2015年 03月 09日
キリングゲーム Killing Season
2013 アメリカ Millennium Films.85min.
監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジョン・トラボルタ、マイロ・ヴィンテミリア、エリザベス・オリン他
<評価:★★★★★☆☆☆☆☆>
<感想>
このところ、トラボルタとデ・ニーロは、時々大ハズレな作品に出ることがある。本作も
それだ。初顔合わせのビッグネームに釣られてみたが、なんだかなあ、という映画だった。
二人の演技は問題はないし、トラボルタのボスニアなまりの英語はよく勉強したと思う。
けど、ストーリーが全然盛り上がらないというか、不自然というか。凡庸な作品となった。
鹿狩と戦争後遺症を描いた作品には「ディア・ハンター」という名作があるのだが、設定から
どうしてもそれが脳裏に浮かんでしまう。しかも同じデ・ニーロだし。だが、出来は比べるべくもない。
本作ではボスニア紛争に赴任した米軍+NATO軍の大佐(デ・ニーロ)が現地で実行した
私刑に対する恨みを、はるばるトラボルタが復讐にくるというもの。
トラボルタらは、民族浄化という名のもとに異民族を虐殺していたのだが、その犯人として
捉えられたのは仕方ないとして、デ・ニーロらの舞台は捉えた犯人らをその場で処刑したのだ。
しかし、デ・ニーロの撃ったトラボルタは生きながらえて、彼の地で復讐を誓い、アメリカに
やってきた。
デ・ニーロの方は、その事件がトラウマとなり、家族と顔を合わせられなくなるPTSDとなり、
山の中で隠遁生活をしていた。そこに現れたトラボルタ。最初は同じハンターとして意気投合
するが、トラボルタの目的はそうではなく、デ・ニーロに対する復讐だ。
二人で狩りに出かけた時、無線で交信しあうなかで、トラボルタはデ・ニーロに正体を明かし
弓矢で復讐にでる。
それからがお互いに捕まったり捕まえられたり。トラボルタの放った矢はデ・ニーロのふくらはぎを
貫通、捕まえたトラボルタはデ・ニーロに貫通した傷口にロープを通させ(痛そう!!)それで
逆さ釣りにする。(イタタタ!!!)。逆にトラボルタを弓で射たデ・ニーロ、彼の矢はワインを飲んで
いたトラボルタの頬を貫通する。それにレモン汁と塩を混ぜたものを掛けたりして。(滲みて痛そう!)
やったりヤラれたりする間に、お互いの戦争に至る経緯を知るようになると、自分がしていることの
虚しさを理解。二人は戦いをやめるのだった。
そしてデ・ニーロはこれまで接触を避けていたマゴのところに洗礼のお祝いを持ってでかけ、
トラボルタはベオグラードに戻って、自分の生活に戻っていったのだった。
まあ、追いつ追われつのところは面白くないこともないのだが、だいたい、トラボルタのしたことは
言い訳の付かないこと。片やデ・ニーロがトラボルタを現地で処刑しきれなかったのは、処刑に際し
良心の呵責に苛まれ手元が狂ったからだ。そんなトラボルタがわざわざアメリカに復讐にくるなんて
お門違いも甚だしいわけで、ラストの相互理解が出来る頭があるのなら、アメリカになんか来ない
と思うのだが。そもそもジョニー・キャッシュの歌を知っていたり、アメリカの古い歌を歌える
トラボルタって、どういう背景があるっていうの???
殆ど二人劇のような短い映画ではあるが、どうもピリリとしないまま終わってしまった。
トラボルタ、最近作品に恵まれていないんじゃ無いか?ニコラス・ケイジもその傾向があるなあ。
役者は揃ってるので、暇つぶしにどうぞって映画だな。
<ストーリー>
「ロバート・デ・ニーロとジョン・トラボルタというハリウッドきっての名優が初共演を果たした
サスペンス・アクション。かつて旧ユーゴスラビアのボスニア紛争で地獄の戦場を経験した
元アメリカ軍人とセルビア人の元兵士が過去に決着をつけるべく、一対一の戦いに挑む。
監督は『ゴーストライダー』シリーズのマーク・スティーヴン・ジョンソン。
アメリカ東北部からカナダへと広がるアパラチア山脈。元アメリカ軍人のベンジャミン
(ロバート・デ・ニーロ)は、退役してから家族とも疎遠になり、人里離れた山小屋で独居
生活を静かに営んでいた。
そこにセルビア人の元兵士コヴァチ(ジョン・トラボルタ)が現れ、二人は意気投合、翌日
二人はハンティングに出かける。しかし、旧ユーゴスラビアのボスニア紛争時に
ベンジャミンが行なった作戦の生き残りであるコヴァチは、壮絶な“人間狩り”をベンジャミンに
対して容赦なく仕掛けてくる。戦争の凄惨な記憶を封印してきた男と、いまだ戦争を終わらせ
ていない男。過去に決着をつけるため、世間から隔離された場所で1対1の孤独な戦争が
幕を開けた……。」(Movie Walker)
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