フルートベール駅で Fruitvale Staion

●「フルートベール駅で Fruitvale Station」
2013 アメリカ Forest Whitaker's Significant Productions,OG Project.85min.
監督・脚本:ライアン・クーグラー
出演:マイケル・B・ジョーダン、メロニー・ディアス、オクタヴィア・スペンサー他
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<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
本作は、2009年にカリフォルニアで実際に起きた、警官による黒人青年
オスカー・グラント氏射殺事件を映像化したもので、彼が射殺される2008年大晦日から
2009年元旦までの1日を丁寧に描き、普通に生活している人が、理不尽な理由で
人生をカットアウトされる有り様を提示、見ている人に短い作品ながら強烈な印象を
与え、これについて考えること求めている。

ちょっと悪い青年オスカーは、根はいいやつで黒人で貧乏が故に彼なりの苦労を
している。ソフィーナというガールフレンドとの間には幼い女の子、タチアナがいる。
遅刻を2回して、スーパーを首になってしまったが、それをソフィーナに2週間も
言えずにいた。マリファナの取引で一度刑務所に入り、悪事には懲りていた。
大晦日はママの誕生日で、みんなでそれを祝うため、家族が一同に会した。オスカーも
ちゃんとお祝いのカードを買ってきた。また、ガソリンスタンドで給油中に、そばに居た
野良犬?がクルマにひき逃げされたのを介抱してあげたり。
2009年、新年を迎えるに当り、彼なりの決意があった。「ちゃんとやろう」と。

そんなオスカーが、仲間(あまり素行はよろしくない連中なんだが)、サンフランシスコで
新年になった時に上がる花火を見にでかけることになった。クルマで行く予定だったが
ママが、電車にしたら、というので、湾岸エリアを走るBARTという地下鉄で行くことに。
しかし、時間が間に合わず、混雑した車中でカウントダウンとなり、客同士で盛り上がった
ところまでは良かった。
しかし、車内に、かつて刑務所でいがみ合っていた男と仲間が乗っていて、喧嘩になって
しまった。騒ぎはすぐに収まったのだが、警官が呼ばれた。オスカーははじめシラを切って
いたのだが、警官に引っ張りだされ、仲間たちとホームに引きずり出され、暴力を
振るわれ、不当に逮捕されてしまう。そして、なぜか抵抗もしていないのに、オスカーは
警官に銃で撃たれるのだ。その模様は、かつてスーパーで出会った白人女性でたまたま
その電車にのっていた女性などが携帯で一部始終を撮影されていた。

背後から胸を撃たれたオスカーは緊急手術を受け、片肺を切除したが、出血が止まらず、
あっけなく帰らぬ人となってしまった。ママや家族、友人が病院に集まって神に祈って
いたにも拘らず。 朝起きた時から、地下鉄の中まで、ごく普通の日常の時間が流れて
いた普通の22歳の男性の人生は、あっけなく終わってしまったのだ。

証拠の映像があったため、この事件は当然裁判となり、警官は「ティザー銃」と間違えた」と
いう主張が通り、懲役2年の実刑だったが11ヶ月で出所した。
警察と鉄道の幹部が退職に追い込まれた。しかし、正しい裁判が行われたとは言えず、
抗議は今も続いている。映像は2013年の元旦、フルートベール駅前で開かれた抗議
集会の実際の映像で終わっていく。

ある青年が朝起きて、日が変わる頃にはもうこの世に居ない、という事実が、前半の
普通の暮らしがごくごく自然に描かれていくので、そのカットアウト具合が衝撃的だ。
この監督の手腕が良いということだろう。理不尽なこと、人生とは思わぬところでカット
アウトするんだ、ということを短い時間だが、その不条理を的確に訴えかける作品だ。
オスカーを撃った警官を糾弾するわけでもなく、後日談は字幕で示される。そのあたりの
クールさが余計に悲劇を強調する結果を生んでいる。
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<ストーリー>
2009年の元日、サンフランシスコで黒人青年が鉄道警官に銃で撃たれて死亡した事件を
映画化。出演は「クロニクル」のマイケル・B・ジョーダン、「僕らのミライへ逆回転」の
メロニー・ディアス、「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のオクタヴィア・スペンサー。
サンダンス映画祭での作品賞と観客賞に加え、多数の映画賞を受賞。

サンフランシスコのベイエリアに住む22歳のオスカー・グラント(マイケル・B・ジョーダン)は、
前科はあるものの、心優しい青年だった。2008年12月31日。彼は恋人のソフィーナ
(メロニー・ディアス)と、2人の間に生まれた愛娘タチアナと共に目覚める。

いつもと同じようにタチアナを保育園へ連れて行き、ソフィーナを仕事場へ送り届ける。
車での帰り道、今日が誕生日の母親ワンダ(オクタヴィア・スペンサー)に電話をかけて
“おめでとう”と伝える。母と会話をしながら、新年を迎えるに当たって彼は、良い息子、
良い夫、良い父親として、前向きに人生をやり直そうと考えていた。

その夜。家族や親戚一同が揃って母の誕生日を祝うと、サンフランシスコへ新年の
花火を見に行くことにしたオスカーとソフィーナは、タチアナをソフィーナの姉に預けに行く。
オスカーとの別れ際、タチアナは不安を口にする。“恐いの。鉄砲の音がする。

”仲間とカウントダウンを祝って花火を見た帰り道、電車内でケンカを売られる。
仲間を巻き込んで乱闘になったところへ鉄道警察が出動。オスカーたちは、
フルートベール駅のホームに引きずり出されてしまう。何もしていないと必死に弁明する
オスカーだったが、警官たちは聞く耳を持たず、ついに事件が起きる……。」

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-02-04 22:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)