スライディング・ドア Sliding Doors

●「スライディング・ドア Sliding Doors」
1998 アメリカ Intermedia Films,Mirage Enterprises,Miramax,Paramount Pictures.100min.
監督・脚本:ピーター・ハウィット
出演:グィネス・パルトロー、ジョン・ハナー、ジョン・リンチ、ジーン・トリプルホーン、ザーラ・ターナ他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
凝った構成で、ちょっと混乱するところもあったが、全般的に面白く観た。グイネスも若くて
綺麗だけど、親友アンナを演じたザーラ・ターナにも惹かれたな。彼女映画はこの一本しか
でていないようだ。勿体無いなあ。

「もしもあの時ああだったら」という永遠のテーマを恋愛の中に投影し、仕上げたもの。
伏線もあれこれ効いていて、最後はどうなるのかと思ったら、なるほどね、という塩梅。
小気味良い映画だった。所詮2つの人生を歩けるわけはないのであって、夢物語として
主人公ヘレンが、地下鉄に間に合ったか間に合わなかったか、でどういう風に人生が
変化していくかを興味深く観せている。同じ人が2つの人生を演じるのでどっちがどちらの
立場だったのか分からなくなるといけないので、片方には額に絆創膏を貼ったり、ショート
カットにしたりして、工夫はしてある。それでも時々こんがらがったりした。

ヘレンはPR会社の有能なビジネスパースンだが、寝坊を繰り返しクビ。悄然と地下鉄に
乗るが、一人のヘレンは間に合わず、地上に出てタクシーを拾おうとしたところをひったくりに
遭い、かばんは無事だったが転倒して額に怪我をし、タクシーの運転手の介抱で病院に
行く。そして、なんて付いてないと早めに帰ってくると、実はボーイフレンドのジェリーは
元カノのリディアと浮気をした直後であったのだ。

一方間に合ったほうのヘレンは地下鉄の隣に座った男ジェームズに色々と話しかけられる。
同じビルに勤める男で、その日の朝、エレベーターで彼女の落としたイヤリングを拾って
やっていたりしたのだ。会社をクビになったことに同情されつつも、同じ駅で降りて別れた
ヘレンは、部屋に戻ると、ボーイフレンドのジェリーが元カノとベッドインの真っ最中!
思わず部屋を飛び出て親友の部屋に転がり込む。このケースのヘレンはもうジェリーの
ことなど忘れて、新しい職を探そうとショートカットにし、小さいPR会社を始める。
地下鉄で出会ったジェームズとはその後も会って話したりしていたが、彼の友人が
レストランを開業するのでそのPRを手伝ったのだが、これが成功、ジェリーとの間も深まって
いった。一方作家志望の彼氏ジェームズは未練たらたらだが、元カノと別れることが
出来ずにいた。

一方地下鉄に乗れなかったヘレンは、ジェリーの浮気を疑いつつもサンドイッチの配達
係と夜はバーのウエイトレスをして頑張ってはいた。やがてジェリーの浮気に気づくことに
なるのだが、まずは就職、と面接に行くと、そこには元カノとジェリーが一緒にいて、
元カノが妊娠したことでもめていた。事態に動転したヘレンは階段を慌てて降りようとして
足を踏み外し階下に転落してしまった。実はヘレンも妊娠していたのだった。

ジェームズはレストラン開業の日、復縁を迫るジェリーが店にやってきて、あれこれ言うが
ヘレンは相手にしない。しかし別れ際にほほにキスをする二人を見て、誤解し、しばらく
ヘレンから遠ざかっていた。ジェームズが恋しくてたまらない自分がいることを認識する
ヘレン。やがて長い出張から帰ってきたジェームズは、探しに来たヘレンと会社の前で
出会う。ジェームズは彼女とジェリーがよりを戻したと勘違いし、電話することを遠慮して
いた、と説明したのだ。お互いが誤解していたとわかった二人は結ばれるのだった。
しかし、その後、ジェームスを訪ねて会社に行くと、奥様と病院に行っていると言われて
愕然。短い間に二人の男に騙されるとは! ヘレンはジェームズの前から姿を消す。
必死で探すジェームズ。雨の夜、ヘレンがいつも来る橋の上でジェームズはヘレンを
見つけ、妻は居るが離婚協議中で、キミへの愛は変わらない。病気の母の手前、妻が
上手く振る舞ってくれていたのをヘレンが観てしまったわけだった。誤解が解けた二人は
ヒシと抱き合い、彼女は親友に電話するため道を横切ろうとしたとき、トラックにハネられて
しまった。ヘレンはジェームズの子を妊娠していたのだったのに。

シーンはそれぞれのヘレンが救急搬入された病院に移る。そこでは必死に看病する
ジェームズ、そして階段から落としてしまったジェリー。しかし、ジェームズの看病して
いたヘレンは死亡してしまう。そして奇跡的に助かった方のヘレンは流産してしまうの
だが、ジェリーが「何でもするよ」と反省の言葉を口にすると「今すぐそこを立って、ドアを
あけて出て行って、帰ってこないで」と宣告するのだった。この場合、元カノに出来た
ジェリーの子の解決は付いてない。退院するヘレンがエレベータ前で待っていると
開いたドアの向こうに乗っていたのは母親の見舞いを終えて出てきたジェームズであり
彼女がそこで落としたイヤリングを拾ってくれたのだ。その後の二人の行方を暗示して
映画は終わる。

個人的には助かって欲しかった方のヘレンが死んでしまった。けど、バカ男ジェリーを
見事に振り、ジェームズと出会うというカタルシスはまあ、良かったな。

一人の人生に絡む部分を巧みに2つに分けて進行させ、いったん2つの道に別れた
人生を再び一つにまとめあげると。テンポも良かったし、どう終わらせるのかという点に
付いてもなかなか良く考えたエンディングで満足だった。
ロンドン、という舞台設定も良かったんじゃないかな。ウディ・アレンを意識したセリフが
入っていたり。戸田奈津子さんの字幕は相変わらずすぐにわかるな。
「モンティ・パイソンの言葉を?」 
「どんなことも宗教裁判よりはマシだ」
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この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-02-19 22:30 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)