連合艦隊司令長官 山本五十六

●「連合艦隊司令長官 山本五十六」
1968 東宝 131分
監督:丸山誠治  特撮監督:円谷英二
出演:三船敏郎、稲葉義男、平田昭彦、松本幸四郎、森雅之、藤田進、安倍徹、加山雄三、久保明
   黒沢年男、田村亮、司葉子、酒井和歌子他
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<評価:★★★★★★☆☆☆☆>
<感想>
山本五十六は東宝の太平洋戦記モノにはほぼ必ず出てくる。「ハワイ・マレー沖海戦」
「ミッド・ウェー」、この後年の「連合艦隊」さらに、同じタイトルの役所広司版と。

個人的に米内光政、井上成美、と並んでこの時代の軍人として興味があるので、WOWOWで
放映があると録画して見ている。本作も、だいたい世間で言われている山本五十六像をなぞって
いるので、新しいことはないが、三船敏郎の「山本五十六」っぷりが観ものであろう。特撮は
前作「ミッドウェー」や、その前の「ハワイ・マレー沖海戦」からの流用も目につき、時代が下った
この時期では、少々退屈というか、特撮として見応えがないというか。自衛隊の借り物?らしき
実写との組み合わせや、山本の最後を描いたところは、下を流れる川も含め、まずまずで、
そのほかには特に印象的なところはなかった。

冒頭の、川下りでの逆立ちシーンはいい入り方だった。その後、例によって日独伊三国同盟を
否定し、アメリカとの交渉を続けるべきとする山本海軍次官の一連の動きから連合艦隊
司令長官になるまでを描く。三国同盟を結んだ途端に始まるであろう、ABCD包囲網の中で
日本はどうやって石油や鉄、銅、スズなどを手に入れるのか、という普通に考えると分かり
そうなことが、国論の勢いで押し切られてしまう。
アメリカの工業力は侮れない、この国と決して戦争をしてはいけないとは、彼の2年間のアメリカ
留学でその目で見て身にしみているからこそ出る意見だろう。

軍人だから、やれといわれればやるけど、ぎりぎりまでは和平交渉を続けること、また一撃した
後早急に和平に持ち込むことなどを条件にしていたのだが、山本の願いとは逆に逆にと
時代は流れていく。しかも、真珠湾奇襲は、山本があれほど気にしていた「宣戦布告」なしに
行われたことになり、これでアメリカを徹底的に怒らせたわけだ。
また真珠湾で空母を撃滅しそこねたのに、インド洋まで出かけて行くという無駄な長征を
したり、軍令部と艦隊司令部が仲悪かったとはいえ、ひどい軍隊を日本は持ってしまって
いたのだな。陸軍は更なり。

如何に当時の権力を持った軍人がアホだったか、こうなると政治が何もできないか、ということが
山本を通して分かってくる。今の時代に見てもつながるところが大いにあると感じるのだ。

世上よく言われる山本像なので、どこまで真実に肉薄したかは分からないが、当時の海軍
軍人として、アメリカを真に恐れ、戦争はしてはだめだ、と言い続けた勇気は真実だったのだろう。
最近の役所広司版を見てみたい。監修が作家の半藤氏なのでかなりリベラルな仕上がりに
なっているのではないか、と思うのだが。
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<ストーリー>
「昭和十四年。揺れ動く世界情勢は未曽有の危機をはらんでいた。折しも日本国内では、
日独伊軍事同盟をめぐって、陸軍を中心とする軍事同盟賛成派と一部良識派が、対立して
いた。時の海軍次官山本五十六は、世界大戦突入を憂慮し、同盟結成を阻止しようとして
いたが、皮肉にも連合艦隊司令長官に任命されてしまった。
翌年九月二十七日、日独伊三国同盟が調印された。山本司令長官は任務のために
真珠湾奇襲作戦に出たが、それは早期講和に持込むための布石だった。この作戦は予想
以上の戦果をあげた。だが、米軍の空母が無傷だったことは、開戦劈頭に相手に致命的
打撃を与え早期講和につなごうという念願を崩し去った。

やがて、“大和”が連合艦隊の旗艦として就役。真珠湾の余勢を駆って、日本軍は西南
太平洋から印度洋にかけて、破竹の進撃を続けた。だが昭和十七年四月十八日、
米空母ホーネットを発艦したB25の編隊が、日本本土を初空襲。これに動揺した軍上層部は、
ミッドウェー作戦を強行した。
しかし、作戦指導の失敗から、四空母を失い、山本長官の念願していた早期講和への道は、
全く絶たれてしまった。ミッドウェーの勝利から米軍は、俄然反撃に転じ、ガダルカナルへの
上陸作戦を開始した。日本軍はラバウルを基地に善戦したものの、補給に継ぐ補給、消耗に
継ぐ消耗と日米の物量の差が日増しにあらわれ始めた。

ガダルカナルの将兵には、飢餓、酷熱、疫病との戦いも加わり全滅寸前。ここに山本長官は
全責任を一身に集め、作戦を中止し一万余の将兵を救うべくガ島撤収命令を出した。
撤収を終った山本長官は、戦局挽回のため自らもラバウルに将旗を飜えした。

そして昭和十八年四月十八日、山本長官は六機の零戦に護られて前線部隊の激励に
出かけた。しかし米軍は日本軍の機密暗号電報を解読していた。やがて、長官機は護衛機
必死の応戦もむなしく、米軍P38に襲われ火を吐いた。
戦争反対を主張しながらも、戦争を余儀なくされた山本五十六は、皮肉にも自らの戦死に
よってその責任を全うしたのである。」(Movie Walker)
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by jazzyoba0083 | 2014-11-15 23:15 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)