グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel

●「グランド・ブダペスト・ホテル The Grand Budapest Hotel」
2014 アメリカ・イギリス・ドイツ Fox Searchlight Pictures,Indian Paintbrush.100min.
監督・(共同)製作・脚本・(共同)原案:ウェス・アンダーソン
出演:レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム、エドワード・ノートン、マチュー・アルマリック
    シアーシャ・ローナン、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドプラム
    ジュード・ロウ、ティルダ・スウィントン、ハーヴェイ・カイテル、ビル・マーレイ、トニーレ・ヴォロリ他
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<2014年度アカデミー賞作曲・美術・衣装デザイン・メイクアップ&ヘアスタイリング賞受賞作品>

<評価:★★★★★★★★★☆>
<感想>
「ライフ・アクアティック」などの独特のファンタジーと画作り、演出で知られるウェス・アンダーソン
監督の最新作で、今年のオスカーを大いに賑わした作品。オスカーが決まることはもう上映が
済んでしまっていて、見逃していた所、早々にWOWOWが放映してくれた。これは嬉しかった。

個人的感想としては、ほぼ「完璧」な作品。本年の上位を争うこと間違いのない作品だった。
この手のファンジーはティム・バートンも好きなのだが、特徴の分かりやすい画作り、演出、
美術は、現代の映画界にあって唯一無二のものと思う。
いわゆる「作り物」としての「映画」としての完成度が非常に高いのだ。特徴が全面に出るので
好まない人にはダメかもしれない。そういう手の作品だ。「ライフ・アクアティック」はダメだったけど
本作は、本当にいい。

架空のホテルが舞台ではあるが、所謂「グランド・ホテル」ものではなく、「昔々ある所に、著名な
ホテルがありました。そこには名物のコンシェルジュと彼に使えるロビーボーイがいました」という
回顧譚の中に、殺人事件やら、それにともなう遺産相続のゴタゴタがエピソードとして折り込まれ
スピード感もあり、ラストに向かっての謎解きの面白さも加わり、充実した出来となった。
ただ、詰め込みすぎ、という見方をする人もいるだろう。100分でこれだけ押しこむのだし、
セリフも多いので、字幕を追うのに苦労するかもしれない。

ストーリーの奇抜性、キャラクターの明確さ、ファンタジー性、時代風刺、でもわかり易さ、
画作りも水平移動のトラック、直角パーン、フレームインフレームアウト、ズーミングなど、
非常に計算されている上、プロダクションデザインがさすがにオスカーを獲るだけあり、とっても
素敵だ。
ホテル内部の文字の配置やレタリングなど細かい所にまで拘りが観られ、舞台と衣装の色彩の
計算などが極めて高度に計算され尽くされてあり、独特の台詞回し、編集のリズムなど、先にも
書いたが、「映画制作の参考書」のような感すらある。ただし、これも「クドい」「やり過ぎ」と感じる
人もいるだろう。でも、それを100分でとどめた感性も秀逸だったと思う。伏線の埋め込みとその
回収にもニヤリとさせられる。エンディングロールのコサックダンスのアニメまで含めて楽しむべき
であろう。

それにくわえて綺羅星の如く次々と出てくる名優たちの存在感。しばし「映画の中に遊ぶ」と
いう「一級のアドヴェンチャー作品」としての側面も大きい「エンターテインメント」として、
是非お勧めしたい映画である。
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<ストーリー>
「ヨーロッパ大陸の東端、旧ズブロフカ共和国の国民的大作家(トム・ウィルキンソン)が
語り始めたのは、ゴージャスでミステリアスな物語だった……。
1968年、若き日の作家(ジュード・ロウ)は、休暇でグランド・ブダペスト・ホテルを訪れる。

かつての栄華を失い、すっかり寂れたこのホテルのオーナー、ゼロ・ムスタファ
(F・マーレイ・エイブラハム)には、いくつもの謎があった。どうやって貧しい移民の身から
大富豪にまで登り詰めたのか?何のためにこのホテルを買ったのか?なぜ一番狭い
使用人部屋に泊まるのか?好奇心に駆られた作家に対して、ゼロはその人生をありの
まま語り始める。

遡ること1932年、ゼロ(トニー・レヴォロリ)がグランド・ブダペスト・ホテルのベルボーイと
して働き始めた頃。ホテルはエレガントな宿泊客で溢れ、伝説のコンシェルジュ
、ムッシュ・グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)は、ゼロの師であり父親代わりだった。
究極のおもてなしを信条とする彼は、マダムたちの夜のお相手も完璧にこなし、多くの客が
彼を目当てにホテルを訪れていた。

しかし、彼の人生は一夜にして変わってしまう。長年、懇意にしていたマダムD(ティルダ・
スウィントン)が殺され、その遺言により貴重な絵画『少年と林檎』を受け取ったグスタヴが
容疑者にされてしまったのだ。ホテルの威信を守るため、謎解きに挑むグスタヴとゼロ。
コンシェルジュの秘密結社クロスト・キーズ協会(=鍵の秘密結社)や、ゼロの婚約者
アガサ(シアーシャ・ローナン)の力を借りて、大戦前夜のヨーロッパ大陸を飛び回る。
2人に迫る警察と真犯人の魔の手、そして開戦、果たして事件の真相は……?」
(Movie Walker)

この映画の詳細はこちらまで。
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by jazzyoba0083 | 2015-03-19 22:20 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)