危険なプロット Dans la maison

●「危険なプロット Dans la maison」
2012 フランス Mandarin Films.105min.
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ファブリス・ルキーニ、クリスティン・スコット・トーマス、エマニュエル・セニエ、エルンスト・ウンハウアー
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
面白かった。フランソワ・オゾン、才人だわ。脚本がいいんだね。またキャスティングも
脚本に良くあっていたと思う。現実と想像の世界が次第に入り組んでいき、結末まで
緊張感を引っ張る。続きが読みたくてたまらない小説を読んでいるようだ。

高校生が週末の宿題で出された作文に、「続く」で終わる連作を出してくるのだが、
文士くずれの教師がこれに興味を示し、色々と指導していくうちに、高校生が
書いてくるリアルな(と本人はいうが)世界と教師が想像する世界が渾然となって
行く。スリリングな展開に最後までグイっと引っ張られる。

高校生が書いてくる作文のどこまでがリアルでどこまでが想像の産物なのか、それを
あれこれ思ってみるのも楽しいのではないか。
結局教師は、高校生に引っ張られすぎて、離婚はするわ、教師はクビになるわ、で
高校生も、学校を辞めることになる。フレンチの香りのするなかなか良く出来た構造の映画だ。
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<ストーリー>
「かつて作家を志したものの、今は高校の国語教師として働くジェルマン(ファブリス・
ルキーニ)は、生徒たちの凡庸な作文にうんざりしながら添削する日々を過ごしていた。
ところが新学期を迎えたある日、1人の生徒が書いた作文に心を奪われる。それは、
数学が苦手なクラスメイトに勉強を教えるため、彼の家を訪れた週末の様子を記した
ものだった。その生徒の名はクロード(エルンスト・ウンハウワー)。
ジェルマンは表現力豊かなその内容を高く評価するが、妻ジャンヌ(クリスティン・
スコット・トーマス)は、友人のラファ(バスティアン・ウゲット)とその家族に対する皮肉
たっぷりの尊大さや倫理を無視した内容を批判。

翌日、ジェルマンは内容が不適切で第三者が読んだら問題になるとクロードに忠告するが、
返って来たのは“先生以外に誰も読まなければ問題ない。作文を学びたい”という答え
だった。彼の才能を伸ばしたいと考えたジェルマンは、個人指導を提案。ジェルマンの
指導を受けたクロードは、才能に磨きをかけ、ラファの家を訪れては次々と“新作”を書き
続けてゆく。それを日々、待ちわびるようになるジェルマン。

ところがある日、クロードが“もう書けないかもしれない”と言い出す。成績の上がらない
ラファを心配した両親が、家庭教師を雇うことを考えているというのだ。そうなれば、
もうラファの家に通うことはできない。“次のテストでラファに良い点を取らせ、成果を出さ
ないと。”暗に数学の試験問題を要求するクロードに戸惑いながらも、ジェルマンは試験
問題を渡してしまう。その結果、ラファは好成績を収め、クロードは執筆を再開。

だが、その内容は次第にエスカレート。ラファの母親(エマニュエル・セニエ)とのただならぬ
関係を匂わせるまでになってゆく。さすがに危機感を覚えたジェルマンは止めようとするが、
クロードは“あなたが書けと言ったんだ。もう止められない”と言い放つ……。」(Movie Walker)

この映画の詳細は
by jazzyoba0083 | 2014-11-26 22:50 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)