

スカンクという珍しい名前を持った女の子が主人公。この子、美形ではないけどいい演技を
していた。(エロイーズ・ローレンスが演じている)
このスカンクの家はイギリスによくみられる、行き止まり道のサークルにぐるりと並んだ家の
一つ。その家族と、向かいに住むオズワルドという母親が居ない、嘘つきで暴力的な娘3人と、
更に暴力的な父親の家、更に、精神的に不安を抱えたリッキーがいる家。

冒頭、洗車しているリッキーと会話しているスカンクの横をオズワルド氏が上半身ハダカで
近寄り、リッキーをいきなり殴り倒すというシーンから始まる。リッキーが真ん中の娘を
レイプしたというのだ。で、リッキーは警察に捕まるが、検査をしたけっか娘は処女であること
が判明。娘がコンドームを持っていたのでこれに怒った父親が自宅のテレビを壊そうとした
のでとっさに嘘をついた、というのだ。
リッキーははさみで父親を傷つけたことから精神病院送りになる。スカンクには同世代の
ボーイフレンドがいる。彼女は第1種糖尿病で、毎日血糖値を測り、自分でインスリンを
注射するという病を持つ。兄が一人。

スカンクの父は弁護士なのだが、母は会計士と駆け落ちして家を出て行ってしまっていた。
母親の位置にいるガールフレンドがカシャという女性。カシャはスカンクの通う学校の
先生であるマイクと恋仲。スカンクの家にもやってきたりするが、このあたりの家族構成と
カシャという、スカンクの父親と再婚することになる女性らの関係や構成がいまいちはっきり
しなかった。

作品で表現される暴力のほとんどの源泉はオズワルド一家。真ん中の娘は、何と
スカンクの兄(両方共中学生)と廃車の中でセックスし(スカンクに目撃される)、妊娠して
しまう。娘はこれを教師マイクのせいにし、オヤジは学校に乗り込み、マイクをボコボコに
殴りつける。一方、スカンクもカツアゲを繰り返す末娘に学校帰りに殴られる。
さすがにオズワルド氏は逮捕され、家にはどうしようもない娘3人が残されるが、こいつら
仲間を多数呼んでタバコ吸ったり酒飲んだりセックスしたりの乱痴気パーティーを開く。
スカンクの兄は、真ん中の娘に「妊娠の責任を取る。結婚しよう」と、これまたバカなことを
いうのだが、娘は「何馬鹿言ってるの」と相手にしない。このヤリマン娘、妊娠の相手が
スカンクの兄だという証明はないのだ。
しかし、この娘、パーティーの最中に大出血して、病院に運ばれるも死亡してしまう。
事情を聞かされ釈放されたオズワルド氏は、おそらくマイクに復讐をするためタクシーで
家に帰る。
そのころ、精神病院を退院したリッキーは家に帰ってきたが、その時がちょうど真ん中の
娘が救急車で運ばれる所だった。一番上の姉から、「変態のお前のせいだ」と罵られ、
リッキーはたちまちまた不安定な状態になり、階段から母親を突き落とす。(おそらく死んだ
のだろう)、そこへ父親が帰ってきて惨状を目撃、リッキーに「何をしたのだ」と詰め寄るが
父親もリッキーに殴られてしまう。

父親との些細な諍いから家出したスカンクは、退院したリッキーを訪ねた。
しかし、そこで糖尿病の発作を起こし瀕死になってしまう。家についたオズワルド氏、
リッキーの家に入ってみるとエラいことになっている。発作のスカンクを見つけ、彼女の
父の名前を呼ぶ。探しあぐねてベッドに横になっていた父は慌てて駆けつける。

死線をさまよったスカンクは、父の元に戻ってきたのだった。

少しずつ時制をずらして表現する手法は面白とは思ったが何度も繰り返されると
最後のほうはイライラした。結局、3家族ともそれぞれの思いで子供を守ろうとして
いたのだ。が、頭の悪いオズワルド一家が発火点となり、その思いがバラバラに
なっていく。途中で廃車を大きな爪で掴み上げるところとか、暴力=破壊という
趣旨の映像が挿入される。オズワルドのビッチ3姉妹のうち、嘘つきの真ん中の
娘は死んじゃうのだが、一番悪い上の姉はどうにもならないのね。まあ一番下は
小さすぎるのだけれど。結局もともと精神的に弱いリッキーを追い込んでしまうのも
ビッチ三姉妹なんだものね。
そういうわけで、イギリスの郊外の向こう三軒両隣で起きた「破壊」の風景なのでした。
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この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2014-11-11 22:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)